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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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226部分:第三十一話 武漢にてその三


第三十一話 武漢にてその三

「狂闘士の中でもかなりの小宇宙の持ち主」
「だとするとやはり」
「そうだ。その通りだ」
 その氷の上から声がした。すると凍りついた湖の上にその男がいた。禍々しい赤い鎧に身を包んだ彼がそこにいるのだった。
「私が凍らせた。この湖はな」
「まさか貴様は」
「間違いない、この凄まじいまでの小宇宙は」
 聖闘士はその桁外れの小宇宙からわかったのだった。今目の前に姿を現わしたその禍々しい小宇宙を放つその男が誰か。わかったのだ。
「狂闘士の中でも頂点に立つ」
「八大公か」
「如何にも」
 彼は冷徹なまでに落ち着いた声で聖闘士達に告げた。
「我が名はアスタロト」
「アスタロト・・・・・・やはりな」
「八大公の一人である」
「アスタロトのミシェイル。それが私の名だ」
 この名を自ら名乗るのだった。
「私のな。アスタロトのミシェイルだ」
「貴様がここに一人で来たのか」
「我等の相手を一人でするつもりか」
「残念だがそのつもりはない」
 彼等はそれも否定するのだった。
「私の相手はピスケス」
「私ですか」
「そうだ、貴様だ」
 今度はアフロディーテを見据えての言葉だった。鋭くかつ冷たい氷の如き目で。
「貴様を倒すことが私の役目だからな」
「そうですか。それでは」
「しかしだ。私だけではない」
 ここでミシェイルの言葉の調子が変わってきた。
「私だけではない。それも言っておく」
「といいますとやはり」
「そうだ、出て来るのだ」
 ミシェイルは湖の真ん中から呼び掛けた。
「我が同志達よ、ここに」
「はっ、ミシェイル様!」
「ここに!」
 ミシェイルの言葉に応え一斉に姿を現わすのだった。インプ達が既に湖を、そして聖闘士達を完全に取り囲みそのうえで構えを取っていた。
「仲間達の仇、ここで」
「取らせて頂きます」
「御前達はピスケス以外の聖闘士の相手をするのだ」 
 ミシェイルは彼等にはこう命じた。
「よいな。他の者のだ」
「はい、わかりました」
「それでは」
 彼等もその言葉を受けて頷く。そしてそれに静かに頷き動きだしてきていた。
「来たな」
「へっ、雑兵が俺達の相手かよ」
 青銅の面々はまずは自分達の相手を見て声をあげた。
「まあ相手の質じゃなくて数を考えたらな」
「それでいいか」
「それではアフロディーテ様」
「雑兵達は我等が」
 ミスティトアルゴルもその動きだしたインプ達を見てアフロディーテに対して告げてきた。
「アフロディーテ様はアスタロトに専念して下さい」
「ここは我等にお任せ下さい」
「それでは。頼みました」
 アフロディーテもまた彼等の言葉を受けて頷くのだった。
「私は彼等の相手をしますので」
「彼等!?」
「ではまさかまだ狂闘士達がここに」
「そうです。ここに来ています」
 彼はそれも既に察しているのだった。
 
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