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ドリトル先生の名監督

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第九幕その十

「徹底した管理で」
「けれど食事までは、ですよね」
「あそこまで厳しくなかったですよね」
「白米から麦飯になったらしいですけれど」
「それは脚気対策だったからね」 
 白米から麦飯になったことはです。
「それでも肉を食べるなとかお酒を飲むなとかはね」
「海軍もしてないですからね」
「煙草も吸えましたし」
「幾ら何でもですよね」
「広岡さんは厳し過ぎますね」
「選手の人達も大変だったらしいですね」
「まあ炭酸飲料の飲み過ぎはね」
 それは実際にというのです。
「あまり骨格によくないけれど」
「それでもですね」
「飲み過ぎたらってだけで」
「完全に飲むなとはですね」
「先生も言われてないですね」
「確かに飲むのなら牛乳や豆乳、野菜ジュースがいいよ」
 身体のことを考えると、というのです。
「それでもね」
「ある程度はですね」
「飲んでいいんですね」
「炭酸飲料にしても」
「ある程度なら」
「うん、いいよ」
 こう皆にもお話します。
「君達は飲む量も凄いけれどね」
「ある程度ならですね」
「飲んでもいんですね」
「先生は管理相撲とはですか」
「そこまではいかないですか」
「普通にね」
 管理とまではいかなくて、というのです。
「それでいいよ、実はささみやゆで卵の白身もね」
「それもですか」
「そればかり食べるのならともかくですか」
「普通に食べるんならいいんですね」
「ある程度なら」
「そう、いいからね」
 先生が良くないと言っているのは偏食なのです。
「偏食は止めるべきだよ」
「お肉とお野菜、お魚もですね」
「何でもバランスよく食べる」
「それが大事なんですね」
「結局のところは」
「そうだよ、それとね」
 さらに言う先生でした。
「身体に悪いこともね」
「止めてですね」
「ある程度でいいんですね」
「それじゃあ」
「これまで通り」
「そう、気をつけてね」 
 ある程度お話してでした、先生はこの日も皆の稽古を見守りました。先生のそれはあくまで管理ではなく。
 ちゃんこ鍋の食材を見てもです、こう言いました。
「いいと思うよ」
「豚肉と鱈にです」
「白菜と大根の葉、ほうれん草にです」
「あとお豆腐です」
「蒟蒻も入れます」
「それとお餅も」
「全部安かったんです」
 スーパーで買ったものです、見れば食材を入れている袋は学園の近くにある八条スーパー本店のものです。
「それを買ってきました」
「基本安いの大量に買ってますんで」
「今日はこれでちゃんこ作ります」
「それで食べます」
「そうなんだね」
 食材については何も言わない先生でした。
「じゃあ沢山食べるんだよ」
「はい、そうします」
「今日はお味噌で味付けします」
「名古屋の八丁味噌使いますんで」
「あれっ、八丁味噌なんだ」
 そのお味噌だと聞いてでした、先生は思わず声をあげました。 
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