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暁ラブライブ!アンソロジー【完結】

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恐怖の玉避け合戦 【白犬のトト】

 
前書き
本日は『[ラブライブ!]少年と女神達の物語創世記』と書いている白犬のトトさんです。


はじめまして‼
別サイトにて同名で執筆活動しています白犬のトトといいます!
今回は企画に参加させていただきありがとうございました‼

さて、今回はあらかじめテーマが決まっている状態での執筆でしたが・・・僕のジャンルはギャグ!・・・のつもりだったんですがなんか変な方向にww

それでもがんばって書いたのでよろしければどうぞ!
 

 
「ドッジボールをしよう」

前置きもなく唐突に言うのは今や話題のスクールアイドルμ's(ミューズ)のリーダー、高坂穂乃果。
太陽のような微笑みと無意識のうちに皆を引っ張る天賦の才を持ち合わせた少女。
無意識ゆえに不安定だが確かな光をもつ女の子だそんな彼女の言葉だからこそ何気ない一言でもみんなを大きく動かしてしまう。
今回も今回とてそんな一言で大きく動いてしまいそうなそんな予感・・・。

「全く、何を言い出すかと思えば・・・」

「うんうん、いつも通りの穂乃果ちゃんだね︎」

「ことりは甘すぎます︎」

藍色の長髪の子が溜息を吐き、ベージュの特徴的な髪の子が笑う。
こちらの反応もまたいつも通りの反応だ。

「凛もやりたいにゃー︎」

「わ、私はどっちでも・・・」

「はぁ、メンドクサイ」

ネコ語の元気っ娘が乗っかりメガネをかけた子がひっそりと、赤髪の少し気の強そうな子は面倒な感じに続く。

「ドッジボール・・・いいわね︎」

「えりち、興奮しすぎ」

「全く、子供じゃないのよ?」

続けて金髪のモデル体型の子がのり、紫のおさげの子が苦笑いを浮かべツインテールの少女が続く。
いつもと変わらない日常風景。
彼女たち9人にとってのいわゆるいつもの事と呼ばれるもの。だけど今日に限ってはいつもとどこかちがう流れになっていた。

「でもいきなりドッジボールって何かあったのかにゃ?」

「だって今日はもうμ'sの練習ないでしょ?だったらせっかくだしみんなで遊ぼうと思って!ちょうど運動部も休みでグラウンドも空いてるし!」

「せっかくの休日なんだから体を休めなさいよ」

「ええ〜、いいじゃん!」

面倒臭そうにいうにこにムキになって言う穂乃果。
こうなった穂乃果を止めることなんてできないとはわかっていても止めようとするにこ。
にことしてはせっかくの休みはしっかりと体を休めたいみたいだ。だけど全員じゃないとはいえにこ以外のほとんどの人は・・・

「凛もしたいにゃ︎」

「私も、穂乃果ちゃんが言うならしてみたいかな〜」

「私もいいと思うわよ?軽く外で遊ぶというのも一種のリラックス効果があるもの。中には逆に体を動かしたほうが体が休まるっていう人もいるのよ?」

「さすがえりち、博識やね〜。あ、うちも賛成やで!」

「確かに、体を楽しく動かすことも大事かもしれませんね・・・」

「海未もこういってるし、賛成意見も多いみたいね・・・どうするのかしら、部長さん?」

絵里が少し挑発的な目でにこを見る。そんな絵里に続くように賛成派の人物はみんなにこの方へと視線を向ける。
賛成意見を出してない花陽と真姫も反対する気はないのか特に何も言ってこない。
この状況を見てあきらめたのか溜息を吐くにこ。そして・・・

「わかったわよ。やればいいんでしょやれば!!」

「やった!」

にこの了承も得れてガッツポーズをとる穂乃果。

「でもやるのはいいけど人数どうするのよ」

ドッジボールは二つのグループに分かれて行うものである。そのため偶数でないときれいに分けられないのだがμ`sは9人と綺麗に分けることができない。
一人を審判にするというのもいいがそれだと審判が少しかわいそうだ。
あたりまえの疑問だがこれについても穂乃果は元気よく答える。

