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ドリトル先生の名監督

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第十一幕その六

「僕はそうしたことは絶対にすべきじゃないってね」
「それが紳士だよ」
「本当の意味のね」
「幾ら服を整えてマナーがよくても」
「心が悪いと」
 もうそれでというのです、動物の皆も。
「紳士じゃないよ」
「紳士はそうしたことを弁えてこそだよ」
「本当の意味で紳士だよ」
「そうなるよ」
「僕は紳士でありたいとは思っていても」
 先生が言うにはです。
「意地悪はしない様にしてるからね」
「というか意地悪な人ってね」
「暴力を振るう人も」
「それだけで付き合いたくないから」
「僕達にしてもね」
「先生にはそういうことがないからだよ」
「こうしてずっと一緒にいるんだよ」
 家族としってです。
「いつもね」
「いい人だから」
「それに放っておけないしね」
 先生のこうしたことについても言うのでした。
「先生ってね」
「生活力はないから」
「それに世間知らずだし」
「要領も悪いし」
「家事はさっぱりだからね」 
 学問については万能と言ってもいい人です、ですがそれでもなのです。先生はスポーツや家事についてはさっぱりなのです。
 それで、です。動物の皆もなのです。
「僕達がいないとね」
「どうなるかわからないから」
「サラさんも結婚しちゃったしね」
「僕達とトミー、王子がいないとね」
「有り難いことにね」
 先生が言うにはです。
「僕の周りにはいつも誰かがいてくれるんだよね」
「皆先生が好きだからだよ」
「それで放っておけないから」
「しかも謙虚だし、先生」
「図々しくもないから」
「図々しいのはね」
 先生にとってはです。
「僕もね」
「あまり、だね」
「好きじゃないんだね」
「そうしたことも」
「どうにも」
「図々しいとね」
 先生が思うにはです。
「あまりいい感じがしないから」
「そうだよね、そういうのもね」
「何この人って思うから」
「いきなり人の家に上がり込んできてお茶淹れろとか言われるとね」
「いい気がしないよ」
「そうした人を見ると」
 このこともどうしてもというのです。
「どうかなって思うから」
「先生は図々しくはしない」
「そうした態度は取らないんだね」
「謙虚でいるんだね」
「そうあるようにしてるんだ」
 実際にというのです、そしてです。
 先生は相撲部の皆の試合を観てです、微笑んで言いました。
「うん、いいね」
「いい感じだよね」
「皆怪我をしていないし」
「スポーツマンシップも守ってるしね」
「最高だよ」
 こうも言った先生でした。 
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