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『チロの物語』

作者:零那
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『期待』



僕は何とか
頑張って生きた。

3年が経ち
子猫達もすっかり
大きくなった。

僕は...未だに
流那チャンを想う。
逢いたいけど
逢いに行かない。
行けない...。

連れて行けないと
言われた以上
行ったところで
迷惑なだけ。

だったら
僅かな期待をする。
流那チャンから
逢いに来る事...。

強がりな弱虫。
それが流那チャン。
きっと、僕を
求めてくれる筈。

辛いことが在れば
僕の処に
来てくれる筈...

いや...
来て欲しい
求めて欲しい
弱音を吐きに来て!

無理しなくていい
頑張らなくていい
意地張らないで
甘えたらいいよ

強がりだけじゃ
生きてけないよ?
僕には何でも
吐き出して欲しい!

...なんて、僕が
人間だったら
カッコよく言いたい。

いつまでも消えない
『人間だったら』
って願いと祈り...。


 
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