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ドリトル先生の名監督

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第九幕その六

「本当にね」
「いい国でもですね」
「目に余るものもあるよ」
「そこはイギリスと同じですね」
 トミーはこうも思いました。
「いいところばかりじゃない」
「どの国でも誰でもどんな場所もね」
「いいところと悪いところがありますね」
「そうだよ、どうしてもね」
「日本もそうなんですね」
「そういうことだよ」
「わかりました、よく」
 残念そうなお顔で応えたトミーでした。
「日本も然りですね」
「うん、それと悪人はね」
「何処でもいますね」
「そう、何処にもね」
「学校の先生やマスコミには悪人が多いのが日本ですね」
「そういうことになるよ」
 こうお話してです、そして。
 先生はトミーにです、こうしたことも言いました。
「今度の練習試合に向けて」
「はい、先生も練習ですね」
「いやいや、僕はしないよ」 
 先生はトミーに笑って応えました。
「お相撲の練習はね」
「スポーツだからですね」
「どうしてもね」 
 それこそというのです。
「それはしないよ」
「監督だけですね」
「そうだよ、褌も着けないよ」
「褌もですか」
「期待してた?」
「お相撲ですから」
 だからという返事でした。
「ひょっとしたらって思ってましたけれど」
「それでなんだ」
「はい、そうなんですね」
「うん、スーツのままだよ」
 いつも通りというのです。
「監督をさせてもらうよ」
「先生のいつもの服装ですね」
「そうなるね」
「じゃあ頑張ってきて下さいね」
「皆に怪我がない様にするよ」
 こうも言った先生でした、そしてです。
 今度はトミーからです、先生に言いました。
「ところでこの前お好み焼き屋さんに行かれましたよね」
「ああ、大阪の」
「はい、休日に行かれて」
「美味しかったよ」 
 そのお好み焼きについてです、先生はトミーに笑顔でお話しました。その美味しさを思い出してそうしたお顔になっているのです。
「これがね」
「そうなんですね」
「焼きそばとたこ焼き、いか焼きも食べてね」
「楽しんでこられたんですね」
「凄くね、モダン焼きもよかったよ」 
 こちらもというのです。
「お好み焼きの中に焼きそばを入れたね」
「あれはびっくりしました」
 モダン焼きについてです、トミーはこう言いました。
「お好み焼きの中にさらにですから」
「入れてね」
「こんなの美味しいのかって」
「思うね、ぱっと見たら」
「ですがそれが美味しくて」
「いいんだよね、それと広島風も食べたよ」
 そちらのお好み焼きもというのです。 
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