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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1520話

 部屋の中に入って最初に俺の目を引いたのは、アロハシャツを着てサングラスを掛けている老人の姿。
 原作にて俺が知っているハワード、そのままの姿だ。

「ふむ、お主が儂に会いたいと言っておった者か? まさか、こんな風にしてまで会うとは思わなかったよ」
「……失礼しました。こちらとしても出来るだけ早くと言われていましたので。可能な限り手を尽くしたのですが」

 ハワードの言葉に、マフィアの男がそう返す。
 そんな男の言葉に対し、ハワードは鼻を鳴らす。

「ふんっ、そう言ってもお主達が強引に話を進めたのは間違いないじゃろ。……まぁ、いい。それで、儂に何の用件じゃ?」
「その前に……こちらがハワード氏と会いたいと私達に仲立ちを希望した、アクセル・アルマー氏です。そしてアクセルさん、もう言うまでもないと思いますが、こちらがアクセルさんの探していたマイク・ハワード氏です」

 マフィアの男の言葉に、俺は口を開く。

「アクセル・アルマーだ。少しあんたに用件があって、こいつらに力を借りていた。……その辺をもう少し詳しく話したいところだが……」

 そこで一旦言葉を止め、マフィアの男へと視線を向ける。
 それだけで俺が何を言いたいのか分かったのだろう。小さく頭を下げると、そのまま部屋を出ていく。
 部屋の中に盗聴器の類があるかどうか分からないが、まさかここでスライムを使って調べる訳にもいかないしな。

「ふむ、それでお主は何者じゃ? マフィアを手足のように使っておるところを見る限り、奴等の上位者か?」
「まさか。奴等とは純粋にビジネスの関係だよ」

 上位者……シャドウミラーという組織を考えれば、上位者と表現しても構わないだろうが。
 マフィアの上位組織が軍事国家とか、何だか色々な意味で物騒な上下関係だな。

「ビジネスのう。それで、マフィアとビジネスの付き合いをしているお主のような存在が、何故儂をわざわざ探すような真似を?」
「簡単だ。お前の技術者としての腕を貸して欲しい」
「ほ? 技術者とな?」
「ああ。実は今、俺の手元にちょっと面白いMSがあってな。それをきちんと使えるように修理というか、改修というか、オーバーホールというか……ともあれ、そんな風にして欲しい」

 俺の口から出た、MSという言葉はハワードにとっても意外だったのだろう。
 驚きの表情も露わに、俺へと視線を向けてくる。
 もしかして。自分がMSに関して高い知識や技術があるというのは隠していたのか?
 いや、原作でもピースミリオンを作ってたんだし、そこまで完全に隠すような真似はしていない筈だ。
 それでも表向きにその辺を隠していたという可能性は十分にあるが。

「ふむ、MSか。それで具体的にはどのMSかのう。マフィアのような者達を使って儂に依頼をしてくるという事は、表向きに出来ないMSであろう? オリジナルのMSと考えてもよいのかの?」

 この場合のオリジナルのMSというのは、リーオーを始めとした連合軍やスペシャルズで使用されているMSではなく、マグアナックのような連合軍以外で作られているMSの事だろう。
 にしても、金のある中東の国ではあっても、よく一国がマグアナックのようなMSを開発出来たな。
 しかも現在の主力のリーオーよりも性能が高く、汎用性に優れている機体。
 それを最低限マグアナック隊全体で運用出来るだけの機体数を作ったのだから。
 勿論それだけの性能を誇るMSが、マグアナック隊だけで運用されていた訳ではないだろう。その国の軍でも使われているMSなのは間違いない。
 ……これは完全に俺の予想だが、サンドロックを作ったH教授がその設計に関与していてもおかしくはない。
 サンドロックも砂漠のような過酷な環境での戦いを得意としていた事を考えれば、共通点はあるし。
 いや、こっちは全く俺の予想でしかないんだが。
 ともあれ、俺はハワードの言葉にポケットから一枚の紙を取り出し、ハワードに渡す。
 その紙を見た瞬間、ハワードは動きを止めた。
 サングラスをしているので正確には分からないが、恐らく驚愕しているのだろう。
 何故なら、その紙に書かれている文字は『トールギス』なのだから。

