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ハイスクールD×D暁の滅龍魔導師が守りたいもの

作者:零宮龍夜
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1章旧校舎のディアボロス
  7話赤い龍の目覚め

 
前書き
1章、最終話です

今回はイッセーのあの神器が目覚めます 

 



『side:兵藤一誠』


「待ってろ!もうすぐアーシアは自由なんだ!俺といつでも遊べるようになれるんだぞ!」

階段を上りきり、俺はアーシアを抱えたまま、聖堂へと出て、近くの長椅子に彼女を横にし声をかける

アーシアはその言葉に小さく微笑み。俺の手を取った。その手からは生気も感じられずだんだんと冷たくなっていた

「イッセー、さん・・・私、少しの間だけでも・・・友達ができて・・・幸せでした」

「な、何言って・・・」

「・・・もし、生まれ変わったら、また友達になってくれますか・・・?」

「何言ってんだよ!そんなこと言うなよ!これから楽しい所に連れて行くぞ!アーシアが嫌だって言っても連れてってやるさ!カラオケだろ!ゲーセンも!そうだ、ボウリングも行こうぜ!他にもそうだ、 、アレだよ、あれ!ほら!」

涙が止まらなかった

笑いながら話しかけているはずな何俺は涙が止まらなかった

俺はわかってしまった。

この子はもうすぐ死んでしまう。

だけど、それでも否定したかった。

そんなこと、嘘に決まっているーーーと。

「俺ら、ダチだろ!ずっとダチだ!ああ、そうさ!松田や元浜にも紹介するよ!あいつら、ちょっとスケべだけどさ!スッケェいい奴らなんだぜ?絶対にアーシアの友達になってくれる!絶対だぜ!みんなでワイワイ騒ぐんだ!バカみたいにさ!」

こんなところで死んじゃダメなんだ!!

辛い過去を抱えているアーシアにこれからはそれを忘れるぐらいにいろんな楽しい思い出を作ろうって決めたのに!!

なのに、なんで・・・っ!!

「・・・きっと、この国で生まれて・・・イッセーさんと同じ学校に行けたら・・・どんなにいいか・・・」

アーシアの手が俺の頬を撫でる

「行こうぜ!いや、行くんだよ!俺たちの学校にこいよ!」

「・・・私のために泣いてくれる・・・もう、何も・・・ありがとう・・」

ーーーアーシアの手が俺の頬から離れて、ユックリと落ちていった

それが彼女の最後の言葉だった

微笑んだまま、逝った。

なんでだ?なんで、この子が死なないといけない?

だって、こんなにもいい子なのにさ、傷ついた相手ならたとえ悪魔でも治してくれる優しい子なのに

なんで、もっと前から俺がこの子の近くにいなかった?

「なあ神様!神様、いるんだろう!?悪魔や天使がいるんだ、神様だっているんだよな!?見てるんだろう!?これを見ていたんだろう!?」

俺は教会の天井に向かって叫ぶ

誰が答えるかなんて知らない。それでも叫びたかった

「この子を連れて行かないでくれよ!頼む!頼みます!この子は何もしてないんだ!ただ、友達が欲しかっただけなんなよ!俺が悪魔になったから、ダメなんすか!?この子の友達の俺が悪魔だからなしなんすか!?なあ、頼むよ!神様!」

悔しさに歯噛みした

力がない、俺には力がなかった。もっと悪魔として力があれば・・・。

アーシアを救えるだけの力があったら・・・・こんなことには・・・







「悪魔が教会で懺悔?タチの悪い冗談ね」

後ろから声が聞こえた

「見てご覧なさい。ここへ来る途中、下で人間にやられてしまった傷」

俺は後ろで話す存在に目を向ける

レイナーレの手からは淡い緑色の光が発せられあいつ自身の傷を癒していた

「見て、素敵でしょう?どんなに傷ついても治ってしまう。神の加護を失った私たち堕天使にとってあの子の神器は素晴らしい贈り物だったわ。」

おい。

なんでお前がその光を使ってるんだよ?

それはアーシアのものだったんだぞ。

それをなんで・・・ッ!!

