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がっこうぐらし!The world in confusion

作者:ウィング
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chapter60

時はさかのぼること、雄也がエスミを司令室に吹っ飛ばした時まで遡る。

結界発生装置を発見し破壊しようとする悠里と圭、美紀はAランク魔導士ヴィトンと戦闘の火蓋が切って落とされていた。

戦況は余りにも悠里達の一方的な劣勢である。

場数の差もあることながら問題となっているのは弾数であった。

ヴィトンは魔力で生成された矢であり尽きない限り無限に受ける。

それに対し悠里と圭は弓と銃、それに使う矢と弾も有限のために、数は多いに関わらず、劣勢となっていた。

悠里「はぁ…はぁ…」

悠里(強い、やっぱり攻撃が簡単に防がれちゃう…)

悠里は大型のコンテナを背にしながらヴィトンのことを考える。

悠里(どっちにしても時間をかけてもこっちがもっと不利になる…矢ももう十本もない)

背部の腰に携えている矢を悠里は手の感触で数え既に矢筒の中の矢も残り少ないのを悟る。

悠里「圭さんと上手く連携を取らないと」

悠里は余り音を当てずに動き出そうとした矢先、突如と真上から魔力の矢が何本も降り注がれてくる。

悠里「っ!」

降り注がれた瞬間矢に気づき前に飛び込み前転で矢を回避し、周囲を警戒する悠里に、仕掛けたヴィトンは悠々と悠里の前に現れる。

ヴィトン「よく、さっきの攻撃を避けられたものだ」

悠里「生憎、敵に褒められてうれしくないわ!」

ヴィトンは先ほど仕掛けた攻撃を避けたことを余裕な表情で賞賛するも対して悠里はそのような余裕はない悠里は目の前に出てきたことを好機とみて数少ない矢を魔力でコーティングして放つ。

放たれた悠里の矢は放たれたのを見てクスリと笑うヴィトンの弓形のデバイスから放たれた矢により相殺される。

ヴィトン「まだ、足掻くようだね、だがいつまでもつか…」

弓形デバイス[マイロード、ここはすぐに撃破すべきと推奨します]

徐々に追いつめられる悠里を見て楽しそうに頰浮かべるヴィトンに持っているデバイスが悠里を速攻で倒すことを助言する。

ヴィトン「それでは楽しくないではないか…せっかくだ、楽しまねば…そんだろう?」

悠里(完全に弄ばれてる…でもあいつにどうやって…)

どうすべきか模索する悠里、そんな状況にこちらに近づく足跡を響く。

ヴィトン「…ん?」

圭「たあぁぁぁぁぁっ!!!」

驚異的な身体能力でコンテナの上からやってきた圭がヴィトンの真上でライフルをヴィトンに構え、射撃する。

ヴィトン「あれは、当たると痛いだろうな」

そういって、圭にむけて左手を伸ばしシールドをはり、弾丸を弾き防ぐ。

数秒間、放たれた弾丸が弾く状況が続くが圭のライフルの弾切れでこの膠着が終わるとヴィトンはすぐさまデバイスを圭に向ける。

悠里「圭さん!避けて!」

デバイスが圭に向けられたことで悠里は避けることを叫ぶが圭は今現在空中既に格好の的であった。

叫びもむなしくヴィトンの魔力の矢が放たれる。

圭「…くっ!」

圭も迫り来る矢を何とかしようと体をひねらせる。

そして矢は圭のライフルを撃ち抜きそのまま圭の脇腹を掠める。

体をひねらせていたことでなんとか直撃を避けることを成功した。

圭「いっ!…先輩!目をつぶって!」

圭は脇腹を掠めたことで痛みを耐えながらも身につけていた閃光弾の安全ピンを抜きヴィトン目がけて投擲する。

投げられたことに気づきすぐに目をつぶる悠里、それからすぐに閃光弾が弾け部屋が閃光に覆われる。

ヴィトン「うっ!!目がぁ!」

目を開いていたヴィトンは閃光弾により、視界を奪われるなか、圭は空中から地上に落下し、地面に着くときに上手く受け身して衝撃を受け流す。

悠里「圭さん、大丈夫!?」

圭「なんとか、急いで離れましょう!」

悠里「そうね」

ヴィトン「っ!逃がしはしない!」

この場から離脱しようとする悠里達に目眩まししたヴィトンはあろうことか悠里達目がけてデバイスを向ける。

悠里「嘘!?きいてない!?」

弓形デバイス[距離二十メートル、包囲、角度問題なし]

