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ウルトラマンゼロ ~絆と零の使い魔~

作者:???
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帰郷-リターンマイカントゥリー-part7/烈風と零

ムサシとハルナはあの場をサイトとカリーヌに任せ、安全な場所へ避難をしていた。その際、レッドキングの攻撃を受けた屋敷の瓦礫部分に差し掛かる。
「そうだ、カトレアさんを!」
ムサシは一旦その瓦礫部分へと向かう。カトレアの部屋は完全に崩れ落ちてしまっており、中の変わり果てた様子がむき出しだ。レッドキングの投げつけた土の塊が岩となって転がっている。
「ひ、酷い…」
怪獣の攻撃がすさまじいことはよく知っているハルナだが、あれだけ美しかった建造物であるヴァリエールの屋敷が、ここまで無残に崩れ落ちてしまっていることに戦慄と恐怖を覚える。
「エレオノール!カトレアああ!!」
するとムサシらの耳に、公爵の叫び声が聞こえた。その声を聴いてムサシはただちに公爵の元へ急ぐ。そこでは、瓦礫を魔法で退かしながら、そこにいたであろうカトレアとエレオノールを探す公爵の姿があった。
「む、ハルノ!無事であったか!?」
公爵はムサシとハルナの姿を見て目を見開く。
「公爵さん!大丈夫ですか!?」
「わしと召使たちは直接攻撃を受けたわけではないからなんともない。ところで、カリーヌとルイズは見ておらんか?」
「実は…」
ムサシは、公爵が新たにルイズにつけた婚約者に成り代わった異星人に、ルイズが浚われかけており、そいつが使役する怪獣と星人本人を相手にサイトとカリーヌが残って戦っていることを伝える。
「な…なんということだ!!またしてもわしは娘の顔に泥を塗るようなことを…!!」
二度にもわたって、愛する娘に用意した婚約者が邪悪な者だと気づかずに付けてしまったことに激しい後悔を覚えた。
「とにかくこの瓦礫を退かさねば!この下にはカトレアとエレオノールも埋まっているかもしれん!お前たちは避難しろ!怪獣が迫っておる!」
「ですけど、あなたもこのままじゃ!」
「バカを申せ!妻があの怪獣と戦っておるのだ!娘を見捨てて逃げるなど、公爵家の名が廃るわ!」
公爵は、レッドキングの攻撃に他の人を巻き込まないために、この瓦礫の撤去には一人で挑んでいたのだ。しかし、公爵がいかに優れたメイジだとしても、一人にさせるのは時間がかかるはずだ。それに、妻がルイズを助けるために怪獣と戦っている中、自分だけ安全な場所に隠れるなど、公爵家としても男としても許せなかった。
「なら、僕も手伝います!」
「わ、私も!」
このままこの人を放っておくわけにいかない。ムサシとハルナはすぐに召使たちと共に瓦礫の撤去にかかる。
「お、おいお前たち…!」
「旦那様ああああ!!」
公爵がもう一度逃げるように忠告を入れようとしたが、二人はすぐ撤去作業にかかりだしていた。しかも、彼らのもとにさらに多くの人たちが駆け寄ってくる。ジェロームたち、このヴァリエールの屋敷で働いている召使たちだ。
「このジェロームめもお手伝いいたします!」
「自分も手伝います!」
「私も!!」
なんと、安全な場所へ一時対比させておいたというのに、すぐ近くでは怪獣がカリーヌと交戦していて危険だ。なのに、それを承知で彼らは再びここへ舞い戻ってきたのだ。
「まったく、公爵であるわしの命令を無視するとは…」
悪態をついたような言い回しをしたものの、公爵は内心ではありがたく思っていた。ムサシには娘の病を落ち着かせてくれた恩がある。ハルナに至ってはエレオノールがたまたま見つけた平民の少女で初めて顔を見たばかりだというのに、長年ここで働いてくれている召使たち共々、こうして自分の娘のために体を張ってくれている。嬉しくないわけがない。