「大丈夫だよ!!考えがあるんだ!!」

「他にかだれか誘うの?」

「えへへ、それはね~・・・」









          ☆










「・・・で、僕が呼ばれたということですね」

「うん!だからよろしくね!!」

「まあ・・・いいですけど」

人数を偶数に合わせるために呼ばれたのは高橋春人。
花陽と凛の幼馴染で、そんな彼女たちを裏から支えている人の一人である。

これで人数は十人。
偶数になって綺麗にチーム分けを行うことができる。

「よし、これで人数そろったね!!じゃあさっそく組を分けよう!!」

ドンと音を立てながら穂乃果が箱を机の上に置く。
いつの間にか作ったくじ引きみたいだ。

「この中に1と2が書かれた紙が5枚ずつ入っているからみんな1枚ずつ引いてね!」

その言葉に倣ってみんなが1枚ずつ髪を引きチーム分けが終わる。
結果はこうなった。

Aチーム

希、にこ、真姫、海未、ことり

Bチーム

絵里、穂乃果、花陽、凛、春人

「こんな感じだね!!」

「がんばろ!海未ちゃん!!」

「ええ、ことり」

「ふふふ、勝負よ!希」

「まけへんで?」

「凛ちゃん、春人くん、頑張ろ︎」

「にゃ︎」

「うん!」

「チームはこれでいいとしてルールはどうするのかしら?」

「ルールは私がさっき即席で考えたわ」

にこの質問に対して絵里が一枚の紙を机の上に置く。
そこにはルールが箇条書きで書かれていた。



1,相手チームの投げたボールが自分の体にノーバウンドで当たったらアウトとなり、外野に移動する(ただし顔はセーフとする)

2,人に当たったボールを他の人が地面に着く前に捕球した場合はセーフとする(相手チームが捕球してもセーフとする)