「堕天使を治療できる堕天使として、私の地位は約束されたようなもの。偉大なるアザゼル様、シェムハザ様、お二方の力となれるの!こんなに素敵なことはないわ!これであの人間があのお二方にいる必要もなくなったわ!!ああ、アザゼル様・・・私の力を、私の力を貴方様のために・・・」

レイナーレが何かを言っているけど、俺にとってはどうでもいい

「・・・知るかよ、そんなこと、しらねぇよ。堕天使だとか、神様だとか、悪魔だとか・・・。そんなもの、この子には関係なかった。静かに暮らせたはずだ、普通に暮らせたはずだ!!」

「いえ、そんなの無理よ。異質な神器を見に宿した者はどこの世界でも組織でも爪弾き者になるわ。強力な力を持っているがゆえ、他者とは違う力を持っているがゆえ。ほら、人間ってそういうの毛嫌いするでしょ?こんなに素敵な能力なのにね」

「・・・なら、俺が。俺が、アーシアの友達として守った!」

「アハハハハ!!無理よ!だって、死んじゃったじゃない!その子、死んでるのよ?もう、守とか守らないとかじゃないの。あなたは守れなかったの。夕刻の時も、さっきも!その子を救えなかったのよ!本当におかしな子!面白いわ!」

「・・・・。んなこたぁ分かってんだよ。だから、許せねぇんだ。お前も。そして俺もーーー」

そうだ、俺は何もかも全てが許せなかった

アーシアを殺したレイナーレが、そして守れなかった自分自身が

ふと、リアス部長の言葉が脳裏をよぎった



ーーーー『想いなさい、神器は想いの力で動きだすの。そして、その力も決定するわ。たとえあなたが悪魔でもその力は消えない。その力が強ければ強いほど、神器はこたえるわ。』ーーーー




「返せよ・・・アーシアを返せよォォォォォォッッッ!!!!」

『Dragon booster!!』

俺の叫びに応えるように、左腕の神器が動きだす。手の甲の宝玉が眩い輝きを放ち。籠手に何かの紋様らしきものが浮かび上がる。

同時に、俺の体を神器をつけている左腕から全身へと力が駆け巡る

俺は目の前の嘲笑を浮かべる的に溢れ出す力に身を委ねながら、殴りかかる。だが、それはあっさりとかわされてしまった

「おバカなあなたにもわかるように説明してあげるわ。単純な戦力差よ。一の力が神器の力で二になったとしても千の私には足元にも及ばない。どうしようもないのよ!どうやって私に勝とうというのよ!」

『Boost!!』

宝玉から再び音声が鳴り響き。甲の宝玉に浮かぶ文字が『Ⅰ』から『Ⅱ』へと変わる。

力がーーー更に高まる

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

俺は再び目の前の的に殴りかかる

「へぇ!少しは力が増したの!でもまだね!」

ズドンッ!

だけど、俺の攻撃は再び避けられ、今度は光の槍がカウンターみたいに俺の両足の太ももへ鋭く深く突き刺さっていた

くっそ!『戦車』にプロモーションしてんのに、その防御力でもダメなのか!!

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

俺は絶叫をあげる

激痛が全身に響く、だけど、こんなところで膝をつくわけにはいかない。

俺はすぐさま光の槍に手をかけるも、光が俺の手を容赦なく焦がしていった

くっそ痛ぇぇ!!!

あまりの激痛に意識を失いそうだ。歯を食いしばってないと死んでしまいそうだ。

でも、こんなの、こんな痛みなんて

「アーシアの苦しみに比べたら、なんだってんだよ!!!」

ズリュズリュ

嫌な音を立てながら、槍は両足からゆっくりと抜かれていく

どばっ。

だけど、そのせいで両足に空いた穴から鮮血が溢れ出した。

槍を抜いたところで痛みが消えるわけもなく、未だに俺の全身を激痛が響く 、それでも、籠手からの音声は鳴り続ける


『Boost!!』


だけどなぁッ!

俺は・・・俺はぁぁ!


『Boost!!』



テメェを一発殴らねぇと気がすまねぇんだよ!!

