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Liber incendio Vulgate

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Edizione straordinaria
  Prick

 
前書き
加筆しました。

中途半端に終わってますけど。

それに意味不明な部分も多いかと思われます。
φ(・ω・ ) 

 
勝哉達【STUDENT】の五人は全員が無事に【TEACHER(ティーチャー)】の研究所に辿り着いた。


「いやー本当に久し振りだね勝哉君。何年ぶりだろう。『室長』は元気してるかい?」

「僕も何年も会ってませんよ」


野口勝哉(やぐちしょうや)》は【TEACHER(ティーチャー)】のリーダーを勤める《群雲咎目(むらくもとがめ)》がとある若い科学者の下で働いていた時からの知り合いである。


「注文の品は作っておいたけどJAIM鉱石が使われた武器なんか何に使うんだい?」

「もちろん戦闘ですよ。その為にわざわざ最深学区まで受け取りに来たんですからね」


ちなみに他のメンバーは既に研究所を出ている。恐らく《池野操作》以外は【最深学区】から出て【腐敗区】に在る【STUDENT】のアジトへ向かっているだろう。


「ところで聞いておきたいんだけど、あの《真咲(しんさき) (しょう)》という子は勝哉君の仲間だったりするのかい?」


影縫子規(かげぬいしき)》が連れてきた人物に咎は何処かあの時に【目的区】で行われていた計画(・・)で見た少年の面影を感じていた。

当時の『室長』が注目していた
実験体の一人に通じる何かを。


「僕はその実験が何の実験なのか見当がつかないんですけど……。そもそも彼はよく危ない橋を渡るような研究をしてましたしね」

「ハハッ、確かにな。室長はそういう人だった。まったく今頃は何処で何をしてるのやら」


二人が知る『彼』ならば心配するだけ無駄なことではあるが、またおかしな実験をされると影響を受けることがあるので出来ればその動向を把握しておきたい。


「話は変わるけど今度、勝哉君の仲間の能力データを採らせてもらえないかな? 【数字切換(ポイントシフト)】の開発に活かしたいんだよ」

「そのデータをSTUDENTの方にも回してもらえるのなら別に協力しても構いませんよ? 僕からみんなに頼んでみますから」

「どうしても要るというわけではないよ。無理なら別に構わない。迷惑を掛けるわけにはいかないからね」


絶対能力者(レベル6)】の数字切換は開発者としては非常に興味があるのだが、いざとなれば自分の力だけで作れば良いだけのこと。


「それじゃあそろそろ行きます」

「また何時でも来てくれ」


勝哉はTEACHERの研究所を後にする。


「咎目さんと戦ってデータを取ってもらっても構わなかったんだけどな……。まあ別に何時でも良いか。今はこっちの考えている計画が最優先だ」


来たるべき《的場聖持(まとばせいじ)》との決戦に備えて打てる手は全て打っておかねばならない。

その点で言えば今回の出来事で《騎城優斗(きじょうゆうと)》と影縫子規の進化は僥倖(ぎょうこう)だった。それに面白いものにも出逢えることが出来た。


「真咲証。空圧気砲(エアーガン)か……」


彼には何処か《的場聖持(まとばせいじ)》と同じく底知れない未知の可能性を感じる。

願わくばまた何時か彼と
出逢うことがあらんことを。


「まあそれが敵味方に別れるということもあるんだろうけどね。それはそれで面白そうだ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


野口勝哉(やぐちしょうや)》は《群雲咎目(むらくもとがめ)》の研究実験施設を出ると、受け取った二挺(にちょう)の銃と二本のナイフを量子化して別空間に仕舞い込んだ。

そして更に最深学区の奥底へと突き進む。

すると厳重にバリアやシールドが張られ、堅牢な防御壁に囲われた内部にポツンと立つ小さな建物が見える。

公衆トイレくらいの大きさになるだろうか。

壁の内外には屈強な警備が立ち並ぶ。

その近くには《池野操作(いけのそうさく)》も居り、こちらに気付いたようで視線を向けてくる。


(此処が【第0学区】の存在する【不夜明業界(ノクタルシア)】でも最下層なのか。守っている【処理者】の平均的なレベルもかなり高い)