3,内野の人数が先に0になったチームの負けとする

4,人に当たったボールがバウンドせずに同じチームの人に当たった場合は2人ともアウトになる

5,自分にボールが当たり、更にそのボールが相手チームの人に当たって地面に落ちた場合は自分は助かり、相手がアウトになる

6,初期人数は内野4人、外野1人とする

7,衣服も体の一部とする

8,外野から内野への移動方法はなし




「こんなところかしら?何か意見があればちょうだい」

みんなが必死にルール用紙を見る中絵里が声を上げる。
若干の沈黙の後みんなが首を縦の振る。
これでルールも完璧だ。

「ねえねえ、これにさ。負けた方が勝った方になにかおごる賭けしない?」

「お、面白そうやん♪」

「穂乃果、賭け事ですか・・・?」

「ジュース一本とかなんだからいいじゃんそれとも海未ちゃん、勝つ自信ないとか?」

「な、そんなことありません。いいでしょう、ここで穂乃果の財布を軽くして見せます」

「だ、大丈夫なのかな?・・・」

「凛も、手持ち少ないよ?」

「は、はは・・・もしあれだったら僕が代わりに出すよ?」

「そ、そこまでしなくても大丈夫だよ?」

「うん!いくらなんでもそれは悪いにゃ・・・それに、勝てばいいんだにゃ!!」

トントン拍子に決まってしまった賭けの話に心配になる花陽と凛。それをそっとなだめる春人。
この光景ももはや見慣れたものとなってしまった。

「よし決定!!じゃあ早速移動しましょうか」

この言葉にみんなでおーと答えてグラウンドへと移動した。





















グラウンドへと移動した10人の戦士はグラウンドに線を引いてそれぞれのチームに分かれて一列に並ぶ。
まるで試合前の挨拶のようだった。

「さて、それじゃあ始めましょうか」

ボールをバウンドさせながらいう絵里。
先ほどじゃんけんを行い、ボールの所有権はBチームが獲得した。
絵里の合図とともに両方お辞儀。本当にスポーツ団体戦みたいだ。

「じゃあ・・・始めましょうか︎」

いつの間にか乗り気になってにこが声を上げるとともにそろぞれポジションについた。
Aチームはことりが、Bチームは穂乃果が外野になっている。

「さあ、行くわよ︎」

緊張の一投目。
絵里が思いっきり振りかぶって投げる。
元々の運動神経がいいからか放たれたボールはかなりの速さを持って飛んでいき、真姫の横ギリギリを通過していく。

「ちょ、ちょっといきなり本気すぎないかしら!?」

「これが勝負、だからだよ!!」

「ちょっ!?」

なんとか躱した真姫だが外野で受け取った穂乃果がそのまま流れるように真姫に向かってボールを投げる。
気を遣ってなげられた若干遅めのボールは真姫の背中に当たる。
しかし・・・

「いきなり間抜けさらしているんじゃないわよ!」

真姫に当たったボールを素早く捕球するにこ。

「う、うるさいわね!これから挽回するわよ!!」

「じゃあしっかり活躍すること・・・ね!」

そのまま前に走ってセンターラインぎりぎりから花陽に向かって投げる。

「危ない!花陽!!」

「きゃあ」

絵里よりは速くないものの、それでもそこそこ速いそれは、しかし春人が手を引っ張ることでなんとかよける。

「大丈夫?」

「う、うん。ありがと」

「にゃ~にこちゃん、よくもかよちんを狙ったにゃ!!」

「ふん、これは勝負なのよ?安心しなさい、花陽を倒したあとにあんたも春人も倒してあげるわ」

「かよちんだけじゃなくて春君まで・・・凛がまもるにゃ!!勝負にゃ!!似非小悪魔」

「誰が似非小悪魔よ!!この毒凛語!!」

「にゃ言ったにゃ!!ネットでしか言われなかったことを言っちゃったにゃ!!」

((ネットでは言われてたんだ・・・))

幼馴染の心の突込みなんかつゆ知らず挑発に乗る凛。しかしこれは相手に隙を見せる行為。

「凛ちゃん、今はこっちを見てね?」

「凛ちゃん︎」

凛の後ろにことりから投げられるボール。
そのまま行けば当たるところ・・・だが

「平気にゃ︎」

半歩横にずれてボールを見ずに躱し、そのボールをなんととらずに回し蹴りを叩き込みボールを加速させる。
本来ならここで凛はアウト。だかここで相手チームに直撃すればセーフになり、相手がアウト。が凛が蹴ったボールはにこのいない方へ・・・

「どこ狙って・・・」

しかしその先には希が。

「な、なんでうちなん」

超豪速球が希の方へ。
希に当たるまでわずか。

(強・・・!速・・・避・・・無理!!じゃあ止・・・否・・・死!!)

「スピリチュアルウォール、にこっち!!」

「・・・へ?」

慌ててにこの腕を引っ張って自分の前へ。
いきなりのことに反応できなかったにこは引っ張られる。そして・・・

「ごふぉ」

とてもアイドルの口から出ていいものではない悲鳴をあげながら顔をのけぞらせるにこ。
希によって移動させられたにこの顔面にきれいに直撃した。

「これがうちの能力、桃色の賢人(ピンキーノンタン)・・・」

「ど、どこの漫画よ・・・」

「あ、にこっち!無事でよかった」

「ぬわぁにがよ!!白々しい!!」

「大丈夫や、顔面はセーフやで?」

「アイドルとしてはアウトよ」

「二人とも話してる暇はないにゃ!!」

顔に当たった反動でボールが凛のもとへ。それを拾い上げすぐさま投げる。
すぐに投げることを意識したためかさっきよりも全然遅いが、話して気の抜けているにこを落とすには十分の威力。
そんな球がニコの方に迫っていくが・・・