もう彼らを逃がす時間さえももったいない。ムサシたちと同様、公爵は魔法を使い、撤去作業を続けた。
「お嬢様!返事をしてくだされ!!」
「カトレア様!エレオノール様!!」
呼びかけと瓦礫の撤去を並行させながら、二人を探す一同。
この下に、もしかしたら娘たちがいるのかもしれない。そして最悪…いや、考えたくもない。とにかく今は娘たちを助けなければ。
「こ、公爵様!あれをごらんくだされ!」
すると、執事の一人であるジェロームが、対峙し合うレッドキングとカリーヌたちのいる方角を指さす。
すると、エメラルドグリーンの色合いを混ざらせた青い光の柱が立ち上り、これまで幾度となくトリステインの危機を救ってきた光の巨人が出現した。
「ウルトラマン、ゼロ…!」
公爵がその名を思わず呟く。娘につけられてしまった不名誉な仇名と同じ名前でありながら、その名は真逆の意味を成すであろう宇宙の彼方から来た戦士。
正直、ウルトラマンと呼ばれるこの光の戦士たちが国のためにでしゃばっていることについては、公爵はあまりよく思えなかった。得体が知れないのは確かだが、別に彼らのことを悪く考えているわけではない。確かに彼らのおかげでこの国は滅亡の危機から逃れることができているのだ。だが、あまり彼らに出しゃばられては、ただでさえ権力に胡坐をかいて下々の人間たちを苦しめる愚かな貴族たちが増えるのではと、内情方面に関して危機感を覚えていたのだ。
だが、それだけじゃない。それだけではなかった。
公爵にしかない、貴族たちがウルトラマンに頼りきりになることを気に食わない理由は他にもあった。
(…やはり…似ている)
公爵は、ゼロの背中が別の誰かの姿と重なって見えていた。


ゼロとそっくりな容姿を持つ、あの『赤い巨人』に。


だが、この状況で彼らが来てくれたのはありがたい。
すると、ゼロの出現と入れ替わるように、カリーヌのマンティコアが意識のないルイズを乗せてやってくる。
「ルイズ、ルイズ!」
よかった、無事だったか!公爵はただちに駆け寄り、娘を腕の中に抱きしめる。少し衰弱しているようだが、息はある。
「誰か、ルイズを!」
「はい!」
近くにいるメイドの一人にルイズを託し、公爵は再びウルトラマンゼロに視線を傾ける。
「皆の者、我が妻とウルトラマンが怪獣を食い止めている!今のうちにこの邪魔な瓦礫をすべて撤去しカトレアとエレオノールを見つけ出せ!」
「「「はい!!」」」
公爵の力強い呼びかけに、召使たちは強く返事を返した。
ムサシは同じウルトラマンとして、サイト=ゼロたちの無事を祈った。
(サイト君、カリーヌさん、気を付けて…)


レッドキングの体にしがみつくことで落下を免れたセミ人間だが、自分がやったことが結果的に水の泡となってしまったことに歯噛みする。
「ぐぬぬ…まさか、あんなちっぽけな羽虫とロータル魔法使いごときに…!」
ウルトラマンでさえも驚かせた虚無の魔法の使い手。それを捕まえるために公爵が新たな婚約者として目にかけていたフレデリックに成り代わっていたというのに、結局取り返されてしまうとは。しかも、最も危険視していたウルトラマンゼロの出現を許してしまった。
虚無を除く、四代系統の魔法を文明遅れの種族の技と侮ったのが仇になったか。
「こうなっては実力行使よ…レッドキング!ウルトラマンゼロとそのロータル魔法使いを殺せ!!」
セミ人間はレッドキングの体を滑るように伝いながら地上に降りると、レッドキングに二人の抹殺命令を下した。
「ジュア!」
