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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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二回戦!決別の戦い! 後編


騎士ウイングガンダムは壁を突き抜け、城の中庭へと倒れる。

「アマネ! 」

「部長!後ろ! 」

「っ!? 」

駆けつけてきたジャルフダルクガンダムの背後から、ガンダムデスサイズヘルとガンダムダブルエックスが、ツインビームサイズとハイパービームソードを構えて接近していた。

降り下ろされた二撃の攻撃を、辛うじてシールドで防ぐが、真っ二つに切断されてしまう。

すぐに二機と距離を取り、両腕にビームトンファーを構えて対峙する。

『マグナムもシールドもあっという間に無くなったなぁ。残るはビームサーベルにバルカン、あと後ろの分かんないやつだけよん』

「くっ…………カグラ達は……! 」

空を見上げると、アルケオニスガンダムとクシャトリアが戦闘を繰り広げていた。ブラウドライツガンダムは、遠くに行っているのか姿が見えない。

アルケオニスガンダムはファンネルの攻撃をスザクモードで切り抜け、MS形態に変形してすかさずファンネルを破壊していく。

『あの赤いのと青いのは新入部員ってところかよん?よくある話だよん。新人の力で勝ち上がっていくのは』

ガンダムデスサイズヘルはツインビームサイズを掲げながら接近し、後続にガンダムダブルエックスが続く。

「このっ! 」

ビームトンファー二刀でガンダムデスサイズヘルに斬りかかるも、ツインビームサイズのビームが別れ、ビームトンファー二刀を防がれる。

その間に騎士ウイングガンダムが懐に飛び込もうとするが、ガンダムダブルエックスのハイパービームソードで攻撃される。
シールドでなんとか受け止めるが、追撃でビームライフルをシールドに撃ち込まれ、シールドが破壊される。

「ぐっ…………! 」

「アマネ! 」

騎士ウイングガンダムは破壊された衝撃で後方へと飛ばされ、ガンダムデスサイズヘルのツインビームサイズによりビームトンファーとなるビームサーベルを刈り取られてしまった。

『けど、それにだって限界はあるよん。どんなに強い新人が加入しても、お前らが弱ければプラマイゼ────』

四機の間に何かが中庭に叩きつけられ、爆音と砂煙によりタカギの言葉が遮られる。

「おおおおぉぉぉぉぉぉっ!! 」

叫び声が聞こえると、今度は砂煙の中心から爆発が起きる。砂煙を吹き飛ばすように爆風が起きるが、その中心にいた機体が何かを振るい、爆風を撒き散らす。

「聞いたぜ。タカギ…………って言ったか?アキザワ達が弱ぇってか?ざけんな。アイツらはな、お前達の知らねぇ苦しみを何度も受けてきてんだよ。弱小だとかバトルが弱ぇとか、そんな事をずっと言われてきてたんだよ」

爆風の中心にいた機体……アルケオニスガンダムはシールドとバスターライフル改をバックパックに装備しており、刀の(きっさき)をガンダムデスサイズヘルに向ける。

「けどな。それでもあの二人は諦めてなかったんだよ。現に、本来使う筈のねぇガンプラを持ってきてんだ。つまり、それはまだファイターとしての意志………覚悟があるってことだ」

アルケオニスガンダムは刀を構え、こちらを振り向いてきた。

「自信を持て、二人共。お前達は強ぇよ。まっ、俺ほどじゃねぇけどな」

「オメー本当に台無しだなっ! 」

「うるせぇよ。いいからセシリアの援護をしてろよ」

「分かってるっつーの! 」

『ヘイヘイ。新人君よん。どんなに言葉を並べた所で、ソイツラの腕は簡単には変わらないよん? 』

「かもな。けど、お前は本当の実力を知らねぇだけだよ」

『はっ? 』

「アキザワ、アマネ。もっと思いきってやってみろよ。お前達は攻撃する時いっつも考えすぎなんだよ。だから迷いが生じて、行動が遅れんだ。
それに、この二、三年間練習してきてんだろ?なら、そろそろアイツの顔面目掛けてぶちかましていいんじゃねぇか? 」

「カグラ……」

「カグラ君……」

『へー?じゃあ三機纏めてかかってくるかよん?俺は別に構わないけどよん』

ガンダムデスサイズヘルが挑発するように指をクイクイしてきたが、アルケオニスガンダムは気にもせず俺達の方へと歩いてきた。

「ありがとう……カグラ」

「それは勝ってから言えよな」

「ははっ。そうだね」

アルケオニスガンダムは刀を鞘に納め、肩に手を置いたあと、壁際まで移動していった。

『どういうつもりよん? 』

「タカギ…………俺達二人で相手をするよ」

『まだやるのかよん?さっきまであんなにボッコボコだったのによん』

「いや、もう今までとは違う。まさか、後輩に励まされるなんてね。けど、これでもう前に進める。信じてくれている後輩に申し訳ないしね」

『へー?じゃあ、そろそろやるよん? 』

ガンダムデスサイズヘルは刈り取ったビームサーベルを放り投げ、ツインビームサイズを構える。

「部長」

「大丈夫。アマネはダブルエックスを」

「……了解しました」

騎士ウイングガンダムが横に移動すると、ガンダムダブルエックスも釣られて横に移動する。

『一対一かよん。さて、覚悟はいいかよん? 』

「ああ。ついさっき出来たよ」

機体の装甲がスライドすると、青白いサイコフレームが剥き出しになり、NT-Dが発動する。そして、バックパックに追加武装した棒状の物を掴み、振り払うように構えると、棒が伸びていき、機体よりも少し長くなった。すると、先端付近には巨大な黄色い旗布状のビームが展開される。