「もっと、もっと俺に力をよこせェェェェェェェェェェッッッ!!!!!」

『Explosion!!!!』

俺の叫びに呼応して、最後の一回だけ音声が違ったが、それはとても力強く感じた。

そしてそへと同時に宝玉が一層光り輝き、俺の全身を先ほどとは比べ物にならないほどの力が駆け巡る

『Boost!!』『Boost!!』『Boost!!』『Boost!!』『Boost!!』『Boost!!』『Boost!!』『Boost!!』

籠手から伝わるこの力強さはハンパじゃない

だけど、この籠手の所有者だからだろうか、なんとなくわかる。この力は一発限定の力。一回でも当たればそこで俺の勝ちだ

だから、俺は足を一歩ずつ踏み出しレイナーレへと近寄る

足の傷口からドバッと血が出て、床に落ちた。ついでに口からも血を吐く。でも大丈夫、体は動く

目標は眼前のクソ堕天使。殴るぜ。絶対に打ち損じねぇ

・・・レイナーレはこちらをまるで化け物を見るかのような目で見て、表情を恐怖に変えていた

「な、なんなのよ・・・それはただの『龍の手』がなんで!?」

「ごちゃごちゃウルセェよ」

「な、なんなのよあなたは!!」

レイナーレはそう言いながら、俺に光の槍を投げつけてくるけど、槍は俺の遥か前で霧散した。

「なんで・・・なんで、さっきまでボロボロなのに、立ち上がれるのよ!!?」

「知るかよ・・・ただなぁ、お前は・・・」

俺は目の前の的を睨みつけながら、左拳を握りしめる

「お前は・・・アーシアを殺した!!!!」

「ひっ!い、いや!!」

レイナーレは黒い翼を羽ばたかせ、飛び立とうとしていたが、俺はそれを逃がすわけもなく、堕天使が反応できないほどのスピードを出して。相手の腕を掴む

自分でも信じられないほどの速度がでた。でも、やっと捕まえた

「逃がすかよ、バカが」

「私は!私は至高の!」

「くたばれ!くそ天使ッ!」

掴んだ腕をぐんっと引き寄せ、左拳を相手の顔面へと鋭く打ち込み、壁に叩きつける。

壁は大きな破砕音を立てながら崩れでかい穴ができていた

ーーー一矢報いた

「ざまーみろ」

思わず笑みがこぼれたけど、すぐに涙もこぼれた

「・・・アーシア」

もう二度と彼女は笑ってくれない


『sideout:兵藤一誠』




『side:暁亜蓮』


俺達はイッセーがレイナーレを殴り飛ばす一部始終を見ていた

途中で地下に転移してきたリアス部長と朱乃さんと合流し、物陰からイッセーの様子を伺っていた

「・・・部長、イッセー君のあの力は・・・」

「ええ、あの力、まさに上級悪魔の力・・・でも、あの子の神器は『龍の手』だったはず、それがなんで・・・」

部長と朱乃さんは2人でイッセーが使っている神器の正体が気になるのか、二人で話していた

そろそろ、ネタばらしをしてもいいだろうな

「リアス部長、イッセーの神器は13種の神滅具(ロンギヌス)の一つ『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』です。二天龍と恐れられた片割れの赤い龍の帝王があいつには宿っています」

『ッ!?』

その言葉にみんなが驚く

赤い龍の帝王といえば、地上で最強と称される二体の龍の片割れだからだ

遥か古の時代に、天使、堕天使、悪魔の三大勢力が総力を挙げてやっと封印することができた最強の龍

「ただの神器とは思っていなかったけど、まさか13種の神滅具の一つだったなんて・・・ッ!!なんで『兵士』の駒を8つ使ったのかがやっとわかったわ」

リアス部長はそう興奮気味に言う

そして、俺の視界の端では倒れそうなイッセーを祐斗が肩で支えに行っていた。そして俺たちもイッセーの元へと向かう。小猫ちゃんがいないのはどうやらあの堕天使を取りに行ったからのようだ

