| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

HUNTER×HUNTER 六つの食作法

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

018話

「ただい、ま……」
「ぜえぜえ……何でこんなくだらねぇ事で体力消耗しなきゃいけねぇんだよ……」
「マ、マジ疲れた……」
「さ、流石にシャネルと修行してただけはあるよねクラピカ……」

ホテルへと戻ってきたシャネルは両手に途中で買ってきた大量のファーストフードなどを下げて部屋へと入った。がそこに広がっていたのは全身で息をしているゴン達と椅子に座らせられながらロープでぐるぐる巻きされた上で気絶させられ、拘束されている自分の弟子(クラピカ)の姿だった。

「……すいません間違えましたお邪魔しました」
「「「嫌々嫌々合ってるから!!!」」」


「そりゃ……うちの弟子が申し訳なかったな、後でキツく言っとくわ」
「ああしっかり頼むぜ」
「ったく取り押さえて気絶させるのに豪い苦労したぜ」
「凄い強かったよねクラピカ」
「そりゃかなりきつい修行メニュー組んだからな」

シャネルが買ってきた大量のファーストフードを凄い勢いで食べていくゴン達、クラピカを止めるのにかなり力を使って疲れているのだろう。シャネルも元々一緒に食べる為に買ってきた物なので食べる事には何も言わず本人も一緒に食べている。

「しっかしシャネルよぉ、クラピカお前に依存してるじゃねえのか?修行中何があったのか知らないけどあの取り乱し方は異常だったぜ」
「……否なんとも俺に言われてもなぁ……如何してああなったのか」
「取り合えずあの事は忘れてやろうぜ、クラピカの名誉の為にも」
「確かに、なんか傷つきそうだもんね」
「異議なし」

全員一致で先程の言葉は忘れる事になり取り合えずクラピカの拘束は解かれた。それとほぼ同時にクラピカは目覚める。

「ううぅん……シャ、シャネル……!?そ、そうか無事に戻ってきてくれたのか……しかし、如何して私は眠っていたのだ……?」
「コケてシャネルの頭と激突して気絶したんだよ」
「なっ!!?」
「お、おいキルア」
「こっちの方がまだマシだ」

顔を赤くして謝罪するクラピカ、それを受けつつ構わないから気にするなと言いつつ食事をし続けるシャネル。ゴン、キルア、レオリオは思わずハンター試験第2次試験の試験であったブハラを連想した。シャネルの食べっぷりと既に食べている量を見たからの考え。

「良くそんな食えるな……ハンター試験の試験管思い出すぜ」
「ああ豚の丸焼きを凄い食べた人だね!」
「あいつに負けず劣らずって感じだな………」
「まあ俺の場合は食わなきゃいけないだけどな」
「いけない……?」

巨大ハンバーガーを10個目を完食した所で一旦喉を潤すシャネル、話しても大丈夫かと思い口を開いた。

「お前ら、制約と誓約って知ってるか?」
「なんなのそれ?」
「知らなかったか、簡単に言うと念能力を強化する手段の一つだ」
「「念を強化!!?」」

念能力を強化出来る言葉にゴンとキルアは強く食いついた、その食い付きっぷりはクラピカを思い出させる。二人を何とか押さえつつ改めて説明に入る。

「ルールを宣言してそれを守る……」
「そんな強化法があるなんてね」
「でもこれは安定しない力、だから無理に組み込もうとはするなよ。基礎能力を上げて念を強める方がよっぽど安全だし安定するんだ」
「かぁっ~……念っていうのは奥が深いんだな」

レオリオも感心したように制約と誓約、念についての話を聞いていた。そして笑っていた。彼の目標は医者となり病気を治すにも金がない人々を無償で治してやる事、だが医術だけでは到底救えない命もある。輸血が間に合わず、出来ずに死んでいく命だってある。しかし念能力ならばそんな命も助ける事が出来るかもしれないと強い希望を持てた。そして決心したように大きな声を上げる。

「シャネル、俺も絶対念を覚えてやるぜ!そしてそれで相手を癒す力を作る!!」
「回復能力か、良いじゃないか。それ」
「レオリオ立派だよ!」
「確かに、金ばかり求めていた頃からだいぶ進歩しているな」
「否今も十分金に執着してるって」
「喧しい!!」

怒り声を出しつつも笑うレオリオ、良い目標が出来たのかもしれない。笑いあっている時、キルアが声を上げた。

「なあシャネル、旅団に連れて行かれたんだろ。何があったんだ?」
「端的に言えば電話で言った通り腕相撲だな、まあ台にしてた瓦礫粉砕して無かった事になったけど」
「ま、まだぶっ壊したのか?」

そう言われてしまうと困ってしまうがそれほどに相手の力が半端無く自分もそれに全力で対抗した結果だった。全力で抗わなければ腕は砕けていたかもしれないしあそこまで連れて行かれてあっさりと負けを認めるような行為などしたくは無かった。単純に自分が負けず儀らだからこそ生まれた結果なのかもしれない。

「クラピカ、一言言っておくぜ。今のお前のレベルだと旅団に勝つのは難しいかもしれない」
「っ!!!」
「俺が力比べをしたのはウボォーていう大男だけだったが連れて行かれたアジトには他のメンバーもとんでもない念の使い手だ」