自分に迫ろうとするレッドキングに、ゼロは飛び掛かって手刀を叩き落とす。次に膝蹴りを加えてからレッドキングの首を右脇の下に挟み、取り押さえると、頭上にレッドキングを持ち上げて屋敷から遠くの位置へ放り投げた。
投げ飛ばされ、草の上を転がるレッドキングに、ゼロは身構えながら接近を図る。すると、地上から一発の閃光がゼロの顔に向かって放たれる。
「!?」
頬を掠った今の閃光は、セミ人間が地上からレーザーガンで放ったものだった。
「隙を見せなた。レッドキング!」
「ギャアオオオオ!!」
レッドキングは主が作った隙を見逃さず、口から無数の岩の礫をゼロに向かって吐き飛ばした。飛んできた岩はゼロの体中にぶつけられ、ゼロは思わず顔を中心に自らの身を包む。さらに隙が大きくなったところで、レッドキングはゼロに体当たりして彼を突き飛ばした。
「グワァ!!」
ヴァリエールの敷地内の芝生の上に倒れたゼロを、レッドキングは背後から首を締め上げながら無理やり起こした。
「グ、ウゥ…デア!!」
とんでもない馬鹿力で首を締め上げられては、さすがのウルトラマンでもキツい。ゼロはたまらずひじ打ちを自分の後ろから首を絞めてくるレッドキングの腹に叩き込む。しかしそれでもレッドキングは怯まない。ならばと、頭のゼロスラッガーを念力で飛ばし、レッドキングの両腕を切りつける。
「ギャアアアオオオオ!!」
両腕に切り傷を負わされ、レッドキングはゼロの首から両手を離してしまう。対するゼロは、人間だったら危うく窒息しかけるほど首を絞められ、かなり咳き込みながら膝を付いた。
レッドキングは立ち上がろうとするゼロに近づくと、彼の顔をこめかみ目がけて殴り付ける。顔を殴られたゼロはすぐに立ち上がり、お返しにレッドキングに二度、胸元を狙って回し蹴りを叩き込んだ。しかし、レッドキングはゼロの懐に飛び込むように体当たりをすると、自分の背中でゼロを持ち上げ、自分の背後に転がし落とした。さらに、地面に落ちたところで、奴はゼロに飛び掛かるようにのしかかる。
「グハァ!!」
レッドキングの体重は予想以上に重く、まるで腹に何万トンもの岩を落とされたような激痛を痛感する。腹を押さえてもだえるゼロを、レッドキングは容赦なく蹴り飛ばした。
「ウワアア!!」
腹に思い切り叩き込まれた。人間の姿だったら戻してしまいそうだ。酷い一発を受けたゼロ。苦しむゼロに、レッドキングは足元の地面に手を突っ込んで何かを掘り起こしていく。地面の中から、奴が掘り起こしたもの。それはとんでもないサイズの岩の塊だった。
ゼロが体を起こそうとしたときには、すでにいつでも投げつけられる状態だった。



ゼロがレッドキングと戦うのと同じ時間、公爵家の屋敷ではカトレアとエレオノールの二人を救うための、瓦礫の撤去作業が続けられていた。
しかし瓦礫の山は、思いの外瓦礫がたくさん積み上がってしまっているほか、レッドキングが投げつけた土の塊に至っては奴の馬鹿力でかなり凝縮されていて、土の魔法でもなかなか崩すことができない。
「ぬぬううう!!忌々しい塊め!」
公爵は精神力を必死で練りこみ、レッドキングが投げつけた土の塊に向けて杖を振るう。すると、ようやく土の塊がバラバラに崩れ落ちた。
「皆の者!すぐにこれをどかせ!」
すぐに公爵の命令を受け、召使たちが土の塊を撤去しはじめる。当然公爵もレビテーションの魔法を使って瓦礫を撤去していく。
そして…ついに瓦礫の下から、赤い何かが
「ピグモン!?」
ムサシが瓦礫の中からピグモンの姿が発見され、驚く。さらにピグモンのその下には…。
「お嬢様!!」
彼らが捜していた、カトレアとエレオノールが埋まっていた。
「カトレア!エレオノール!しっかりするのだ!」
公爵が真っ先に二人のもとに駆けより、二人の名前を必死に呼びかけた。すると、うっすらと二人の目が開かれる。
「お父様…私…」
