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仮想空間の歌う少年

作者:ケンケン4
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2

「ゼッケン…ね。」

僕は一瞬考え込んだ顔をするといつも通りのにこやかな笑顔を浮かべてこう答えた。

「知らない!ゼッケン?なにそれ?ああ、バスケとかに使うやつね!やっぱり知ってるよ!リズ!」
「そうそう、あの使い込むと汗臭くなる…。って違うわ!」

そう言ってリズが僕にツッコミを入れると僕はすぐに微笑みで答える。

「のりツッコミありがとうございます!それで…ゼッケンというのは?」
「絶剣ね。さっきからゼッケンっていうイントネーションは止めなさい。」

そう言ってリズは説明を始めた。

「絶剣って言うのは…とにかくあんまりにも強いからついた名前が絶剣。プレイヤーネームは分からないんだよね。」
「ふーん。」
「それで24層の観光スポットあるでしょう?そこで対戦者を受け付けてるわよ。
…スノーはどうなの?」

リズに話を振られた僕はニコニコ笑顔で手を降って答えた。

「えー…。僕はパス。こう見えても領主だよ?デスペナ怖いし。」
「…あんたも大変なのね。」

そう。僕は正直に言うと立場的に死ねない立場にいる。事務的な事は全てクラリスに任せているとはいえ、一応領主はこの僕スノードロップ。僕が死ねばもちろんプーカ領にデメリットが出るのは明らかだし。なんと言ってもそんな事したらシノンになんて言われるか分かったもんじゃない。

「でもそんだけ強いと戦う人がいなくなっちゃうんじゃない?」

アスナがそう言うとシリカが耳をぴょこぴょこと動かしながらテーブルを乗り出して答える。

「それがそうでもないんです。賭けられてるのが奮ってるんですよ。」
「賭けられているもの?」
「それがなんとびっくり!11連撃のオリジナルソードスキルなんですよ!」
「ぶっ!」

僕はそれを聞いて飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。それを見てみんなは一斉に僕を見る。

「どうしたんですか?スノーさん?」
「いえ…ナンデモアリマセン。」

まあ、絶剣が負けるなんて想像がつかないけど。
…確かに価値がある物を賭けるようには言ったけど。まさかそんなものを賭けるとは思ってなかった。
と内心を表に出さずに話を聞いていると。

「なんか気になるわね……。キリト君は?」
「もう戦ったんですよ。お兄ちゃん。そりゃあもうかっこよく負けました。」

おお、キリトも負けたのか。それはそれは。
……やっぱり強いな。
そんな事考えていると。

「私もやってみようかな。」

不意にアスナのそんな声が聞こえたのを感じて土産話が出来たと思った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「コンコン!今日ね。凄い人くるよ!」
「凄い人?」

いつもの大きな樹の下で僕はコンコンと一緒に話していた。今日の大きな樹は若々しい緑で覆われていた。そんな中コンコンは不思議そうな顔をした。

「それは会ってからのお楽しみ♪」
「えー!」

僕はピエロのお面の下でクスッと笑いながらムスーとしたコンコンを見る。

「でもコンコンが気にいるのは確かだよ!」
「ふーん。気になるな…。」

そうするとコンコンはふと考えて片手剣を取り出すと僕に向けてきた。
…ああ。分かってる。あの笑顔はイタズラするときの笑顔だ。

「ねえ!ユキ!一試合しない?
…勝ったら教えて!その人!」
「…初撃決着だよ。」

僕は片手剣を取り出し、コンコンの前に立つ。するとコンコンは不満そうに頬を膨らませ、片手剣をぶんぶん振り回す。

「ちがーう!僕が戦いたいのはただのユキじゃなーい!」

そう言ってブンブン振り回すのを止めてもう一度片手剣を向ける。

「僕が戦いたいのは音の死神(・・・・)のほうだよ!」
「…。」

僕は黙って片手剣をしまい、『雷鎚ミョルニル』を取り出し、念を込めると大鎌へと姿を変える。そしてその大鎌をコンコンに向ける。そしてピエロの仮面を取り。

「ちょっと調子乗ってない?僕に勝てるの?
…音の死神に。」
「やってみないと分からないじゃん。まあ、あの黒の人やシルフの女剣士さんより苦戦しそうだけどね。」

そうして僕達はデュエル申請のボタンを押す。
コンコンはそんな僕に一言。

「お手柔らかにね?音の死神『スノードロップ』?」

そう言って僕は笑いながら一言。

「そっちこそお手柔らかにね?絶剣『ユウキ』?」 
 

 
後書き
やっぱり昔の様に書けないのう……。 
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