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~異世界BETA大戦~ Muv-Luv Alternative Cross Over Aubird Force

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激戦のロドリグ星④

 
前書き
更新遅くなりました。
さて、これにてオリ主関連でのロドリグの戦いはほぼ終了です。 

 
オルフェーリア艦内――――
「貴官らには、こちらの部屋で待機していてもらおう。中にはほかにも貴官らの仲間と思われる者達がいる。後ほど情報部士官の面会者があるのでそれまで皆でゆっくりと過ごしてくれたまえ。」
「はい、中尉殿、ありがとうございます!」孝之と慎二は2時間に及ぶ検査と取り調べののち、艦内の長い自動廊下の先にある部屋の扉の前に案内をされた。
護衛という名の監視兵を4人引き連れてだが。

促されるように扉を開けると、そこはPXの食堂らしき場所のようであったが、少し薄暗く、10人くらいの人影があるのが見えた。
「どうする慎二?」
「とりあえず行くしかないだろ?とにかく情報が欲しいしな。」
「そうだな」孝之も慎二の意見に同意して人が集まっている方へ近づいて行った――――?!

国連軍の強化装備を身に着けた後ろ姿が4人と日本帝国軍の強化装備を着てこちらを向いている人が5人、向かい合って座っていた。
そしてその時、帝国軍の一人が少し驚いたようにこちらを向いた。
それは中尉の襟章をつけた自分たちより少しだけ年上に見える女性帝国軍衛士だった。
「貴官らも連行されたのか?」
「そうなんですよ「鳴海少尉!」いきなりこんな――?!」
「平少尉も、生きていたか!」
その声は、まぎれもなく鳴海たちの中隊副長の碓氷円花中尉の声だった。
「「碓氷中尉?!」」二人はとても驚いて思わず叫んでしまう。
見ると、その隣には良く見知った同じ中隊の同僚たち――中川悠、高山蓉子、辻村彩矢の姿もある。

「中川、高山、辻村の3人がどうしても貴様らを連れて帰ると言って引き返したのだがな、あの黒い爆発のあと、視界も悪くレーダーも効かなくなった上に貴様らの姿が見えなくなってしまった。ほんとうに心配したぞ?」
「「はい!すみませんでした!」」孝之と慎二は深々と頭を垂れて謝罪した。
「まぁいい、こうして無事に合流できたのだからな」
碓氷のあとに中川が続く「そうですね、でも、もうあんな無茶なことは絶対に許さないからね!」
そして高山は「中川少尉の言うとおり!今度は跳躍ユニットを狙撃して身動き出来ないようにするからね!」
辻村が高山を宥めるように「た、高山少尉、そんな事したら機体に引火するかも知れませんよ?」
「?!・・・それもそうね。じゃ、せめて羽交い絞めにしてあげるわ!」
「「ほ、ほんとうにすみませんでした!!」」二人は怖くなって再度深々と頭を垂れる。

「そろそろ私たちも会話に混ぜてもらっても良いですか?」帝国軍の中尉が苦笑しながら会話に入ってくる。
碓氷がすぐに姿勢を正して「失礼をしました。この二人はわが中隊の鳴海孝之少尉と平慎二少尉です。先ほども言いましたが部隊名は機密となっておりますので国連軍練馬基地所属中隊とのみお知らせすることでご容赦下さい。」と答える。
彼らの所属部隊は国連軍の特殊部隊である。軍機に抵触するためみだりに情報を出すことが出来ない。
「・・・了解しました。では改めて、鳴海少尉と平少尉、我々は帝国本土防衛軍第8師団第68戦術機甲大隊第3中隊の所属で、私は遠野優理中尉だ。あとは左から順に、一ノ宮志乃少尉、笹川麻里亜少尉、松山佳代子少尉、築山亮子少尉だ。宜しく頼む。」
「はっ!よろしくお願いします!」

孝之と慎二はようやく自分たちの知る世界の人間に会えてホッとするのであった。
碓氷や遠野の話によると、皆同じようにあの黒い爆発の後、やはりBETAに囲まれていたところをこの艦の指揮下にある強力な戦術機らしい部隊に救出され、ここへ連行されたという。