「うぅ…」
「あぁ…よかった!!お前たちが無事で…」
土まみれになった娘たちを、公爵は自分が土にまみれることも厭わず強く抱きしめる。娘たちが一人も欠けることがなかった。その喜びが、公爵が思わず目から涙が溢れさせようとする。
「そ、それよりお父様!ルイズは?それに、ピグモンは…!?」
「落ち着け、カトレア。ピグモンはどうしたというのだ」
ふと、意識がはっきりしたカトレアが声を上げる。辺りを見渡して、取り乱しかけているカトレアの肩をつかみ、公爵は落ち着くように呼びかける。
すると、エレオノールが眼鏡をかけ直しがら父に説明した。
「実は…あの怪獣の攻撃を受ける際、ピグモンが咄嗟に私たちの盾になったのですわ…」
「なんと…」
動物たちと心を寄せ合うほどの包容力と、自分たちでも驚かされる勘の鋭さを持つカトレアが信頼していたとはいえ、まさかピグモンが自分の身を挺して娘たちを守ってくれていたという事実に、公爵は驚きを見せる。よく見ると、娘たちはすっかり土まみれになっていたが、二人とも大きな外傷が見られなかった。
「詠唱する間もなく攻撃を受けました。もし、ピグモンが私たちをかばっていなかったら…おそらく…」
死んでいた、とは続けなかった。それ以上言わずとも、どうなっていたかなんて誰もが想像できた。
そのピグモンは、カトレアたちの傍らに転がっていた。しかも、目を閉ざしたままピクリとも動く気配がない。
「ムサシさん!ピグモンは…!?」
カトレアはすぐに、ムサシに容体を尋ねる。ピグモンに触れてその容体を確認したムサシ。
耳を澄ませると…聞こえてきた。心臓の鼓動が!
「…大丈夫です。ピグモンは生きてます!」
あの時のレッドキングの攻撃を受けてなお、ピグモンはなんとか生き延びていたのだ。
「よかった…」
自分と姉のために、身を犠牲にしてまで…カトレアはピグモンを抱きしめ、泣き崩れた。
「………」
その涙は周囲にも伝染した。怪獣といっても、人間と大きさがほとんど変わらない小さな生き物が、あのような大きな体の怪獣の攻撃を恐れることなくカトレアとエレオノールを守り抜いた、ピグモンの勇敢な姿勢に感動させられた。
ハルナもまだあって間もないが、人に対して友好的に接してきてくれた数少ない心優しい怪獣が、非道な侵略者に従う怪獣の手で殺されてしまうなどあるべきではないのだ。
「…ピグモン…」
公爵はカトレアに抱きしめられているピグモンの傍で身をかがめ、その手を握った。
「なんと勇敢な者だ。しかも娘を救ってくれるなど…恩をいくら返せばよいのか悩まされる。後で褒美をやらねば、その前に…誰か、こやつを介抱してやるのだ!」
すぐに公爵がピグモンを治療するように言い渡し、医術に心得のある召使たちがすぐにピグモンの治療に入った。
(よかった…)
ムサシは、胸を押さえつけていた。かつて助けたいと思っていた怪獣、エリガルの時のような状況に出くわさずに済み、安堵した。
だが、安心するにはまだまだ早かった。

同じ頃、ゼロとレッドキングの戦いがまだ続いていたのだ。
「サイト君、ゼロ…」
ムサシは、対峙し合うレッドキングとゼロのいる方角に視線を傾けた。


同じころ、レッドキングはゼロに止めを刺そうと、地面から掘り起こした岩を投げつけようとしていた。
「はははは!!ウルトラセブンの息子と聞いて警戒してみれば、いざ変身してみればレッドキングの足もとにも及んでいないではないか!」
不利な状況に落とされているゼロを見て、セミ人間は彼をあざ笑った。自分のレッドキングならば、たとえウルトラマンが相手だろうと恐れることはないのだという強い自信があった。
「さあ殺せ!そいつの首をさらしてウルトラ戦士たちの上にこのチルソニア遊星人が上の存在となったことを証明するのだ!
