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カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション

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turn:22 ヴァンガードの熱い夏

 
前書き
全国大会出場を果たしたタイガ達
だがホープデスティニーとのファイトに惨敗した悔しい気持ちは晴れずにいた
そんな彼らを励ます意味も込めてカムイが連れてきた場所は………
そしてその場所でタイガたちは気持ちを新たにする
全国大会を目指す彼らの日々が今始まる 

 
地区大会の翌日
タイガは一人自室でデッキを見つめていた
「こんなんじゃだめだ、もっと強くならねぇと」
タイガは思い出していた
地区大会の最後、ミライとのファイト
メタリカ・フェニックスで表にしたカードを生かし、攻撃に備えたミライのファイト
全国大会出場を果たしはしたものの、今のままではいけない、そう感じたタイガは立ち上がると戸棚からデッキを作るときに余ったカードを取り出した

Turn:22 ヴァンガードの熱い夏

「おはよう」
起床したメグミがリビングにやってくると既にカムイとエミが待っていた
「おはようメグミ、昨日は残念だったな」
「うん、やっぱりマコ姉たちは強いや、もっともっと頑張らなきゃ、ただタイガが思い詰めてないといいんだけど、あいつ私に負けた時も相当思い詰めてたし」
そんなメグミをカムイとエミが優しく抱きしめた
「いいんだよ、無理して我慢しなくても」
「負けて悔しい気持ち位、俺たちにだってわかる」
「………ぐすっ、うぁあああん!」
2人の言葉にずっと我慢していたメグミは堪えられなくなりその場で泣き崩れた
そのまましばらく泣き続けたメグミを二人は優しく慰めていた

「ふっ、ふっ」
ハジメは一人自宅で剣の素振りをしていた
「なかなか精が出るじゃないか」
そんな彼に声をかけるシオン
「親父?今日休みだっけか?」
「ああ、どうだい?久々に」
そう言ってデッキを取り出すシオン
「へっ、上等!全国大会に向けて、俺ももっと強くならなきゃいけねえからな」
「それでこそ僕の息子だ」
自宅の庭先でファイカを広げたテーブルで対峙するハジメとシオン
「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」」

自室でカードを広げていたタイガだったが
「だめだぁ、どこをどう改良したらいいのか全然わからねぇ」
そう言って頭を抱えたまま背中から倒れ込んでしまった
「そもそもこのデッキだって、よくわかんないままいつの間にか出来ちまったデッキだしな」
バインドタイム・ドラゴンのカードを見つめてデッキを組んだ時のことを思い出すタイガ
ずっと見つめてるうちにまた頭が痛くなり声を上げて抱えた
「ったく、これに何の意味があるんだ?俺のことと………関係あんのかな」
タイガは幼い頃、誰もいないような場所で保護され、孤児院へと引き取られた
今住んでいる場所も中学校へ進むために同じ孤児院出身の男性の家に間借りしている状態だ
「タイガ君!電話だよ!」
「あ、ハーイ!」
同居人の男性の呼ぶ声に立ち上がるタイガ
「って、電話って誰から?」

タイガ達は海へとやってきた
「いや何で!?」
突然のことに叫ぶタイガ
「こういう時は海が一番、ここでヴァンガードの特訓、ま、合宿ってことだ」
「合宿って………」
カムイの言葉に困ったように肩を落とすタイガ
「俺様達も行き詰ったときは、こうやってみんなで合宿したもんだ、特にここは、最初に合宿した場所でもあるんだぜ」
「なんだか懐かしいね」
当時を思い浮かべて笑うエミ
シオンやアム、ミツキやルーナの姿もある
「あ、あのぉ」
困ったように手を上げるのは先日タイガにルールを教わっていたコユキ
「いいんでしょうか、私まで来ちゃって」
「いいのいいの、私が誘ったんだもん」
そう言って彼女の肩を組むミツキ
楽しそうにはしゃぐ彼女たちを見てタイガはため息をこぼすが
「ま、やれるだけやってみるか」
彼の言葉に賛同してメグミとハジメも頷く

「で?」
タイガは赤の海パン姿で近くの海岸へとやってきていた
「なんで海!?」
「息抜きも大切だぞー」
オレンジの海パン姿で戸惑うタイガに声をかけるカムイ
「いや!しょっぱなから息抜きって何ですか!」
戸惑うタイガに対してにやけながら指をさすカムイ
その意図が理解できず目を丸くするタイガだったが次の瞬間
「それーっ!」
紺のビキニを着たエミが両手で巻き上げた水を思いっきりかけられる
「肩の力を抜いて、リラックスリラックス」
「目に入った」
黒の海パンを着たハジメと赤いビキニにデニムの短パンを組み合わせた水着を着ていたメグミはそんな彼の姿を見て笑っていた
そんなチームメイトの姿を見たタイガは一瞬キョトンとしながらも
「なに笑ってんだよ」
といって二人に水をかけるため特攻していった
「楽しそうだね」
「うん」
ミツキとコユキもそんな光景を見ながら笑いあっていた
ちなみにミツキは黄色いワンピース、コユキは白のセパレート水着だ

