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『チロの物語』

作者:零那
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『疑問』



僕は
あの女の子を
待っていた。

眠たいけど
眠らずに
待っていた。

きっとまた
来てくれる。
きっとまた
逢える...。

願いは通じた。
女の子が
あのゴハンを
持ってきた!
逢えた!!

僕は思わず
走った。
女の子の元に。

そして
心の中で
叫び続けた。

ごめんね!
ごめんね!!

女の子の手が
初めて
僕を撫でた。

僕が
恐れない様に
ぎこちなく
優しく触れる。

僕は其の
ぎこちなさに
愛を感じた。

女の子の声
初めて聞いた。
僕に話す。

『お母さん
居らんのやね。
似たもの同士
なんかなぁ...』

女の子は
淋しいのかな?
女の子も
お母さんが
居ないのかな?


 
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