そして、イッセーと部長達がしばらく話していると、小猫ちゃんが黒い翼のボロボロの女レイナーレを引きずってきた

「部長、持ってきました」

持ってきたって・・・、完全にモノ扱いかよ

そしてまるでゴミを捨てるかのような感じでレイナーレが床に放り投げられ、その前にリアス部長が仁王立ちする。レイナーレはゆっくりと顔を上げ、部長を見上げる

「初めまして堕天使レイナーレ、私はリアス・グレモリーよ、グレモリー家の次期当主よ。短い間でしょうけど、お見知り置きを」

「グレモリー一族の娘か」

「死ぬ前にいくつかいいことを教えてあげるわ。まずはイッセー、貴方だけでなく私も甘く見ていたけど、彼の神器はとても強力なモノだったわ」

リアス部長は話を続ける

「極めれば神や魔王すらも屠ることが可能だと言われている13種の神滅具の一つ『赤龍帝の籠手』」

「ブ、ブーステッド・ギア・・・一時的に神や魔王すらも越せると言われてるそんな忌々しき神器がこんな子供に!?」

レイナーレは目を見開く、そしてそんなレイナーレに部長は、それと、と言いながら目の前に黒い羽を三枚落とす

「貴方のお仲間の堕天使、ドーナシーク、カラワーナ、ミッテルトは私が消しとばしたから」

「う、嘘よ!?」

「いいえ、同族の貴方ならこの羽の持ち主が誰のモノかわかるでしょ?」

レイナーレはその言葉に顔を青ざめる

って、あの三人の堕天使リアス部長が殺したのか。あとで俺がやろうと思ったのに

「さて・・じゃあ最後のお勤めをしましょうか」

途端に部長の目が鋭くなり。手のひらに紅い魔力を集めはじめる

リアス部長はこいつを殺すつもりだ

「消えてもらうわ、堕天使さん」

リアス部長の言葉にレイナーレはガタガタと体を震わせるが、イッセーを見た瞬間、途端に媚びたような目つきになる

「イッセーくん!私を助けて!この悪魔が私を殺そうとしているの!私、あなたのことが大好きよ!愛してる! だから、一緒にこの悪魔を倒しましょう!だから、私を助けて!」





「・・・・おい」

俺は我慢が出来ずにレイナーレの顔面目掛けて足をふるい祭壇の方へ蹴り飛ばす

蹴り飛ばされたレイナーレは祭壇に大きな破砕音を立てて激突し、呻き声をあげる

「アレン!?」

「リアス部長、邪魔をしないでください。こいつは好き放題やってきた罰を受けるべきだ」

『主様、もうこの堕天使は殺した方が良いでしょう。もしこのまま逃したら、害悪になりかねません』

ああ、分かってる

俺は怯えた目で見てくるレイナーレに双銃の片方をホルスターから出して両手握りながら近寄る

イッセーが一言リアス部長にやってくださいといえば、部長は殺すだろう。だけど、こいつらに汚れ仕事をさせるわけにはいかない。何より、これは俺の仕事だ、だからーーーー

「レイナーレ、お前は俺がーーー殺す」

「ひっ!?」

俺の言葉でレイナーレは自分に本当の死が迫っていることを理解したのか這い蹲って逃げようとする

だけど、逃さない

俺は逃げるレイナーレの首を掴み床に叩きつけ、片手で首を締め付け、銃口を彼女の眉間にくっつける

「お前はイッセーとアーシアを殺した。それにお前は好き勝手やりすぎた、それはこの罰だ。」

「ひぃっ!?い、いやだ、た、助けて、いや、死にたくない・・・この力は、アザゼル様と、シェムハザ様のために・・・」

・・・そうか、そういうことなのか。

やっとわかった、こいつがなぜアーシアの神器を欲したのか

だけどな、もうお前は手遅れだよ

俺は部長たちに聞こえないぐらいの音量でレイナーレに言う

「せめて、アーシアを保護して本部につれ帰れば、お前は褒められただろうな。だけどな、お前は貴重な神器所有者を殺してその力を自分のものにしようとした。そんなのを総督とシェムハザさんが許すわけないだろ?何より補佐官の俺が許さない」

「ま、まさか・・・嘘でしょ?貴方は・・・まさか・・・」

レイナーレは俺の正体に気づいたのか声を震わせる

だけど、もう遅い

俺は銃に死滅の性質を込めた魔力弾を装填する

「やっと気づいたか。まあ、話はこれくらいにしようーーーーーーー消えろ、死滅の龍喰弾(エクスティンクション・ルイン・バレット)

赤と黒と紫が混ざり合ったドス黒い魔力弾がレイナーレを包む

「ーーーーーーーーーー」

レイナーレは何も言葉を発することなく、跡形もなく消滅した

そしてそのあとには淡い緑色の光が灯っていた

アーシアの神器だ。

俺はそれを手に取り部長たちの元へと向かう

そして戻ってきた俺を見てイッセーは口を開く

「・・・アレン、部長、みんな、俺とアーシアのために本当にありがとうございました。で、でも、せっかく協力してくれたけど、アーシアは・・・」

「イッセー、そのことだが、まだ可能性はあるぞ?」

「・・・え?」

イッセーは俺の言葉に呆然となる、が俺はそんなことは気に留めずに部長の方に向きなおる

「ですよね?部長」

「ええ、そうね。イッセー、これ、なんだと思う?」

部長がポケットから紅いチェスの駒ーーーー正確には『僧侶(ビショップ)』の駒

「・・・へ?」

イッセーは状況が飲み込めずに間の抜けた声を出すが、要するにこうだ。

部長はアーシアを悪魔として転生させるつもりなのだ

部長は死んでいるアーシアの胸に神器とともに紅い『僧侶』の駒を一つ置いた

そして、部長の体を紅い魔力が覆い、何かを詠唱し始めた

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ。今再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶』として、新たな生に歓喜せよ!」