警察レベルの最高警備というより軍隊レベルの拠点防衛を行っている。それも最深学区の基準でだ。

第0学区の中でも余程腕が立つ実力者でないと彼等を倒して先へ抜けるのは難しいだろう。


「まあいちいち戦わずに済むよう
手を打っておいたんだけど」


勝哉は操作を連れて警備の処理者達にある者を見せる。それを見た彼等はあっさりと道を開けてくれた。


「勝哉君。なんだいそれ?」

「最深学区の【管理者(ボス)】から出してもらった【封絶葬殺界(ケーラウェルト)】への通行許可証だよ。以外と簡単に許可を取れたから拍子抜けだ」


二人はバリアを抜けて防御壁の門を潜ると小さな建物に有る扉の前へと辿り着く。

そこにはカードを置く場所が見える。


「さて操作君。【暗黒魔京(ディストピア)】への【許可証(シニラ)】は持ったかい? 此処から先は『地獄の底』とまで言われた最深学区を遥かに凌ぐから」

「地獄の底を抜く、か。それは面白いね。俄然(がぜん)、【封絶葬殺界(ケーラウェルト)】への興味が湧いてきたよ」


二人は小さな建物の中に入った。

すると階段とエスカレーターが存在している。


「僕は初めてあの世界へ行く人間の場合、階段で降りるのをお勧めするよ。一番下に行く前に消えてしまうかもしれないからね」

「勝哉君がそこまで言うとは珍しい」

「暗黒魔京は勿論なんだけど、あの街が在る封絶葬殺界自体が僕から見てもおかしいんだ」


池野操作は勝哉の意見を聞き入れて
階段を使って下まで降りることにした。

そして一段目を踏もうと足を出してから
何故《野口勝哉》が注意したのかに気付く。


「ははっ、凄いだろう? 僕も初めての時は焦らされたものだよ。物理的な負荷を掛けられているわけじゃないんだけど嫌な感じだよね」


勝哉自身は【暗黒魔京(ディストピア)】の前まで行ったことが有るし、封絶葬殺界にもそれなりの回数来ている。だから既にこの状態に慣れてしまっているのだ。

対する操作は階段に向かって半歩先へ進んだだけで運動したように汗を流していた。

彼は思わず足を出したことを後悔し、一段目に置かれた足は僅かに震え、本能が拒絶する。


「どうする? まだ進むかい?」

「当然さ。その為に来たんだから」


そして二人は時間を掛けてゆっくりと地獄の底へ向かって降りて行く。その途中で操作も体が順応してきたようで、足取りは普通になってきた。


「此処だ。此処が第0学区の最下層。その最奥に在る地獄の底の底。そしてあれが地獄の底を抜ける為の道」


勝哉と操作は建物の一番下の階に有る
一番奥の大きな部屋へと到着する。

そこには何かの装置が設置されていた。


「あれは【奈落逝送境(ディープボーダー)】という装置でね。不夜明業界(ノクタルシア)と封絶葬殺界を往き来する為に建造されたんだ。まあ【第0学区】の住人が使うことは皆無らしいけど」

「なんだか不穏な気配が漂ってるね」

「此処へ来るまでに普通の状態に戻れた操作君ならきっと大丈夫だと思うよ。あれの先へ行ったとしても簡単に死ぬことは無いと思う」


勝哉によると、【封絶葬殺界(ケーラウェルト)】は因果や事象、法則などが歪んでおり、一定水準以下の力しか無い者は立ち入った瞬間から衰弱し、酷いと消滅してしまうのだそうだ。


「その為にこの建物で向こうに入っても少しは生きていられるかどうかが試される。階段を降りていた時に感じた不可思議な負荷や拒否感がそうだ。あれは自分の存在が危険な状態に陥っていることを知らせる為のもの」


階段を降りる途中でも普通に死ぬことが有るので駄目そうなら引き返すことが推奨されている。


「一体この装置の先に在る【封絶葬殺界(ケーラウェルト)】はどんな場所だって言うんだ。そして其処で最も危険とされる暗黒魔京(ディストピア)は……」


二人は続けて【奈落逝送境(ディープボーダー)】の上に乗り、地獄の底を抜けるように転移していった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