「お主、これをどこで!」
「静かに」

 ハワードにとっても余りにも予想外だったトールギスという存在に、思わずといった様子で叫ぼうとするの素早く止める。
 スライムで調べていない以上、この部屋の中に盗聴器の類がないという可能性は否定しきれない。
 そうである以上、世話になってはいるがマフィアにトールギスの事を知らせたくはない。
 そんな俺の思いを理解したのか、ハワードもそれ以上は言葉を発する事はない。
 スペシャルズがコルシカ基地から各種MSが盗まれたような事を公表するとは思えないが、それでも蛇の道は蛇。マフィアであれば、トールギスという固有名詞を出せばそこから調べるのは難しくないだろう。
 幾ら協力関係にあっても、あまりトールギスの事を教えるような真似はしたくない。
 それこそ、マフィアにとって俺達よりもスペシャルズに恩を売る方が利益になると考えれば、妙な考えを抱いてもおかしくはないのだから。

「とにかく、これが現在俺の手元にある。そしてこれを完成させて欲しい」
「ぬぅ……じゃが……お主、分かっているのか? これは普通では……」
「あんたが言いたい事は分かっている」

 ハワードが何を言いたいのかは、分かっている。
 実際、原作でもこの機体のテストパイロットをしたOZの兵士はトールギスの加速に耐える事が出来ずに死んでしまったし、ゼクスも最初は重傷を負った。
 ……まぁ、最終的にはトールギスを完全に乗りこなせるようになり、それどころかは反応の鈍さにもどかしい思いをして、ウイングガンダムゼロに乗り換えるのだが。
 ウイングガンダムゼロは、トールギスを作り上げた科学者達が設計した機体。
 言うなれば、トールギスの後継機と表現してもいいのだから。
 俺の場合は最初からトールギスに反応の良さというのは期待していない。
 混沌精霊の俺にとって、普通のMSではどのみち追従性に難があるというのは分かりきっている為だ。
 である以上、リーオーもトールギスも変わらない訳で……それでも高性能のMSという事で、トールギスを俺の乗機に選んだに過ぎない。

「とにかく、ここでは色々と問題があるかもしれないし、実物を見なければもっとしっかりとした話は出来ないだろ? よければ俺が今住んでいる場所に来て、その辺をしっかりと確認して貰いたいんだが」
「……ふむ」

 すぐに返事をするのではなく、じっと俺へ視線を向けてくる――サングラスだが――ハワード。
 恐らく俺がどのような存在なのかを見極めようとしているのだろう。
 何だかんだと、これまで長い時を生きてきたハワードだ。
 生きてきた年月で言えば、俺も外見相応のものじゃない。
 前世の記憶があり、他の世界に行っても年単位で時間を過ごしてホワイトスターに戻ってくるような事もあるし、魔法球にいたっては外の1時間が48時間だ。
 だが、それでもハワードのような年齢には達していない。
 そういう意味では、ハワードが俺という存在を見抜こうとしてもおかしくはないのだが……だが、それは無理でもある。
 確かに生きてきた年月の長さという意味では、ハワードの方が上だろう。
 だが、生きてきた年月の濃密さという意味では、俺の方が圧倒的に上だ。
 事実、俺の方をじっと見つめていたハワードはやがて視線を逸らす。

「ふむ、お主がどのような人物か分からん以上、すぐにその依頼を引き受ける訳にはいかん」
「報酬は用意するが?」

 そうして取り出したのは、当然のようにダイヤの入った革袋……ではなく、金の延べ棒。
 ただし、普通の金の延べ棒に入っている刻印のようなものはない。
 この時点で普通の店では買い取ってくれない代物だ。
 だが……逆に言えば、普通ではない店でなら十分に利益になる代物ではある。
 そう。例えば俺が世話になっているマフィアとか。
 ハワードも、今は表の世界の人間かもしれないが、最終的には裏の世界に足を踏み入れる事になる。
 ガンダムに協力するという事は、そういう事なのだから。
 であれば、金の延べ棒というのはあっても決して損にならない品なのだが……ハワードは首を横に振る。

「儂が言いたいのはそのような事ではない。お主が本当にあの機体を託してもいいものか……それを知りたい」
「……ふむ、それならさっきも言ったが、一旦俺達の住んでいる場所に来るか? それで数日でも一緒に暮らせば、俺がどういう存在なのかは分かるだろうし」