駒が紅い光を、アーシアの神器が淡い緑色の光を発して、アーシアの胸へ沈んで行き、少しして、アーシアの瞼が開き始めた

成功したみたいだな

アーシアは不思議そうに周りを見ていた

当然だよな、一度死んだんだから

「悪魔をも回復させるその子の力が欲しかったからこそ、私は転生させたわ。ふふふ、イッセー、あとは貴方が守っておあげなさい。先輩悪魔なのだから」

部長は優しいな。

ここまで優しい悪魔がいるなんてほんの少し前までは信じられなかったな。一部認識を改める必要があるな

そして視界の端ではイッセーがアーシアを抱きしめていた

よかったな、イッセー

はぁー、でも俺の任務は失敗かなー、だって、アーシアを助けたのは部長だし、堕天使四人のうち3人を殺したのも部長だからなー

まっ、いっか。

とにかく、この子は救えたんだ。今回はそれだけで十分だ








『Epilogue:新たな生活の始まり』


堕天使との戦いの次の日、俺は部室に向かっていた

昨日、堕天使を始末した後、俺はアザゼル総督に事件の旨と今リアス・グレモリーとその眷属との協力関係にあることを説明した

そしたら、総督はこう言ってきた

『悪魔に転生したんなら、仕方ねぇな。まあ、お前もやるべきことをやったからな、とりあえずよくやった。それと悪魔側に協力してんなら、バレネェようにやれよ、一応お前は堕天使組織所属の《黒銀の狩人》っていう名前で通ってんだから、気をつけろよ?』

