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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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216部分:第二十九話 アフロディーテの闘志その三


第二十九話 アフロディーテの闘志その三

「決してな。よいな」
「わかりました。それでは」
「誰にも言う必要はない」
 また言うのであった。
「サガやシャカは。もうわかっているだろうしな」
「既にですか」
「そして他の者達も」
 彼等についてもここで言及してきた。
「やがて察する筈だ」
「左様ですか」
「もう気付いているのかもな」
 そしてこうも思ったりもしたようである。
「既にな。何人かは」
「ムウ等はですか」
「他の者達もだ。セブンセンシズは何の為にあるか」
 黄金聖闘士をして黄金聖闘士たらしめているものである。その光速の動きと共にこの第七の感覚により彼等は通常は到底感じることのできないものを感じ取ることができるのである。
「それを考えたならばだ」
「それも有り得るということですね」
「そうだ。充分に有り得る」
 シオンはあらためて彼等のことを話した。
「それもな」
「ですがそれでも教皇」 
 アイオロスは彼の言葉を聞いたうえでまた言った。
「この話は」
「あの者達が知っていようといまいと話す必要はない」
「左様ですね」
 答えとしてはそれしかないことであった。
「やはり」
「だからだ。覚えておいてもらいたいが他言は無用だ」
 また念押しになっていたがそれでも言うシオンであった。
「よいな、それは」
「わかっております。肝に銘じて」
「御前ならば大丈夫な話だ」
 アイオロスに対する信頼も見せる。
「このことはな。それに」
「戦いのこともですか」
「その通りだ。次はおそらく」
 シオンはふと己の中のセブンセンシズを働かせた。それは黄金聖闘士達のそれと比べるとかなり大きいものであることは言うまでもない。
「出て来る八大公はモロクだろうな」
「モロクですか」
「そうだ。八大公随一の強力の持ち主だったか」
 彼についても言及するのだった。
「モロクといえばな」
「ゲヘナの魔神だったでしょうか」
 アイオロスもまたふと己の記憶を辿りそのうえでシオンに告げてきた。
「何万もの子供をその中に入れ焼き殺して食ったという」
「そうだ。そしてある書では強力の魔神とされている」
 シオンはまた語った。それはミルトンの失楽園のことである。十七世紀前半のイギリスの詩人ミルトンが書いたこの作品は不朽の名作となっている。
「それが出て来るだろう」
「だからこそこちらはあの男をですか」
「そうだ、アルデバランだ」
 彼だというのである。
「あの男に行ってもらう。どうだ」
「宜しいかと」
 そしてアイオロスもそれに賛成し頷くのだった。
「あの男なら問題はないかと」
「そうだな。実はだ」
「はい」
「既に読んでそのうえで送り出しているのだ」
 シオンは言った。
「こちらはな。八大公によってだ」
「そうだったのですか」
「最初から運命により決められていたのかも知れん」
 そしてこんなことも言うシオンだった。
「この闘いの相手はな。若しかするとな」
「決められていたと」
「そうだ。まずデスマスクにはベルゼブブ」
 まずはこの組み合わせであった。
 
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