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ドリトル先生の名監督

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第十一幕その十

「代理の僕はね」
「これでお役御免になって」
「監督も終わり」
「そうなるね」
「そうなるよ」
 実際にというのです。
「これでね」
「先生にとってははじめての監督だったけれど」
「スポーツチームのね」
「中々大変だったけれど」
「それも終わりだね」
「無事に終われてよかったけれど」
 それでもとも言うのでした。
「ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「寂しいね」
 監督のお仕事が終わってというのです。
「楽しかったけれど」
「その楽しかったことが終わるから」
「だから残念なんだね」
「そうなんだね」
「そうだよ」
 まさにという返事でした。
「終わると残念だね」
「最初はどうなるかわからなかったけれど」
「楽しかったね」
「その楽しい監督のお仕事が終わって」
「先生も寂しいんだね」
「そうだよ、緊張して気も使ったけれど」
 それでもというのです。
「終わるとなるとね」
「寂しくて」
「それでだね」
「先生今思うんだね」
「そうだよ、けれどまたこうした機会があったら」
 その時はというのです。
「やらせてもらおうかな」
「いいと思いますよ」
 晩御飯の用意をしているトミーが言ってきました。
「監督をやられても」
「そうなんだね」
「何でしたらリトルリーグの監督とか」
「野球だね」
「サッカーでも」
「スポーツチームのだね」
「子供達のチームですが」
 トミーは先生にそうしたチームを紹介するのでした。
「監督のお願いが来たら」
「引き受けたらいいっていうんだね」
「そう思いますがどうですか?」
「そうだね」
 腕を組んでです、先生はトミーに答えました。
「楽しかったし今寂しいって思うから」
「野球やサッカーのことはご存知なくても」
「したことないけれどね」
 とにかくスポーツをしたことはない先生です。
「それでもだね」
「はい、しましょう」
「その機会があれば」
「そうしましょう」
「野球の監督というと」
 先生はリトルリーグから考えるのでした。
「日本でよく話題になってるね」
「サッカーもそうですね」
「うん、何かとね」
「先生も野球チームの監督に」
「ユニフォームを着なくても」
「いいと思いますから」
「怪我をしない、楽しくやる」
 先生は自分の指導方針を言いました。
「そして何よりもね」
「スポーツマンシップを守るですね」
「僕はそれ位しか教えられないけれど」
「いえいえ、そうしたことこそですよ」
「教えるべきことだっていうんだね」
「子供達に」
 まさにというのです。 
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