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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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304部分:第四十一話 再襲撃その六


第四十一話 再襲撃その六

「手続きをしたのも見たな」
「ええ、それも」
「じゃあ今日はあそこですか」
「ゆっくりと休むことだ」
 またこう彼等に話すのだった。
「今はな。そしてだ」
「そして?」
「やっぱり戦いのことですよね」
「そうだ。戦いは間も無くだ」
 これは間違いなかった。確かに戦いが迫っていることは誰もが感じ取っていた。彼等とて伊達に聖闘士ではない。感じ取らない筈もなかった。
 そうしてそれを感じ取りながら今は街に出る。夕刻であり夕陽が今まさに落ちようとしていた。その中を七人で歩くのであった。
「それで何します?」
「飲むのもいいですけれど」
「いや、飲むのよりもだ」
 だがアルデバランはここで言うのだった。
「映画館に行かないか」
「映画ですか?」
「それですか」
「そうだ。たまにはいいと思うが」
 それを提案するのだった。
「映画をな。どうだ」
「映画ですか」
「そうですねえ」
 まずは青銅の者達がアルデバランの言葉に応えた。
「言葉が問題ですけれど」
「アラビア語わかりにくいですし」
「だよなあ」
 やはりそこが問題であった。彼等はアラビア語があまり得意ではないのだ。だからいざ映画を観るとなるとそのことを戸惑うのであった。
「そこがネックだからな」
「英語の映画ならともかく」
「日本語の映画はどうだ?」
 アルデバランが勧めてきたのはそれであった。
「日本語ならどうだ」
「あれっ、日本語の映画あるんですか!?」
「イラクなのに」
「イラクは親日の国の一つだ」
 アルデバランは今度はこのことを彼等に話すのだった。
「それは知らなかったのか」
「っていうかそうだったんですか」
「イラクが」
 やはり知らなかったのだった。イラクがどの国を好きなのかは。とりあえず隣国であるイランやトルコ、サウジアラビアとはあまり仲がよくなさそうなのは感じていた。
「日本が好きだったなんて」
「意外ですね」
「当の日本はそのことにあまり気付いていないようだがな」
 これはよくあることだった。日本という国の変わったところは何故か自分を好きな国が何処なのか今一つはっきりとわかっていないのである。
「だがこの国が親日なのは事実だ」
「それで日本の映画もやるんですね」
「成程」
「日本語はわかるか」
 そしてあらためてこのことを彼等に問うのであった。
「わかるのならそれを観るが」
「はい、辰巳のおっさんとの付き合いで覚えました」
「話してまあ映画を観る位には」
 わかるようになったというのであった。
「じゃあそれで御願いします」
「日本の映画で」
「わかった。では行こう」
「それでアルデバラン様」
「どういった映画ですか?」
 モーゼスとアルゲティはそのことを尋ねるのだった。
「映画といいましても色々ありますが」
「どういった映画ですか?」
「時代劇だ」
 それだというのである。
 
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