「感動の再開はここまでにして、皆そろそろ食事にしないか?どうやらここはPXのように自分で食事を選んで食べることが出来るらしいぞ。」遠野が尋問を担当した下士官から案内された情報で皆に提案する。
「そうね、腹が減ってはいくさは出来ないわね。皆でカウンターへ行きましょう。」と碓氷が同意して皆に促す。

それは地球のPXよりもかなり料理が豊富に並んでいる、ビュッフェ形式になっていた。
合成食で慣れている彼らにとって、見た目恐らく自然の素材で作られているであろう料理はどれも美味しそうに見えた。
皆ひとしきりトレーに山のような料理を乗せて席に戻ってくる。
肉をあぶって串にさしてあるものや、肉をクリームで煮てあるもの、野菜をトマトソースのようなもので煮込んでいるもの、どう見てもポテトフライのようなものなど物資の不足した地球では、もはや米国やオーストラリア・南米など、BETAの侵攻を全く受けていない、自国に穀倉地帯や畑を多く保持している国以外では滅多にお目にかかることの出来ない品々ばかりであった。
そして皆席につくなりスプーンで一口「「「「「「「「「おいしい(うまい)!!」」」」」」」」」むさぼるように食べた。

やがて、彼らが食事を終え、歓談をしているときに、俺とタケルちゃんはそこに向かった。
「楽しい雰囲気のところすまない。私はオルキス統合軍機動第一艦隊情報部のカミナガ中佐です。今は色々と混乱しているでしょうし、ひと段落したら貴官らの今後について大事な話をしたいと思います。その前に何か質問はありますか?」
「では、我々は現在どういった状況下にあるのでしょうか?」最初に皆を代表して遠野がダイスケに質問をする。これは皆が疑問に思っている事だ。
皆同じことを思ったようで、遠野の質問に対する俺の答えをじっと待っている。

すると「へぇ~、帝国軍の衛士と国連軍の衛士が歓談しているのって、シュールだし、すごく平和でいいなあ。」
俺の後ろにいたタケルちゃんが、この状況下で信じられない言葉を口にしてしまった。
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
「貴官は今、何と言われましたか???」
碓氷中尉はたまらず聞き返す。
「え?いやだって、帝国軍の人達って国連軍や米軍を毛嫌いしているじゃないですか?」
「「「「「「「!!」」」」」」」
「タケル、おまえは・・・・」
俺は頭を抱えてしまった。
「あ、やべ!今の全部なしで!」

「あのう・・・・・・つかぬ事をお聞きしますが、貴官は我々の事を良くご存じのようですね?」
他の面子も剣呑な雰囲気を隠さずこちらを警戒して立ち上がっている。
遠野中尉がシロガネを問いただしたのは、仕方のない事であった。

彼女たちは、自分たちを知る者がいない世界にいるという異常事態に大きな不安を抱いていたからだ。
それなのにあっさりと自分たちの背景を知っているような口ぶりの人間が現れたのだ。
「それは、これからきちんと説明しよう。ああ、それから、これは私の部下のシロガネ中尉です。」
「シロガネ タケルです。よろしくおね・・・・って、その部隊章?!あなたたちはA-01連隊なのですか?!」
「なっ?!なぜそれを???」
碓氷たちは驚愕した。
それはそうだ。A-01の部隊名は秘匿対象であり、トップシークレットに属する。
対外的にはおろか国連軍内部でも知る者はわずかだ。
それを、わけのわからない異星?の軍人が知っているというのが本当に信じられない事であった。
「タケル・・・・頼むから俺が話す前にやらかさないでくれ・・・」
俺は、ほんとうに嫌そうに、シロガネ中尉に向かって言った。
「はぁ・・・・すみません、中佐。」
タケルちゃんはあまり反省してなさそうな態度で応えている。

「では皆さんに説明をしよう。」それから俺は、純夏の事や俺の転生、タケルちゃんのループや転移の話はぼかしながら、このエレミア星系の事、BETAが急に現れて来て現在掃討作戦を行っていて順調に推移している事、そしてタケルちゃんはもともと彼らのいた世界の並行世界から飛ばされてきたため、地球の状況を良く知っているという事、そして俺はタケルちゃんから事情を聞いていてBETAを滅ぼす事を心に決めている事、などを話した。

