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ヒカリアン・フォーエバー

作者:7仔
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第一話「九龍から来た女」
  ”九龍から来た女”4

 
前書き
以前別名義で投稿したのを少し訂正。 

 
基地に戻ってきた時だった。チェンのスマホが鳴った。
チェン「喂?(もしもし?)」
PW「チェンか?緊急事態だ!」
チェン「何があったのですか?」
PW「車庫内に・・・待てい!!!」
ハッとして見ると、車庫から突然何かの物体が飛び出してきた。
電車でも自転車でもない。オートバイだ。
モトクロスタイプ。丸いライトにほっそりとした白いボディ。タンクには赤と青のライン、「YAMAHA」の文字。サイドカバーには「250」と書かれている。
バイクはチェンの前で停車した。
乗っていたライダーはチェンの方を向くと、指を突き出して「ついて来い」とサイン。そのまま発進・走り去っていった。
「くそったれが!」
つばさとポリスウィン、のぞみが飛び出してきた。
のぞみ「あのTY(※1)、いきなり車庫に突っ込んできたんだ。」
PW「敷地内不法侵入だ。とッ捕まえてやる・・・。」
ふたりが飛んでいく。
つばさ「俺も行く。」
チェン「待って・・・。」
ケータイ「ブーブー・・・。」
?「香港からおいでになった“マダム”(※2)、ですかな?」
老人のように聞こえる男の声。
チェン「ええ・・・あなたは?」
?「たった今お邪魔したものですよ。」
チェン「え?」
つばさ「誰だてめえ!」
?「JHRの一員として、新しくやって来られた“マダム”。そのお手並みを拝見させてもらいたいと思いましてな。今日の午後。都内で花火が上がります。」
チェン「花火ですって!?」
つばさ「爆弾か!?」
?「ほら、突っ立っていないで、お仲間の後に続いてくださいな。そっちにミニ新幹線君がいるでしょう。
ちょうどいい。線路から追跡してみてはいかがでしょう。今回のメインはあなた方ふたりに決定です。」
チェン「ちょっと・・・。」
プッツン・・・プープー・・・。
チェン「つばささん・・・。」
つばさ「おもしれえ・・・チェン、俺の車内でアタフタすんなよ。」

PW「TYは御茶ノ水から中央本線沿いを立川方面へ向かっている。」
つばさ「こっちは中央本線を走行中。」
のぞみ「了解。定期列車に気をつけろ。」
追跡中のメンバーの内、ポリスウィンとのぞみは上空から、とつばさ(台車を在来線用に変更)は中央線の線路から追跡していた。
チェンはつばさの運転席だ。つばさが驚いたことに、運転士並みにスピード調節が的確だった。
チェン「ヒカリアンを相手にわざわざ鉄道沿いを進むなんて・・・。」
つばさ「よっぽどの自信家、といったところか・・・。」
ふたりは四ツ谷の手前でようやくポリスウィンたちに追いついた。例のオートバイも見えた。
つばさ「状況は?」
PW「鉄道からぴったり離れずに進んでいる。明らかにわざとだ。」
ケータイ「ブーブー・・・。」
チェン「もしもし。」
?「追いついたようですな。では、目的地のヒントを教えましょう。」
PW「ヒント?」
つばさ「爆弾のありかか!?」
?「ヒントは『青から緑、そして青に戻る』、です。おっと。」
ポリスウィンがオートバイを捕まえようととびかかるのが見えた。が、避けられてずっこけてしまった。
PW「後は任せたぞ~(´;ω;`)」

オートバイは線路から大きく離れることなく走る。といっても、のぞみが捕まえようとしてもすぐに避けられてしまう。
そうこうしている間に三鷹、国分寺駅を過ぎ、つばさは青梅線に入った。と同時に、
のぞみ「こちらのぞみ、言いにくい事だが、本部から連絡。ブラックエクスプレス達がパチンコ屋を荒らしているらしい。」
つばさ「は!?パチンコ屋なんてほっとけよ!」
のぞみ「残念だが、ブラッチャー優先だ。それと本部長からの報告だが・・・あのTYに害はないらしい。よって後はお前らふたりだけに任せる。」
のぞみは飛び去っていってしまった。
つばさ「ちっ・・・俺はもう引退しているんだぞ!」
チェン「仕方が・・・あっバイクが。」
ヤマハTYが線路から離れ始めた・・・。
もうすぐ西立川駅だ。
つばさ「・・・チェン、お前、高いところ、平気か?」
チェン「へっちゃれです。香港には高層マンションが多いこと、知らないんですか?」
つばさ「・・・西立川の側線に客車を置いていくぞ。」

つばさはチェンを抱えて飛びながらTYを追跡していた。
昭和記念公園の横を通り過ぎると、住宅街をジグザグに進む。福島町から築地町へ入ったあたりで、また青梅線の横に戻った。青梅線の立体交差を潜り、朝日町に入る。
中上立体南交差点で右折。まっすぐ走って、あさひ町交差点でまた右折。そのまま突っ走っていく。
チェン「いったいどこまで・・・。」
つばさ「どこまで行こうと、俺たちをなめてもらっちゃ困るんだよ!」
つばさが飛行速度を上げていく。
つつじヶ丘公園前に来たときだった。ライダーはTYを公園入り口に来たかと思うと急停車。
つばさもをあわてて止まろうとしたが・・・公園入り口付近の木々の樹冠群に突っ込んで行ってしまった。
つばさ「#$$%##\'%&@@*!????」
チェン「點解撞擊(何で突っ込むんですかあああああああ)!!!!!!???」

 
 

 
後書き
(※1)ヤマハのモトクロスバイク。詳しいことはよく知らない
(※2)マダム=香港警察では「女性警官」を指す敬語。師姐(シジェ)ともいう。男性警官の場合は「サー」。 
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