「まあまあにこっち。うちを助けてくれてありがとな。次はうちが行くばんや!!」

今度はにこの前に立ってボールを受け止める。

「にゃ!?」

「まあこれくらいは取れるやん?ほな・・・いくで!」

希が思いっきり振りかぶってボールを投げ・・・ようとして動きが止まる。
その動きが理解できずに花陽、春人、凛の動きが止まる。
絵里は嫌な予感を感じて後ろに下がる。
みんなが希に注目している中希は空中に指を向けて・・・

「あ!あそこにUFO!!」

『・・・は?』

「え?どこにゃどこにゃ!?」

みんなが素っ頓狂な言葉を発している中ただ一人、リンだけっ必死に空中を見上げる。そんな凛に・・・

「ほい」

「あ・・・」

4割くらいの力で投げられたボールは凛の背中に直撃しコロコロ転がって希の元へ戻っていく。

「はい、凛ちゃんアウト!」

「にゃ!?」

「凛、さんすがにあれは・・・」

「凛ちゃん、単純すぎ・・・」

「い、言わないでにゃ!!///」

子供だましに引っかかった凛が恥ずかしがりながら外に出ていく。

「さあ、次もまだまだいくで!!」

間髪入れずに今度は花陽に向かってボールをなげる。

「花陽!」

花陽をかばうように前に出る春人。が、その二人をさらに守るように前に絵里が出る。

「エリチカブロック!!」

「・・・きたんやね、えりち」

「私を除いて一人で楽しまないでよね?あなたと戦うためにほのかに穂乃果お願いしてここにいさせてもらってるのだから」

「うちだって最初からえりちと一騎打ちするつもりやで?・・・ほないくで︎」

希が本気でボールを投げる。
凛の全力と比べると少し遅いそれ。絵里の運動神経と動体視力なら余裕で受け止められる・・・はずだった。

「!?」

腕に入った瞬間想像以上の重量感に思わず膝をつきかける。

「相変わらず、力の使い方がうまいわね・・・」

「うちみたいな非力な子でも投げ方次第で重くできるんよ?ちょっと重心を移動したりすれば、ね?」

「それはただ単に希ちゃんたいj「凛ちゃん?・・・後で」ごめんなさいにゃ︎」

「凛に圧力かけるのもいいけど私を忘れないでよ︎」

「おっと︎

光に速さで土下座する凛を差し置いて態勢を立て直した絵里が反撃に出る。
希のそれに比べて重さはないものの明らかに速いボールをなんとか希は避ける。が・・・

「ちょ、ちょっと︎きゃあ︎」

「真姫︎」

後ろに控えていた真姫に直撃しボールが跳ねる。
最初と同じようにフォローするべくにこが走る・・・がギリギリ届かず外野に飛んでいき、そこで待っていた穂乃果が捕球。そのままのにこに向かって投げる。

「バイバイ、にこちゃん︎」

「くっ︎」

あまり力が込められてはなかったがあまりにも近かったためこれも直撃。
海未がフォローするべく移動するけど間に合わずに地面に落ちる。

「すいません、間に合いませんでした・・・」

「いいのよ。あんたたちが残ってくれればね」

「・・・私なにもしてないんだけど」

「UFOに騙されてリタイヤよりマシでしょ?」

「それもそうね」

「り、凛を見るにゃ︎///」

そっと溜息を吐きながら内野から出て行くにこと真姫。

「これで3対2。私たちの方が有利ね」

「そうやね・・・でも、まだまだやで︎それにうちらの決着はまだついとらんよ?」

「そうね、だから・・・決めるわよ︎」

「もちやん︎」

希が思いっきり振りかぶって重い一発を投げる。
対してスピード重視の絵里。
μ'sでもトップクラスに動ける二人のデットヒート。
お互い危なっかしいところはあるけどそれでも決して捕球ミスはしない。が、そんな状況も長くは続かない。
先に限界がきたのは意外にも絵里の方だった。
受け止めるボールが重いせいで思った以上に体力が持っていかれる。だがもちろんそんなことを表情には出さない。
少したたらを踏みそうになったが我慢する絵里。