転移する最中には階段で降りている時より遥かに早く甚大な負荷が掛かり存在を試すかのように増していく。


「く…何だこれは。さっきまで居た場所よりもずっとキツいじゃないか。よく平気な顔で居られるね勝哉君は……」

「まあ最初に来た時は驚いけどね。そうこうしている間に到着するよ操作君。世界の深遠へ」


野口勝哉と池野操作の二人は【暗黒魔京(ディストピア)】から数百㎞ほど離れた転移装置へ現れる。そして圧倒的な空気をその身に受けた。


「此処が……そうなのか?」

「そう…【封絶葬殺界(ケーラウェルト)】だ」


池野操作(いけのそうさく)》は存在を維持出来ている。

どうやら世界からの洗礼は
無事に通過できたようだ。

それでも忌避感を拭い切ることは出来ない何かを一身に浴びているのが解る。


(油断したら持っていかれそうだな。今の僕では馴染むまでは全力戦闘は出来そうにない)

「さて、暗黒魔京まで走るか。操作君もその方が良いだろう。また増加した負荷に耐えないといけないし」


絶対能力者レベル6の彼等にとって数百㎞走ることなど造作も無いが、暗黒魔京へ近付く度に存在消滅の確率が高まり、修正力や抑止力による死亡率が増える。

更には様々な因果が収束していくので物理的にどんな事象が起こったとしても不思議ではない。


「信じられない程のAIM拡散力場に満ちているな。最深学区の空気中に有る物質がAIM拡散力場だとしたら、封絶葬殺界は大気がAIM拡散力場そのものみたいだ」


操作はこんなAIM拡散力場を感じたことは無い。

一体どれだけの能力者が居ればこれほどAIM拡散力場が濃くなり、その中の何割が自分達と同じ絶対能力者であるレベル6に届き得るのか。


暗黒魔京(ディストピア)の外にも光速を超えてくる連中が居るし、【聖人】や超能力者レベル5の【PHASE - NEXT】を使いこなす天才も沢山居る。そんなイカした世界なのさ、この【封絶葬殺界(ケーラウェルト)】というところは」


彼等は襲ってくる住人を倒しながら暗黒魔京の周りに敷設された防衛線である【景衛地(ガーダー)】までやって来た。

この辺りになると一般の住人は少なく専門の軍人みたいな格好をした人間が大半を占める。


「彼等が最深学区に行けば引く手数多だろうね。あれだけの力を放っておくことは無い」

「さっきまで戦っていた住人が聖人クラスだとしたら、この人達はその数万倍は強いな」


勝哉の言葉に操作も納得した。


「さあ見えてきたよ」


黒い壁が街を囲んでいる。あれは【夜影障壁(ヴァノワール)】と言い暗黒魔京(ディストピア)を覆い尽くす防御壁であり、絶対能力者や魔神でも破壊出来ない。

操作の感じる負荷と拒否感はかなりましになっていたがそれでも暗黒魔京へ近付くにつれて厳しくなっていくので足し引きゼロと言った感じである。


「あの街で住んでる人を尊敬するよ……」


そうして二人は困難を乗り越え、遂に暗黒魔京へ入る為の【堕洛門(ギャバン)】まで達することが出来た。


「おや? 確か前にも来た《野口勝哉(やぐちしょうや)》君だったかな。今日はお友達も連れてきたんだね。どうやら初めて暗黒魔京に入ることが出来そうだ」


勝哉は堕洛門の門番をしている男に【許可証(シニラ)】を見せてから操作と共に門を潜る。


「勝哉君、今の人は誰? 隠してはいるけど尋常じゃないよねあれは。多分【STUDENT】メンバーの大半は勝てない強さだと思うんだけど」

「《グラン・アークボルト》って言うんだ。
堕洛門の門番をしている一人さ」


こうして二人は初めて暗黒魔京へ入ることが叶い、住人達の凄まじい平均的レベルの高さを知ることとなった。 
 

 
後書き
咎目さんの上司はまだ出番が来てません。

取り敢えずこの話はここまでです。

また思い付いたら書くかもしれません。 
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