 ただ、その場合は凛や綾子に魔術やら半サーヴァントの力やらを見せつけないようにと言っておく必要があるな。

「そうじゃな……」

 俺の言葉に少しの間何かを考える様子を見せていたハワードだったが、数分が経つとやがて考えが纏まったのか口を開く。

「うむ、分かった。幸い半月程は特に忙しい用件はない」

 へぇ。もう少しでオペレーション・メテオが始まるのに、忙しくないのか。
 原作知識で俺が知ってる限り、デュオはハワードの世話になっていた。
 デスサイズの補給やら何やら。
 勿論その辺りはそれぞれで色々とやっている者も多い。
 例えば五飛やトロワなんかは自分で弾薬の補給をしていたし、カトルはマグアナック隊の国というパトロンがいる。
 ヒイロは……そう言えば、ヒイロはどうやって補給物資を手に入れてたんだろうな。
 俺が知ってる限りだと、デュオに助けられた後でデスサイズからパーツを盗んでいたけど。
 ともあれ、デュオに対する補給の準備とかはしておく必要があるんだが……まぁ、それは表に出せる筈もない、か。

「そうしてくれれば、俺としても嬉しいな。他にもリーオーやエアリーズがある。……パイシーズとキャンサー、トーラスといった新型機はないが」
「当然じゃわい。そんな新型機が、そうおいそれと手に入ってたまるか」

 溜息を吐いたハワードは、気を取り直して座っていた椅子から立ち上がる。

「では、行くとするか」
「ああ」

 俺も立ち上がり、ハワードと共に部屋の扉を開ける。
 すると、先程部屋の前にいた護衛と思しき男達は当然のように扉の横に立っていた。
 そして少し離れた場所には、俺をここに案内してきた男の姿もある。
 その男は、俺とハワードが部屋から出て来たのを見ると、すぐに近寄ってくる。

「随分早かったですが、もう構わないのですか?」

 少し意外そうな様子を見せるのは、俺がハワードとの接触を待ち望んでいたのを理解している為だろう。
 なのに、こんなにあっさり? と、暗にそう告げてくる男に、俺は問題ないと頷きを返す。

「ハワードとの話は長くなりそうだから、俺達が借りている基地に来て貰う事になった。構わないよな?」
「それは……一応あそこはそこまでオープンにしてないので、出来れば余り他の人に知られたくはないのですが……」

 言葉に詰まる男だったが、それでも少し考えるとやがて考えが纏まったのか頷いてくる。

「分かりました。そちらの方はこちらで手を回しておきましょう。ですが、これから案内する場所の事はくれぐれも……」

 口外無用だと告げる男に、ハワードは特に表情を変えた様子も見せずに頷きを返す。
 この辺、やっぱり裏組織に関係があってもおかしくないよな。
 いや、ロームフェラ財団でMSを開発していたんだと考えれば、もう裏組織には嵌まっていると考えてもいいのか。
 ともあれ、そんな具合で話は決まり、俺とハワードとマフィアの男はそのまま黒塗りの高級車に乗って移動を開始する。
 ……正直、この車はかなりの高級車で乗り心地も決して悪い訳ではないのだが……それでもやっぱり移動時間が無駄に感じてしまう。
 そもそも普通の車よりも大きいので、道路を走る時にも色々と気を使う必要がある。
 運転手はその辺を特に感じさせないのだが、それは純粋に運転技術が高いからだろう。
 もしかしたら、MSの操縦をさせてみても上手いのかもしれないな。
 ともあれ、影のゲートの移動に慣れた俺にとっては、どうしてもこの移動方法は時間が掛かり過ぎるような気がする。
 いや、影のゲートでなくても俺の走る速度と比べても遅いのだから、当然だろう。

「ふむ、どうしたのじゃ? あまり面白くなさそうじゃが」

 さすが高級車と言うべきか、座席の近くにあった冷蔵庫から何かの飲み物を取り出して飲んでいるハワードが、不思議そうに尋ねてくる。
 だが、まさかここで実はさっさと魔法で移動したいんですなんて言える筈もなく、俺に出来るのはただ誤魔化す事だけだ。

「何、俺の事を心配してないかとな」
「……ほう。これから行く場所には、お主以外にもいるのか?」
「そうなんですよ。アクセルさんと一緒に、とびきりの美女が2人。羨ましいことです」

 マフィアの男が、そう話に割り込んでくる。
 冗談っぽく言ってはいるが、実際にその言葉通りの感情を抱いているのも理解出来る。
 ……まぁ、凛と綾子の美貌を考えれば当然だろうが。
 そんな訳で、凛と綾子についての当たり障りのない話をしながら、俺達は連合軍の元基地へと向かうのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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