圭「っ!あのデバイスか!」

何故ここまで正確に捉えることができるか悠里は疑問に思ったがそれはヴィトンのデバイスの仕業だと圭が理解して叫ぶ。

そしてヴィトンの魔力の矢が放たれその矢は悠里の左肩を射抜く。

悠里「あっぐっ!」

圭「先輩!?」

悠里「だ、大丈夫…それより、すぐにここから」

圭「は、はい」

圭は悠里の射抜かれた肩を気にしつつ、ベレッタでヴィトンを目がけて射撃、だが、それはヴィトンのシールドに防がれる。だがこれで攻撃に転じられない、この瞬間を使ってこの場から離れて行くのであった。


ヴィトンから辛くも撤退し、交戦した場所から離れたところで、圭達は気を休ませていた。

悠里「くっ!」

圭「先輩!早く止血しないと」

美紀「仕方ない」

止まらない血を何とかしようとする圭だが先に美紀が自身の制服を袖を破りそれを布がわりに傷元に巻きつける。

悠里「あ、ありがとう…美紀さん」

美紀「いえ、当然のことをしただけです」

悠里の止血を完了し3人はヴィトンとの交戦して冷静に相手のことを考える。

悠里「……圭さん、あのヴィトンと戦って何か思ったことある?」

圭「率直に言って強いです、二人がかりで中々攻めきれない……」

悠里「そうよね、やっぱり正攻法じゃ無理よね」

まともに戦って勝つことは難しいのは先ほどの一戦交えたことで身にしみた、悠里達

そのため勝つためにはヴィトンを欺く作戦がなくてはならない。

それを考える中でもタイムリミットは迫ってきていた。

ヴィトン「さて、逃げたのはこっちのはずだがな…」

悠里「っ!!!?」

コツコツとこちらに近づく足音と敵であるヴィトンの声を聞き取り、悠里達は急いで息を潜める。

圭「不味いです。このままでは見つかって…」

小さい声で焦りをながら悠里に話しかける圭に悠里はどうすればと頭を働かせる。

美紀「圭…悠里先輩、私も何か手伝えるのなら、手伝います」

圭「美紀……」

悠里「……ねえ、美紀さん」

美紀「悠里先輩?」

悠里「それじゃあ、お言葉に甘えて一肌脱いでもらおうかしら」

何か作戦を思いついた悠里は美紀達を見てニヤリと微笑んだ。

ヴィトン「何処へ逃げた…恐らくこっちなはずだが」

圭が投げた閃光弾により悠里達を逃したヴィトンは悠里達が逃げるときに聞こえた足の音から方向を割り出し余裕の表情で獲物たちを探し出す。

ヴィトン「…ふむ?…あれは…」

入念に回りを捜索しているヴィトンはコンテナの角にある物をとらえた。

それは悠里達が着ている巡ヶ丘の制服の袖先がコンテナ端からヴィトンに見えてしまっていた。

「漸く見つけた」

ニヤリと獲物を捕らえたヴィトンは忍び足で接近していき、踏み込める距離までコンテナの角からいっきに踏み込んで弓形デバイスを構えた。

だがヴィトンの目先には人は誰も居らずあったのはヴィトンが視認していた誰も着ていない上半身の制服だけだった

「い、いない!?」

いると確信して構えていたヴィトンはいないことに驚きたじろぐ、その直後コンテナの上からナイフとベレッタを手に持つ圭がヴィトン目掛けてナイフを振るわれる。

圭「たあぁぁぁぁっ!!」

横切り、切り返しとまだ不慣れなナイフ捌きで近接戦を行うが決定打という一撃はヴィトンに与えられない。

圭「やっぱり、一筋縄じゃいかないか…けど!」

圭の後ろから何かが放たれそれが合図に圭は横に飛ぶと先ほどまで圭がいた後ろから悠里が全身全霊をこめた矢がヴィトンのデバイスを弾き飛ばす。

ヴィトン「な、に!?」

ヴィトンがデバイスを弾き飛ばされたことに驚くなか圭はベレッタを丸腰のヴィトンに突き付けていつでも撃てる体制を整える。

圭「形勢逆転、私達の勝ちだよ」



 
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