今この部屋に入る5人の中でも実力者はシャネル、念能力(オーラ)の強さ、体術も含めても彼はかなりの高い実力を持っている彼でも旅団の強さは強すぎると認識している。実際にウボォーギンと言うメンバーと手合わせをして入るから言える台詞でもある。それを含めた結果、今の実力のクラピカは戦うべきで無いと思っている。

「それほど、なのか……?」
「ああ。念能力をまだ向上させないとやばい、そうだと確実に言える」
「……くっ」

師である彼の言葉に思わず歯軋りをしてしまう、半年間必死に修行して来た。シャネルにも良い評価を貰っている、だがそれでも自分の刃は相手に届きえないという事実が酷く歯がゆい。

「(悪いクラピカ、今はまだ耐えてくれ……)」

クラピカの能力は確かに高い水準の物だろう、だが念能力はまだ未熟。六式を同時に学んでいた為か念のレベルが当初計画していたレベルより低くなってしまっている、それを六式で補うと言う戦いも出来るだろうがそれを完全に物していない時点では危険が多すぎるし今この時点でないと蜘蛛を妥当できないと言うわけではない、まだチャンスはある……!!

「それって俺達も勝てないって事だよな……」
「そうだね……あっそうだねえシャネル!俺たちの師匠になってくれない!?」
「お、俺がか?」
「うん!俺達、もっと強くなりたいんだ!!」

思わず呆気に取られてしまうシャネル、ゴンは明るく裏が無い素直な気持ちをぶつけてくる。旅団に僅か間でも接触しそこで相手の力量の凄さを実感し更に強くなりたいと思ったのだろう。そしてクラピカの師匠でもある自分にそれをぶつけてきたのだろう。

「俺からも頼むよ」
「う~ん……まあ俺自身は構わないけど、その前に念を教わった人居るだろ」
「うん。心源流拳法の師範代のウィングさんって人から習ったよ」
「ならそのウィングさんとやらに一言断るのが礼儀って奴じゃねえか?いきなり師匠鞍替えってのは流石にな」

そう言われると二人は納得したように顔を見合わせた、早速連絡して聞いて見るととベランダに出つつ携帯を取り出すゴンとキルア。

「んでレオリオ、お前どうする?」
「俺も是非とも習いたいのは山々だけど大学受験に向けての勉強があるからなぁ、受験が終ったら頼みてぇな」
「おう解った」
「シャネル許可取れたよぉ~!!」
「早いなおい!?」


「なあクラピカ、お前納得してくれてるのか」
「……正直言うとあまり納得出来ていないかもしれないな」

真夜中、ヨークシンの夜景を見るには絶好の時間にベランダに出ているシャネルとクラピカは鋭い瞳をしたまま話し合っていた。蜘蛛打倒を誓った者同士の会話。言葉に答えるクラピカは、柵を精一杯の力で握り締めながら耐えているようにも見える。

「例え、力が足りていなくても戦いたい……蜘蛛を、この手で捕らえたい……!!その思いでいっぱいさ」
「………」
「だが……私は師の言葉を無碍にするほど愚かじゃない……私は誓ったのだからな、シャネルと一緒に蜘蛛を打倒すると」

クラピカの復讐心を押さえつけているのはシャネルと言う大きな存在。自分を支えると宣言し共に歩んでくれると言ってくれた人が居るからこそ、自分の力量では勝てないと言った師匠の言葉を信じ自分を押さえ込んだ。

「私は、もっと強くなる。そして、必ず蜘蛛を……!!!」
「クラピカ」

―――我慢など出来ない。

「なんだ、師匠?」

―――言うべきなんだ。

「俺はこれから、蜘蛛の一人と戦いにいく」

―――支えると決めた人物に、隠してはいけない事実なのだから、言うべきだと思う。

「なっ!!?」
「お前も、来るか」

衝撃的だった。夜に吹く風が頬を撫でた時、クラピカは目を見開きシャネルに驚愕の表情を向けていた。

「な、何故……私に、言うんだ……!?」
「言うべき、そう思ったからさ。蜘蛛の事はお前に言うべきだと、な」
「……!!先程まで、我慢出来ていたのに……!!!これでは、我慢、出来ないじゃないか………!!!!」

先程と打って変わってクラピカの目の色と感情が一気に乱れていく、瞳は緋の目隠す為にコンタクトをしているのに色の変化が見えている。震える身体を抱き締めてなんとか押さえようとしているが溢れ出す激情をコントロール出来ないと、誰もが解る程。

「クラピカ、付いて来い。蜘蛛との、戦いをその目に焼き付けるんだ」
「無論だっ……!!!」

ベランダから飛び降りると建物の屋上から屋上へと飛び移るように走り出しヨークシン郊外の荒野へと目指す。この激情を押さえる為に、蜘蛛と言う集団に鉄槌を下す為に……。

「―――良い月だぜ……0時まで後30分……」

荒野に立つ一つの影、夜の帳を照らす月を見上げる男は刻々と近づいてくる約束の時間に興奮するようにオーラが少しずつ沸き立っていた。

「来いシャネル……!!全力で、やり合ってやるぜ……!!!!」

蜘蛛は叫ぶ。久しく会い見えた強力な力の持ち主に。その人物と、全力の力比べがしたいと叫ぶ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