海で遊んだあとはみんなでお昼ご飯の用意
ミツキが手際よく魚をさばいているとルーナとコユキが感嘆の声を上げる
メグミはエミやアムと一緒にお米を研いでいる
シオンとカムイが手際よく薪を割っていた
タイガやハジメも多少手間取りながらも手伝っていた

「完成―!」
「あれ?タイガさんは?」
「あ、ハジメもいない」
「あの二人ならロッジだ、包丁で指を切ってな」
そう言って笑いながらロッジの方を指さすカムイ
その言葉にアムとルーナは肩を落として苦笑していた

「いただきまーす」
タイガ達の手当ても終わりみんなで昼食
楽しそうな光景にタイガも自然と笑顔とになっていた
「どうだ?たまにはこういうのもいいだろ?」
「そうですね、悪くないです」
そう言ってタイガがミツキの捌いた刺身を食べていた
「さ、お昼御飯が終わったらいよいよ特訓よ」
エミが手を叩いて宣言する
タイガ達もそれを聞いて気合が入っていた

「なるほどな」
タイガの悩みを聞いたハジメとメグミは彼のデッキの中身を眺めながら納得がいったように頷いた
「でも、一気に変えすぎてもバランス悪くなっちゃうし、ちょっとずつ変えてみたら?例えば………」
グレード1、守護者のカードの所を見るメグミ
「今タイガは二種類入れてるけど、どっちかに絞ってみるとか」
「そうだな、今の所詰めはバインドタイム・ドラゴンになるわけだし、こいつの能力にはカウンターチャージもあるから、エメルアンナに絞ってみるか」
「けど、それだとパワーのでかいユニット相手に対応しきれないんじゃないか?」
「んー、でもそこは割り切るしかないわよ、後は細かい枚数いじってみたりとか………」

デッキが完成するといよいよファイト
普段とは状況一つ違うだけでなんだかいつもと違って感じた
タイガとハジメが組んでミツキとコユキにタッグファイトを挑んだりもしてみた
他にもリレーファイトやデッキを一つに絞っての交代戦など
様々なシチュレーションでファイトを繰り返していた
「メテオカイザー ビクトプラズマで再アタック!」
「なんの、エメルアンナでガード!」
ミツキのアタックをメグミが凌いでこのターンは終了
ファイターが交代してカムイとタイガが対峙する
「行くぜ!ストライドジェネレーション!」
バインドタイム・ドラゴンが咆哮を上げビクトールを見据える

「エヴァンジェリンでアタック」
「シラユキのリミットブレイク発動、エヴァンジェリンのパワーを-20000、更にガード」
夕食の後もそれぞれ思い思いにヴァンガードを楽しんでいた
ミツキとコユキのファイトを見ながらタイガは自分のデッキ
クロノファングとバインドタイムのカードを見つめていた
「行くよミツキちゃん!伏魔忍竜 シバラック・バスターでアタック!」
ミツキのGユニット、シバラック・バスターが剣を抜いてサロメに向かっていく
「うわっ!うわぁ!」
そのままシバラックの攻撃が直撃、ミツキのダメージゾーンに6枚目のカードが置かれた
「負けたぁ~」
テーブルに突っ伏して落ち込むミツキ、そんな彼女を見て慌てふためくコユキと思わず笑ってしまうタイガ達
「よっしゃ、次俺とやろうぜ」
「いやいや、妹の無念は俺が晴らす」
「いや、死んでないでしょ」

「もう暗くなってきちゃったね」
持ってきていたランプで明かりをともしていたがさすがにもう暗くなりすぎた
「それじゃ、夜にしかできない楽しみと行こうぜ」
そう言ってカムイがカバンから取り出したのは
「ジャーン!」
たくさんの花火
「いつの間にあんなにたくさん用意したんだか」
それを見てメグミは苦笑していた

「うわっ!」
タイガの足元にハジメが放ったねずみ花火が飛んでくる
慌てふためくタイガを見て笑っていたハジメだったが
「いくよ、それー!」
「うわっ!ととっ!」
ミツキとコユキの放ったねずみ花火で自分も同じ目に合うこととなった
それを見てルーナと一緒に花火で空中に図形を書いていたアムが笑っている
するとアムの持っていた花火が消えてしまい肩を落としているとシオンが線香花火を持ってきて彼女に手渡した
同じようにカムイがエミに線香花火を手渡す
へっぴり腰で打ち上げ花火に点火しようとしているルーナにアムとミツキとコユキが声援を送る
ようやく火のついた打ち上げ花火が上がる様子を見てタイガはチームメイトの二人に声をかけた
「きっと勝とうぜ、全国大会」
「うん、もうあんな思いはしない」
「今度こそ優勝して見せる」
そんなタイガを見て小さく笑うエミ

その日の晩、タイガ達が眠りについているころ
エミは自分のデッキを調整していた
「どうしたんだ急に」
そんなエミに声をかけるカムイ
「うん、ちょっとね、なんだか私も久しぶりに熱くなっちゃった」
そう言ってデッキの中の1枚、エターナルアイドル パシフィカを手に取るエミ 
 

 
後書き
次回予告
楽しいヴァンガード合宿が続いていた
初めての経験に心躍るタイガ
そんなかエミが彼にファイトを挑む
思わぬ苦戦を仕入れられたタイガは………
turn:23 タイガVSエミ 
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