『フェイロンフラッグ…………にしては大きいよん』

「この旗は、勝利の道を作る希望の旗…………ただのフェイロンフラッグと思ったら大間違いだ」

『ふーん。じゃあ…………見せてもらうよん! 』

ガンダムデスサイズヘルが接近すると同時に、こちらも旗を構えて前に出る。それを戦闘の合図のように、騎士ウイングガンダムとガンダムダブルエックスも動き出した。

ガンダムデスサイズヘルはツインビームサイズを水平に斬り払ってきたが、旗布状のビームで攻撃を防ぎ、そのままツインビームサイズに巻き付ける。

『 !? 』

「はあああああ! 」

巻き付けた状態で旗を思い切り横に払い、ガンダムデスサイズヘルを吹き飛ばそうとする。しかし、ガンダムデスサイズヘルは咄嗟に武器を手放し、距離を取ってきた。

『動きが違う………!?このぉ! 』

ガンダムデスサイズヘルは先ほど放り投げたビームサーベル二刀を拾い上げ、こちらに接近してきた。

旗の先端は矛となっているため、ガンダムデスサイズヘルに向けて突き出す。ビームサーベルで軌道を変えられたが、右翼を破壊する。

『もらったよん! 』

二刀のビームサーベルを斬り払おうとしてきたが、ビームサーベルは空を切るだけだった。ガンダムデスサイズヘルのバックパックを見てみると、旗布状のビームが絡まっており、機体を拘束していた。

『うっざいよんこの旗! 』

ガンダムデスサイズヘルはバックパックをパージし、今度こそはとビームサーベルを振るってきた。バックパックに絡まっていた為、さっきまで握っていた旗は無い。

「誰も一本だけとは言ってないから! 」

ジャラフダルクガンダムの両手には、さっきと同じ旗が二本握られていた。

『なっ!? 』

「もらったぁぁぁぁぁっ!! 」

左手の旗で両腕を切断し、右手の旗でガンダムデスサイズヘルを貫く。

『そんな…………馬鹿な……』

その声と共に、ガンダムデスサイズヘルは爆発していった。

「はあ……はあ……はあ………た、倒した……? 」

「ああ。アキザワ、お前が倒したんだ」

「ははっ。ありがとう……カグラ」

カグラにお礼を言うと、アマネのところから爆発音が聞こえた。急いで振り向くと、比較的に騎士ウイングガンダムの方がボロボロだが、ガンダムダブルエックスと相討ちとなっていた。

「はあ……はあ…………ここで精一杯のようね」

「お疲れアマネ」

「部長…………そっちも倒せたんですね」

「ああ。カグラ、それにアマネ………本当にありがとう」

「いえ。私は相討ちで終わりましたから」

「そうだな。アマネはアキザワよりも弱ぇからな」

「なに?アンタケンカ売ってんの? 」

「二人共そこまでにしとけって。今ちょーどセシリアちゃんが敵戦艦を撃沈させたところだぜ」

「オワッタ……」

ヒメラギとセシリアちゃんから通信が入り、そこで安堵の息を吐く。

「皆……ありがとう」

『BATTLE ENDED』





ーーー--





「全日本ガンプラバトル選手権中高部、二回戦、第五試合勝利チーム。天之川学園、チームトライホープ」

ワアアアアアア!



「か、勝ったぁ………」

アキザワはそう呟くと、膝を床につけてへたれこむ。

「せっかく勝ったのに、だらしないよん」

「タカギ……」

差し出された手を握ると、そのまま立ち上がらせてくれた。

「こりゃ完全にやられたよん。アキザワ、あの時言った言葉は撤回するよん。けど、次は俺達が勝つから、覚悟しとくよん」

「ああ。けど、相変わらずその口癖は直せないんだね」

「別にいいよん。諦めたからよん」

アキザワとタカギを残し、俺達は先にバトルシステムから離れる。

「うーし!じゃあ次の試合に備えっか! 」

「と言っても、アンタは何もしてないでしょ? 」

「セシリアちゃんの援護をしてたっつーのっ! 」

「ふん。だが、アキザワ セイヤと比べればまだまだだな。援護など無いに等しい」

「ひでーな!?そりゃアキザワ先輩に比べればそうかもしれねーけど、もうちょうオブラートに包んでくれよ!? 」

「いや、でも実際にそうだったんじゃねぇか? 」

「なんでだよ!?てか疑問系ならゆーんじゃねーよ!! 」

「……エンゴアリガトウ」

「セシリアちゃんしか労いの言葉はねーのかよ!ありがとーな!! 」

「なにやってるの皆? 」

ヒメラギが嘆いてると、アキザワが戻ってきた。

「ほら、次の試合に備えようか。機体を直さないといけないしね」

そう言って、アキザワは俺達を通りすぎって行った。しかし、出入口の所で立ち止まり、振り返ってきた。

「皆……本当にありがとう」

「気にすんなよ。今までの結果だろ? 」

「そーッスよ」

「ふん」

「部長。お疲れ様でした」

「オツカレ……」

「…………ありがとう」

 
 

 
後書き
さて、ギリギリとなった二回戦。そしてネタも無くなりかけてると最近気づく作者。オリジナル機体が少ない!!友人に言われて前作のオリジナル機体を数えてみたところ60近くまであるのに、orbitは少ない…………くっ!ネタ集めをしなければ!

さて、まあ次回更新はガンダムブレイカー3のアップデート日(?)の10月25日に更新します。ではまた来週にお会いしましょう。 
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