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Three Roses

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第十九話 聖堂にてその十二

「それでは」
「今度は王宮の中庭で」
「前の様にですね」
「お話をしましょう」
「それでは」
「また日を決めて」
 そしてというのだ。
「会いましょう」
「毎日とはいきませんか」 
 マリーは姉に顔を向けて問うた。
「そうは」
「そうしたいのね」
「はい、姉妹ですから」
 それ故にというのだ。
「そう考えていますが」
「私は」
 マイラはマリーの方を見ない、目も向けない。そのうえで声だけで妹に対して言うのだった。
「いいわ」
「そうですか」
「毎日会わなくても」
「それでもですか」
「私はいいわ」
 こう言うのだった。
「そう考えているから」
「わかりました」
 マリーはマイラに顔を向けながら答えた。
「では」
「その様にしてくれるのね」
「お姉様が思われるままに」
「そう、では」
「それでお願いします」
 こう言う、そしてだった。
 二人は祈りを終えてだった、聖堂を後にすることになった。それぞれの者達は二人の後ろについて聖堂を後にした。
 王はその話を王宮において聞いた、そしてだった。
 そのうえでだ、側近達にこう言ったのだった。
「まずはよしだ」
「お二方で、ですね」
「聖堂に行かれたことは」
「そして共に祈りを捧げられたことは」
「よかったですね」
「非常にな」
 こう言うのだった。
「いいことだった、このことも機にしてだ」
「お二方がですね」
「親密になられる」
「そうなることですね」
「是非共」
「そうなって欲しい」
 王は側近達に言った。
「また二人で会ってもらいたい」
「そしてですね」
「やがては手を携え合い」
「そのうえで」
「この国を動かしていってもらいたい」
 マリーとマイラ二人でというのだ。
「だからだ」
「この度のこともですね」
「よしとされたのですね」
「そうなのですね」
「そうだ、ではさらにだ」
 王はさらに言った。
「二人には合って話をしてもらおう」
「この国の為にも」
「是非に」
「そう考えている」 
 王はここまで言った、だが。
 顔を不機嫌なものにさせて黙ってしまった、側近達はその王を見て言った。 
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