(このままじゃあ押し負けるわね・・・仕方ないわ)

ボールを持ったまま前に走り線ギリギリに立つ。そして目線は希はではなく海未の方へ。
いきなり視線を向けられた海未は反射的に身構える。
一方の希は自分との戦いをなげられたと思い、無理矢理戦ってもらうために前に出る。が、これこそが絵里の狙いであり・・・

「ごめんなさいね?」

「な」

視線は海未に向けたままボールを希の方に投げる。

(これぞ秘技、ノールック投方チカ!!)

予想だにしないボールの動きをみきることがで来ずに希の足にあたる。

「やった♪希討ち取ったりなんてね」

「あちゃ~、やられてもうた・・・ごめんな~海未ちゃん」

「いえいえ、構いませんよ?・・・お疲れ様です」

「・・・海未ちゃん?」

内野一人になってしまったのにやけに落ち着いている海未に希は若干の疑問を抱きながらも外野へ。

「さあ、後は海未だけね」

「うう、怖かったけど・・・なにもなくてよかった・・・」

「最初は危なかったけどね・・・」

残り一人と言うことになって士気が上がるBチーム。

「さあ、さっさと勝負を決めて・・・」

しかし、あとの言葉が続かなかった。なぜなら・・・

「余韻に浸るのもいいですが、まだ私を忘れていませんよね?」

海未がいつの間にか腕を振り抜いており、同時に絵里の体が横に倒れていった・・・

「絢瀬先輩」

慌ててかけより介抱する。が気を失っているのかぐったりしている。

「大丈夫です、手加減はしてますから・・・」

((手加減ってなにこれドッジボールだよね))

絵里を外野の穂乃果に渡し、内野へと戻っていく。が・・・

(は、春人くん・・・怖い・・・)

(ぼ、僕も・・・)

目の前で異様なオーラを放っている海未。
ここで春人がふと気になって周りを見渡す。

(ボールはどこに?)

軽く見渡したけど見つからない。
どこに投げたのか気になって探すと遠くから声が聞こえる。

「ふえぇぇぇん、海未ちゃん投げすぎだよ~~~」

遠くの方からボールを持て走ってくることり。

(あの一瞬で絵里ちゃんに掠ってそこまでトンジャッタノォ!?)

(っていうか一瞬で飛んで行ったはずなのにそれを取りに行ける南先輩もすごい・・・)

ものすごくやばい雰囲気を放っている海未と地味にすごいことりにおののきながらも二人とも構える。

「花陽、頑張れる?」

「わ、わかんない・・・でも、春人くんが頑張るなら私も頑張る」

「・・・うん!」

花陽をかばうように前に出る春人。

「・・・いいでしょう。まずは春人、あなたから倒します!!」

「ぐっ」

手に汗を握りながら腰を少し落として構え、花陽の手をぎゅっと握る。

「行きます!!」

流れるようにゆっくりと動き、ボールを投げつけてくる。と思いきや斜めに投擲。その先には希。
予想外の行動にワンテンポ遅れてしまう春人。
彼の右側ではすでに投げるモーションに入っている希。
これに反射的に嫌な予感を感じた春人がこれをしゃがんで回避。
よけられたボールは向かい側にいることりが捕球。そこから流れるように真姫、にことボールが回されていく。
流石今までμ`sとして活動してきただけありかなりのコンビネーション。
動きに追いつけてないと判断したにこが春人と花陽の繋がれた手を狙って投げてくる。

(二人同時アウトで負けるのは駄目だ)

(手を離さなきゃやられちゃう)

すぐに判断した二人は手を離し、間を通り抜けて行く。しかしこれこそがにこの狙い。
ボールが飛んだ先には鬼、海未がいた。
捕球した海未はそのまますぐに投げるモーションへ移行。音を置き去る高速のボールが花陽に向けられてなげれられる。
自分に向けられたと気付いた時にはもう遅く、花陽はただただ目を瞑るだけ。だが彼女にボールが当たった衝撃は一切なく・・・
恐る恐る目を開けるとそこには・・・