その暁に、あの娘の虚無の力とやらを僕のものにしてやる!」
止めを刺すように命令を下し、レッドキングが倒れているゼロに近づいて行った。
だが、その時だった。
セミ人間の前に、再びカリーヌが立ちふさがった。
「…まったく、いつまでこのヴァリエールの地に土足で入り込むのですか?」
「貴様…まだ邪魔をする気か」
うんざりしきった様子のセミ人間だが、それ以上にカリーヌは憤りを秘めていた。
「たかが人間風情が、僕にかなうとでも思っていたのか。さっきは少し油断したが、今度は…」
しかし話している隙に、セミ人間はカリーヌの魔法で起こされた風に包まれた。しかもさっきまでの、ただ強い風とはまるで違う。
「が、があああ!!?」
セミ人間の体が、風を浴びせられている内に切り裂かれていくではないか。
この魔法は、風のスクウェアクラスの魔法『カッタートルネード』。名前の通り、風の中に敵を閉じ込め、その全身をズタズタに切り裂く魔法だ。
「いい加減、消えてもらいます。この地を侵し、私の愛する人たちを傷つけた罪…死をもって償いなさい」
「い、いやだ…この僕が、劣等種族ごときにいいいいいいい!!!」
最後まで傲慢さを崩すことなく、セミ人間は体を切り裂かれながら空中に舞い上げられ、空の藻屑と化した。その死骸は、1ミリの欠片さえも残されなかった。
「さあ、お立ちなさいウルトラマン!あなたの力はこんなものではないはずです!」
カリーヌは、レッドキングに止めを刺されかけるゼロに向けて激励を飛ばした。
「まして…あなたはあの『ウルトラセブン』の息子なのでしょう!?ならば、父の名に恥じない戦いを見せなさい!!」
「ッ!」
その言葉は、ゼロにとって強い起爆剤となった。
「デア!!」
ゼロは顔を起こすと、まだ地面に体を寝かした姿勢のまま、レッドキングの足もとに向けて光線を放った。
〈エメリウムスラッシュ!〉
光線は、レッドキングの足に直接ではなく、進行先の地面をえぐって穴を作った。その穴に、レッドキングは間抜けにも足を取られてずっこけてしまう。
「ギイイオオオオオ!!」
「デュ!!」
ゼロは立ち上がり、レッドキングの尾を引っ張り上げると、力いっぱいぶん回し始め、遠くへ投げ飛ばした。すぐに立ち上がり、自分の首元をバンバン叩きながら怒り狂うレッドキング。敵意を完全にむき出しにし、ゼロに襲いかかってきた。
だが、ゼロは動じることはなかった。突進してきたレッドキングに向けて、二本のゼロスラッガーを両手に持つと、サイトと共有しているガンダールヴのルーンが強い青の光を輝かせた。そして、足に力を込めて地面を蹴った。
それは、まさに一瞬の出来事だった。
まるで瞬間移動したかのように、ゼロはゼロスラッガーを構えたままレッドキングの後ろに立っていた。そのレッドキングの体中には、おびただしいほどの切り傷が刻み込まれ、『Z』の文字が特に目立っていた。
断末魔を上げることさえもできないまま、レッドキングは倒れて絶命した。
「……ジュア!!」
勝利を悟り、頭上を見上げたゼロは空へと飛び去って行った。 
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