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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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236部分:第三十三話 白薔薇その二


第三十三話 白薔薇その二

「さあ、どうだジェミニよ」
 まず言うのはセーバーだった。
「これだけの攻撃を受け。倒せるか!」
「そうだ、我等のこの攻撃を受けてだ」
「無事ではいられないな!」
 彼等は自分達の渾身の攻撃を放ち終えそのうえで会心の笑みを浮かべていた。その攻撃によりサガは倒れたと確信していたのだ。
 だからこそそれぞれ着地し勝利の笑みを浮かべているのだ。しかしであった。彼等が着地したその場所はこれまでの氷の世界ではなかった。
「何っ!?」
「ここは」
「銀河か!?」
「どうやら私の放った技には気付かなかったようだな」
 そしてその衝撃の中からサガの声がしてきた。
「自分達の攻撃に夢中でな」
「何だとっ!?」
 セーバーが今の言葉に眉を動かした。
「馬鹿な、何時の間に!?」
「我等が気付かないうちにだと!?」
「私は既に技を放っていた」
 彼は言うのだった。
「御前達が動くその前にな」
「くっ、もう既ににか」
「技を放っているというのか」
「それに気付かないのは迂闊だったな」
 次第にサガの姿が見えてくる。彼は確かに四人の渾身の攻撃を受けた。しかしそれでもであった。何とその彼の姿は。
「な、何ィ!?」
「無傷だというのか!」
 それは確かにその通りだった。何と彼は傷一つ受けてはいなかった。黄金聖衣も傷一つなくマントまで無事だった。何一つ傷付いてはいなかった。
「我等の攻撃をあれだけ受けて」
「傷一つ負っていないのか」
「他の者ならいざ知らずこのサガを倒そうと思えば」 
 彼は目を閉じその顔で告げるのだった。
「銀河を破壊せんとすることだな」
「おのれ、何という男だ」
「ならば。再び我等の渾身の攻撃で」
「それで今度こそ倒してやろうぞ」
 彼等はその無傷のサガを見ても戦意を衰えさせなかった。そして今また技を放とうとする。しかしそれはできなかった。
「むっ!?」
「なっ、身体が」
「動かないだと!?」
「一つ言っておくがこの銀河はジェミニが導く世界」
 サガは銀河の中で語る。紫に限りなく近い美しい漆黒の世界の中に星雲が瞬き星達が輝いている。そして太陽が輝き星が壊れていく。流星が漂うその美しくも恐ろしい世界の中で彼は言うのだった。
「アナザーディメションで導かれる世界だ」
「アナザーディメションだと!?」
「では我々はまた」
「そうだ。ここは私の操る世界」
 彼はまた言うのだった。
「その動きを封じることはできはしないが鈍らせることはできるのだ」
「くっ、何ということを」
「ジェミニのサガ、我等を出し抜くなどとは」
 彼等は己の動きが鈍くなっていることに歯噛みした。しかしやはりそれでも彼等は戦意を衰えさせずそれならばとそれぞれの小宇宙を燃え上がらせるのだった。
「しかし。闘いはだ」
「これで終わりではないのだ」
 その燃え上がる赤く禍々しい小宇宙でサガの術を解き放ちそのうえでまた攻撃を仕掛けんとする。
「行くぞ、これで」
「今度こそ貴様を倒す」
「私の術を受けてなおそれを剥がし闘おうとするその意気」
 サガはまずそれを見ていた。
「それはよし」
「ぬかせ。それで終わりではない!」
「今度はだ!」
「それではだ」
 四人が声をあげる中でだった。
 サガはその両手をゆっくりと己の胸の前で交差させてきた。そして。
「このジェミニのサガ最大の技をまた」
「むっ!?それは」
「その技は」
「受けてみるがいい」
 凄まじい小宇宙が起こりそして。交差させた両手を上に掲げて叫ぶのだった。
 
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