「・・・かはっ」

「・・・は、春人、くん?」

前に仁王立ちしてボールを受け止めていた。
身を挺して守った春人。が、強すぎる衝撃に耐えられずゆっくりと倒れて・・・

「春人くん︎なんで︎」

※ドッジボールです。

「花陽を・・・あの凶弾から・・・まもり、たかった・・・」

※ドッジボールです。

「な、なんで・・・自分の命より、私を・・・」

※ドッジボー(ry

「花陽なら、勝て、る・・・から・・・」

そのままぐったりとする春人。

「は、春人・・・くん・・・」

返事がな。ただの◯のようだ。

「・・・春人くんの分も、私頑張るから・・・︎」

スクっと立ち上がる花陽。
春人が受けた時、アウトになりながらも相手のコートに行かないようにして守ったボールをそっと拾い、センターラインへ。

(私一人じゃ勝てない・・・だから︎)

「凛ちゃん、穂乃果ちゃん、力を貸して︎」

「もちろんだにゃ︎」

「うん︎頑張るよ︎」

「わたしも・・・忘れないでよね・・・・」

「「「絵里ちゃん︎」」」

ふらふらになりながらも立ち上がる絵里。
かすっただけなのにどんな威力なんだと突っ込んではいけない。

「最上級なのにこのまま寝るわけにはいかないわ・・・さあ、行くわよ花陽︎春人の弔い合戦よ︎」

「うん︎」

頷いて近くの凛に投げる花陽。
そのまま穂乃果、絵里と続けて投げられるが・・・

「確かに早いパスですがまだ目で追えますよ︎」

たまに追いつけてない時があるもののしっかりと追ってくる。
体力にも自信があり、足の動かし方も心得ているため流れるようについてくる。

穂乃果、凛、絵里と言うμ'sでもトップクラスの運動神経を持っている3人だが、もともと避ける方が楽なドッジボールと言う競技と絵里が本気で動けないという理由からなかなか捕まえられない。
さらに花陽たちのミスでたまに出る甘いボールに海未も手を出し始めた。

(このままじゃあいつか取られちゃう・・・)

どこかで何かしらの変化を加えないと動きを読まれてしまう。

(なにか・・・ないかな?)

絵里にボールを出しながら考える花陽。
一方の海未は大分余裕を持っていた。

(これくらいなら自分の思い通りに動けるかもしれないですね)

人数が4人しかいないと言うのもかなり楽なところ。
とんだ方向で誰が次にボールを持つか予想しやすい。
花陽から受け取った凛が海未からみて左に投げる。

(この方向は穂乃果ですね)

ボールを追いかけるより次に受けとる人を予想して目線を動かせば楽に追える。
そう思いボールを見ずに穂乃果を見る。
本来なら正解だが、ここで予想外のことが起きる。

(・・・穂乃果がボールを持ってない)

ボールを投げられた先には穂乃果しかいないはずなのに穂乃果がボールを受け取ってないことに驚きを隠せない。
慌てて視線を絵里に戻すとそこにはもう一人の影が。

「そろそろ、混ぜてくださいよ」

「春人くん」

「春くん」

ダウンしていたはずの春人が戦線復帰をしていた。
どうしてと言う意味を込めて春人を見た花陽と凛に対して、真姫を見る。
その先には頬を少し染めてそっぽを向いてる真姫。彼女が介抱したらしい。

(ありがとう、西木野さん)

心の中でお礼を言って前を向く春人。
海未がついてこれてない間にボールを穂乃果にパスし、続けて凛へ。

(もうちょっとだけどこのままじゃあ駄目にゃ!)