もっとも一番食いついてきたのは、タケルちゃんがA-01をなぜ知っていたかだった。
それは正直にA-01最後の生き残りとなった第9中隊にタケルちゃんが配属された為と答えた。
ただ、時間の流れに問題があり、彼らにとっては未来から来たことになり、一見すると矛盾があるように思われたが、そこは同じ時間軸の流れではなく、多少ズレていて並行世界の方がやや進んでいたからでは?という答えで納得してもらった。
碓氷以下のA-01の衛士たちは、第9中隊のメンバーを知りたがったので、答えていたらとんでも無い事実が判明した。

「シロガネ中尉、あなたが第9中隊にいたときに在籍していたのメンバーを教えてはもらえないだろうか?」と碓氷が遠慮がちに言ってきた。
「ダイ―――カミナガ中佐、よろしいでしょうか?」よしよし、タケルちゃんもさすがにわかってきたか。
俺が許可すると、「えっと、中隊長は伊隅みちる大尉、メンバーは速瀬水月中尉、宗像美冴中尉、あとは少尉で風間祷子、涼宮茜、柏木晴子、榊千鶴、御剣冥夜、彩峰慧、珠瀬壬姫、鎧衣美琴、そして自分です。」タケルちゃんが感慨深い表情で答える。
「ちょっと待って下さい!速瀬水月?それもしかしたら自分の同期なんですが?」びっくりした表情で孝之が叫ぶ。慎二も同様の表情だ。
「?もしかして涼宮遥中尉もご存じですか?」タケルちゃんは、速瀬水月と涼宮遥が同期の上仲が良かった事を思い出し、そう聞いてみた。
「もちろん!遥も自分の同期です!」孝之は気になっていた自分の同期の娘たちの名前が聞けてとても嬉しい思いとともに、彼女たちが自分たちがいなくなった後に同じ部隊に所属していたことに驚いた。
すぐにでも地球に帰りたい思いでいっぱいになった。

ここで、遠野は気になっている事を質問した。「我々は地球へ帰れるのでしょうか?」
それなんだよねー。たぶん俺の勘が間違っていなければだけど―――「君たちは、我々とBETAが戦っているど真ん中に転移して来たんだ。その原因はまだわかっていない。だが、ひとつわかっている事は、エレミア星系にBETAの降着ユニットが現れたのは我々が星系内の時間短縮移動に使用している亜空間ゲートからなのだが、その中に向こうとつながっているワームホールが存在しているはずなんだ。」

「・・・・きっとそうですね。でも太陽系とつながっているとは限らないのではないですか?」碓氷はさすがに香月夕呼配下だけあって賢いな。
「ああ、実はそれなのだが現在君たちがここにいるという事は、ワームホールのチャンネルは、向こうの太陽系である確率が高いと考えている。」
「なるほど・・・・でも確証を得るまでではないのでしょう?」
「実はこちらで降着してしまったBETAの殲滅作戦が終わったら、無人偵察艦を送ろうかと思っているんだ。そうすればはっきりとするだろう」
「そうですね。早く判明することを願います」碓氷は縋るような目でダイスケを見つめる。」

さて、話を変えないとな。
俺はタケルちゃんに目配せして、予め相談して決めた事をタケルちゃんの口から伝えさせた。
「話は変わって皆さんはこちらのスクワイエルえっと―――戦術機みたいなものですが、興味はありますか?」
「もちろんです!どう見ても不知火よりも性能が段違いで高いと思われるし、色々知りたい、乗ってみたい!」遠野がすぐに食いつく。
他のメンバーも皆目がキラキラしているところを見ると同じ意見らしい。
「偵察艦派遣を決めて、派遣結果が出るまでかなり時間が空きますし、それまでにスクワイエルの操縦をマスターしてみませんか?」タケルちゃんの提案は、即答で受けいれられた。

「実は、BETAの侵攻を抑えるためにわが軍でワームホールの向こう側へ逆侵攻して奴らが侵攻してくる源を叩き潰そうと思っているのですが、皆さんには向こうへ行った際の取り成しとパスファインダーをお願いしたいと思っているのですが如何ですか?」さりげなく訊いてみた。
「救援を受けた身としては、是非そうさせて頂きたいです!」すかさず碓氷が答える。
「では、後程シロガネ中尉の指示に従ってください」
「了解しました!」全員が応答してくれた。
うーん、これ全員俺の配下フラグかね・・・。 
 

 
後書き
さて、次はスクワイエルの話が中心となりそうです。 
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