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おぢばにおかえり

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第三十五話 詰所での再会その十二

「おられるわよ」
「そして歴代の大教会長も」
「他にも昔の信者さんのお墓もあるから」
「そうなんですよね」
「そう、それにね」
 私は一杯目のカレーを少しずつ食べながら阿波野君にお話しました。
「あそこはいつも奇麗でしょ」
「よくお掃除されてますね」
「お墓も奇麗にしないとね」
 そう思われてくれる場所です。
「やっぱりね」
「そうですよね、うちも数月に一回お参りしてますよ」
「あら、そうなの」
「はい、そうしてます」
「そのこともいいことね」
「祖父ちゃんが行ってまして」
 それでというのです。
「祖父ちゃんの兄弟全員で」
「数月に一回なのね」
「はい、家のお墓参りも行ってます」
「それもそうそう出来ないわよ」
 また阿波野君に言いました。
「それはね」
「そうですか?」
「ええ、阿波野君のお祖父さん達って立派ね」
 お話を聞いていて尊敬しました。
「いいお祖父さん達持ったわね」
「そう言ってくれます?」
「実際にね」
「そのお祖父ちゃんが長男で」
 阿波野君はお祖父さんのご兄弟の話もしてくれました。
「妹さんが一人、弟さんが二人いまして」
「四人兄弟?」
「いえ、上にお姉さんが二人いまして」
 合わせて六人兄弟とのことです。
「それで一番上のお姉さんがおみちの人なんです」
「あっ、そうなの」
「その人が初代でこの大教会の人の信者さんで」
「阿波野君もなのね」
「はい、その縁でここにいます」
 奥華大教会、そして天理高校にもというのです。
「先輩の前にも」
「私の前にいることもなのね」
「そうなんですよ、いやお引き寄せって凄いですね」
「最後は凄く余計だけれどね」
「まあまあ、じゃあカレー二杯目食べましたら」
 その二杯目を元気に食べはじめています、物凄い食欲なのは育ち盛りの男の子だからでしょうか。私よりずっと背が高いですし。
「お墓地ですね」
「そこにも一緒にですね」
「そうね、ただね」
 ここで私はまた言いました。
「今日は何か阿波野君と一緒ね」
「一緒に神殿行ってひのきしんしてカレー食べてお墓地行って」
「色々ですね、映画村の時と一緒で」
「そういえばあの時と同じね」
「いや、嬉しいです」
 ここまで話して笑顔になる阿波野君でした。
「僕的には」
「何で阿波野君としてはなの?」
 また変なことを言ってきたと思いました。 
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