それでも辛うじてついてくる海未を見てなにか工夫しないとダメと判断した凛は穂乃果から来たボールを受け取らず、殴って直接花陽の方へ飛ばそうとする。

それに気づいた海未はすぐに視線を花陽へと向けるがそこにはボールがない。

(そんな確かに凛はボールを右拳の裏で弾いたはず・・・まさか)

慌てて凛の方を見ると凛は腕を振り上げてる状態で止まっていた。

(ボールを弾いた瞬間飛んでいく前に捕球して上に投げたと言うのですか)

すぐに上を見上げるがもうボールは見えない。
後ろにあると判断した海未は慌てて後ろを向くとその先には海未からみて左側に腕を伸ばした春人がいた。

(まずいこの先にいるのは確か絵里)

この状況で投げられたらきついと思いすぐにからだの向きを変える。が・・・

(ボールがない確かに春人の腕はこっちに・・・)

そこで海未は自分がみたのが腕が伸びたところだけだと気付く。

(春人は恐らく私から見て右に投げてから左にてを伸ばしたなら今ボールは・・・)

「行け!!花陽!!」

「行くにゃ!!かよちん!!」

「」

慌てて後ろを振り向く海未。しかしその時にはすでに遅く、自分の膝付近にすでに花陽によって投げられたボールが迫っており・・・















「はぁ~・・・、希の奢りのアイスはおっいしっいな~♪」

「む~、次はうちが勝つからね」

「えへへ~、海未ちゃんありがと♪」

「負けたから仕方なくです。これ食べたらまたダイエットですよ?」

「まあまあ、海未ちゃん落ち着いて・・・花陽ちゃんはどう?」

「お、おいしいです・・・でも、なんか申し訳なくて・・・」

「これくらい別に気にしなくてもいいのよ。ちょっとは凛位大胆になってみたら?」

「にゃ~♪真姫ちゃんの奢りのアイスはおいしいにゃ!!」

「そうよ花陽。今日はあんたがMVPなんだから。春人も、このにこにーからの奢りのなんだからちゃんと味わいなさい」

「は、はい。ありがとうございます」

ドッジボールが終わって帰り道。
約束通りアイスを買って食べながらの帰り道。
各々がお喋りしながら楽しく帰っていた。
今日の思い出を話すもの、お互いをいじるもの、静かに笑いあうもの、それぞれが自由に話していた。
今回の試合のMVPもまたおなじく。

「花陽、お疲れ様」

「あ、うん。お疲れ様、春人くん」

塊の一番後ろを歩く二人はゆっくりと言葉をかわす。

「今日はよく勝てたね」

「うん。これも凛ちゃんや春人くんたちが一緒だったからだよ」

「凛は変なやられ方だったけどね」

「もう、それいったら凛ちゃん怒っちゃうよ?」

「はは、そうだね」

二人の足並みがぴったり揃う。
歩幅は全く違うのにお互いを深く理解しているからできること。
その距離が心地よく、二人とも落ち着いてあるいていく。
そんな時、花陽がポツリと。

「今日は・・・庇ってくれてありがとう」

「?」

「その・・・春人くん、かっこよかったよ?」

「あ、うん・・・あ、ありがと」

頬が仄かに染まる二人。
果たしてこれは夕日のせいか否か。

「あのときの春人くん、これからも守ってくれる?」

『春くん!!かよちん!!早くこっち来るにゃ!!』

「え?」

遠くから聞こえるもう一人の幼馴染みの声。
それなよって花陽の声はかきけされる。

「花陽、今なんて・・・」

「ううん、なんでもないの」

「そっか・・・じゃあいこう」

そういい先に行く春人。

「春人くん!!」

「なに?」




チュッ



「・・・え?」

「さ、早くいこ♪」

呆然とする春人を置いて、天使は微笑みながら先をを歩いていった・・・

 
 

 
後書き
いかがでしたでしょうか?
ギャグとイチャイチャの中間になってしまったww

さて、残り人数も少なくなってきてまいりました。
まだまだ素敵な作品が出てくると思うので後日もお楽しみに‼(ハードルあげ)

という事で次の人にバトンタッチです!! 
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