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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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297部分:第四十話 揺れる大地その九


第四十話 揺れる大地その九

「それこそが最も重要なのだ」
「それこそがか」
「あの者達にしかできぬ」
 彼は言った。
「そして御前にな」
「御主はその時にはおらんからか」
「それが運命だ」
 やはりわかっている者の言葉であった。
「それがな」
「左様か。では引き受けた」
「済まない」
「しかし。アルデバランじゃが」
 話はアルデバランに関するものに戻った。また彼等の目が鏡にいく。
「やはり強くなったのう」
「そうだな。だが性格は少し違うな」
「優しくなったようじゃな」
「そうだ。以前も実はそうだったが」
 彼等はこのことを話していくのだった。
「今はそれが表に出ておるのう」
「そこが違う」
 シオンは指摘した。
「そこがな。かなり違ってはいる」
「性格は変わってきておるか」
「全てが同じというわけではない」
 そしてシオンはこうも話すのだった。
「前世からの宿命といってもな」
「そういうことか」
「だが。それでも懐かしいものだ」
 不意にシオンの言葉が温かいものにもなった。
「彼等がいるというのはな」
「そうだな。あの者達が知らぬとはいえ再び揃ったのじゃ」
 男の言葉も微笑んでいるものになっていた。
「善き哉善き哉」
「そうだな。ところでだ」
 ここでシオンは話題を変えてきた。
「感じるものはないか」
「感じるものというと」
「御前は感じないか?何か」
 シオンの言葉がここで何か剣呑なものを感じ取ったようなものになった。そうしてその声でさらに彼に対して告げるのであった。
「何かが出て来ようとしているものが」
「ふむ。何かがか」
「アーレスもまだ出て来ていない」
 シオンはこのことにも言及した。
「必ず姿を現わすと思うがな」
「アーレスは間違いなく出て来る」
 男はアーレスについてははっきりとわかっていた。わかっていない筈もないといった声であった。そしてそれはシオンも感じ取っていた。
「間違いなくな」
「そうだな。だが」
「だが?」
「アーレスにはエリスの他にも側近達がいた」
 この話をしてきたのだった。
「あの争いの女神の他にもな」
「そうじゃったな。四人の神々がおったのう」
「あの者達がまだいないようだが」
「出て来るやも知れぬというのじゃな」
「それについてはどう思うか」
 仮面の下に表情は隠していた。しかしそれでも真剣な声で男に対して問うてきていた。
「これは」
「そうじゃな。あの者達も出て来るじゃろ」
 男はシオンのその言葉に応えて述べたのだった。
「いづれはのう」
「やはりそう思うか」
 シオンもそれを聞いて納得した声で頷いた。
「御前も。そのように」
「出て来ぬ筈がない」
 男はこうも話した。
 
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