《黒銀の狩人》それは俺の忌み名だ。

俺がはぐれ悪魔や魔獣を狩るときの姿が黒いロングコートを着て二丁の赤黒い銃、そして白銀の長い髪を靡かせていることからそう呼ばれている

というわけで、一応総督からのお許しももらったので、しばらくは俺の好きにやらせてもらいますか

そんなことを考えながら、俺は部室に向かうと部室前には朱乃さんと、祐斗と小猫ちゃんが部室に入ろうとしていたところだった。俺は3人に声をかける

「おはようございます」

「あら、アレン君、おはようございます」

「おはよう、アレン君」

「おはようございます、アレン先輩」

3人とも俺に挨拶を返してくれた

「さて、それでは入りましょうか」

「ええ、そうですね、それにもう中にいるんでしょう?」

俺は中から聞こえてくる話し声に耳を傾けながら、そういう

「うん、そうみたいだね」

「はい、では行きましょう」

祐斗と小猫ちゃんがそう言いながら、部室の扉を開き中へと入る

中には部長とイッセーとアーシアがいた

「おはようございます、部長、イッセーくん、アーシアさん」

「・・・おはようございます、部長、イッセー先輩、アーシア先輩」

「ごきげんよう、部長、イッセーくん、アーシアちゃん」

「おはようございます、部長、イッセー、そしてアーシア」

イッセーはみんなが名前を呼んでくれたことが嬉しかったのか、嬉しそうにしていた

ふと、俺はアーシアの服装がシスター服じゃないことに気づく

「アーシア・・・その服って」

「あ、これですか?はい、これは駒王学園の服装です!」

アーシアはそう言いながらくるんと一回りする

そう、アーシアが着ていたのは駒王学園の女子の制服だったのだ。

「アレン、アーシアは俺たちと同じクラスになったんだ、これでアーシアもこの学園に通うことになったんだよ!」

イッセーがそう嬉しそうに言う。

そっか、まあ、グレモリー眷属だから当然と言えば当然なのかな

「アレンさん!こらからもよろしくお願いします!」

「ああ、よろしくな」

アーシアはそう言いながら俺にぺこりと頭を下げてくる、俺もそれに答える

・・・この学園に天使がまた一人舞い降りたな

これは、うちのクラスの男子も大騒ぎするな。

それにしても、この部に入ったのは最近だが、どんどん部員が増えてくな。

賑やかでいい場所だ

・・・そうだな、まるであの時に戻ったみたいだ

俺はふと昔のことを思い出す、がすぐさま頭を振り現実に意識を戻す

いかんいかん、今は感傷にひたっている場合じゃないな

すると、突然部長が立ち上がる

「さて、全員が揃ったところでささやかなパーティーを始めましょうか」

 そういうと部長が指を鳴らす。

 すると、テーブルの上に大きなケーキが出現した。

魔力で出したのか?それにしてもうまそうだ

「た、たまには皆で集まって朝からこういうのもいいでしょ? あ、新しい部員もできたことだし、ケーキを作ってみたから、みんなで食べましょう」

 部長が照れくさそうに言った。

 手作りかー、学園の憧れのお姉さまの手作りケーキを食えるなんて、役得だな

ふと、俺の脳裏に一つの疑問がよぎった

俺はここにいていいのか?と

すると、疑問が表情に出ていたのか、朱乃さんが不思議そうな顔で声をかけてくる

「あら、アレン君、そんな顔をしてどうしたんですか?」

「あ、ああ、いえ・・・ただ、なんとなく、俺はここにいていいのかと思いまして。だって、みんな悪魔で同じ眷属なのに、俺だけ眷属でなければ悪魔ですらない、人間なんですよ、そんなのがここにいていいのかなって」

俺の言葉に部員のみんなが俺の顔を見て、キョトンとする

え?ちょっと待て、なんでそんな何言ってんだこいつみたいな顔するんだよ

「お、俺、変なこと言いましたか?」

「ええ、変なことを言ってましたね」

俺は朱乃さんに恐る恐る尋ねると、朱乃さんはきっぱりと否定してきた。

そして、俺の顔をじっと見て、口を開く

「だって、あなたはもう私たちの仲間ですから」

「うん、そうだね、僕らと一緒に闘ってくれたし、何より、僕の大切な親友だ」

「ああ!アレンは俺を助けてくれたしな!お前はもうとっくに俺たちの仲間じゃんか、なあ、アーシア」

「はい!アレンさんは私の恩人でもあります。これからも私の大切なお友達です!」

「・・・アレン先輩は私にとって頼りになる先輩です」

朱乃さんに続いて、祐斗、イッセー、アーシア小猫ちゃんがそう頷き、最後にリアス部長も頷いてくれた。

「そうよ。アレン、あなたもここの部員でしょ?それに悪魔とか眷属じゃなくても貴方は私たちの大切な仲間であり、家族なのよ」

「・・・みんな、ありがとう、ございます」

俺はみんなの言葉に、ふと目頭が熱くなった。

それほど、今のみんなの言葉は嬉しかったのだ。

やっと・・・やっと、見つけることができた

堕天使本部以外にも温かくて優しい俺の居場所が

本当の意味で、学校に、この部室に俺の居場所ができたんだ

そして、俺の眼の前では、イッセーが「ドラゴン波」を披露していた

・・・なぁ、メルクリア、俺さ、決めたよ

俺はふと中にいる相棒に話しかける

『何をですか?主様』

俺は全てを守れるほど、器用でも完璧でもない

だけど、目の前にいるこいつらや自分の掌に収まるくらいの存在なら纏めて守ってやりたい

やっとできた、親友を、仲間を、そして、家族と言ってくれたあの人たちやこいつらを守る

助けを求めるなら助ける、偽善と呼ばれても構わない、俺が守りたいと思ったら、そいつは何が何でも守り抜いてやる

それが俺が示す、"暁の滅龍魔導士"としての生き方だ。

いつか、俺の正体がばれてここから追い払われる時が来るかもしれない、それでもいい、バレるまでの短い間だけでも俺はこいつらを守りたいと思ったんだ。

だから、俺に力を貸してくれ

『ええ、もちろんです。私は貴方の相棒である始創の神龍、いついかなる時も貴方の味方であり側にいます。だから主様は己が示した道を突き進んでください、そして主様は優しい滅龍魔導士になってください』

ああ

俺はそう思いながら、みんなの元へ静かに歩き出した








 
 

 
後書き
1章はこれで終わりです。

どうでしたか?

ちなみに、最後あたりにアレンが自身の過去を思い出すシーンを書いたのですが、そこはアレンの過去編として、番外編や後の展開に加えていこうと思います

そして、2章はライザー編です

その前に1章の番外編で、使い魔をやろうとかんがえています

さて、アレンはどんな魔物を使い魔にするんでしょうね?

それと、感想お待ちしてます

ではまた次回、さようなら!

 
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