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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)

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第51話 逆転

 
前書き
今回の話は、書くのが大変でした 

 
巨大な木遁の大仏に床に叩きつけられて、抑えられているサソリは怯むことなく、冷静に戦局を分析し沸騰しそうな感情を瞳に宿し睨み付けていた。

「貴様ら......」

巴が繋がり合い、外縁に向けて真っ直ぐに伸ばされた幾何学模様の内に押し留めて、好機を狙う。
「そいつらに手を出すのは許さん......」
不意に出た言葉だった。
サソリも言おうと判断した言葉でなく、湧き上がる激情を口に出しただけに近い。
理屈ではなく、短気でもない。
サソリが人間としての純粋なる感情......ソレだった。

ゾクッ!
黒ゼツ麦野が木山の首を掴み上げながら、戦慄した。
一歩退く。
コ、コイツ......
黒ゼツに身体を乗っ取られた麦野の目元が一瞬だけ痙攣のような動きをした。

「ああああ.....ああ.....」
床を這いずることしか出来なくなったミサカを一瞥もせずにトビフレンダが大仏の力を上げて、サソリを叩き潰しに掛かる。
「ぐ......うう」
写輪眼を抉り出そうと手を伸ばしている黒ゼツの動きに抵抗出来ずにもがいていると

『いかんの』
突如としてサソリの脳裏に響いてきた。
「!!?」
サソリが可能な限り首を巡らして、辺りを見渡して声の出処を探すが明らかな男性声を発している人物が見当たらなかった。
「?往生際ノ悪イ奴ダ」
どうやら、この声はサソリにしか聴こえていないようである。

混乱するサソリの頭に謎の声は相も変わらずサソリに響き続けている。
『独りで突っ走るから、こういう事になるぞよ』
「あ、アンタは?」
『心で考えれば通じるぞ。そういう所が我が友に似ておるがな』
「......」
『時間が無いが少しだけ耳を傾けて欲しいぞ......あと少しでお主にとって大切な者が助けに来る。辛抱ぞ』

オレにとって大切な?

『そうぞ。オレの特別なチャクラも既に渡しておる.......お主は独りじゃないだろ、少しは頼れぞ』


黒ゼツ麦野がサソリの写輪眼を抉り取ろうとした時、入り口から吹き込んできた吹雪により、腕を引っ込めた。
「!?」
吹雪により張られた氷の上を佐天が滑り込みながら、黒ゼツ麦野の腕にローリングソバットをかます。
「てやー」
掴んでいた手が緩むのを感じた木山は、両腕に力の半分を入れて身体を安定させると、黒ゼツの脇腹を蹴り入れて、無理やり拘束を外した。
「!!」
「かはっ......はあはあ、卑怯な......手段を使って......」
よろめいたまま、硬直したかのように不自然の体勢で黄色く光る眼で佐天を睨み付けた。
「ありゃー、たかが小娘の蹴りにだらしないっすね」
「......」
黒ゼツは、ビシビシと痺れを出している腕を眺めている。

アノ娘......マサカ......!?

「それ、冷凍ビーム!」
佐天が指で鉄砲のように構えると茶髪の女子中学生の近くにいるグルグルの面を付けた金髪少女に放った。
「!?」
トビフレンダが印を結ぶと樹木が床から伸びて、壁となり受け止めた。
しかし!
「!!や、やっばー!?」
「はぁぁぁー!!」
佐天の冷気が異常に強くなり、前の冷気を一回りも二回りも包み込むように太くなり、トビも本気でチャクラを込めるが瞬間的な動作で負けているトビフレンダの樹木の壁が氷付いて、ポッキリと折れると後ろにいたトビフレンダを押し潰した。
「ぐへ!?さ、寒い!人間の身体って寒いっす......ね?」

倒れた目線の先では、絹旗が空気を巻き込みながら拳を振り上げて憤怒の表情を浮かべていた。
「超何やってんですか?フレンダ」
絹旗がオフェンスアーマーで武装した拳でトビフレンダの面を殴り付けた。
「!」
バコン!?と氷付いた樹木毎フレンダの身体が一瞬浮いてひっくり返った。
グルグルの面の右半分が欠けて、フレンダの顔半分が露出し、紅い瞳が妖しく光っている。
「......やるな」
面が欠けたトビフレンダが床を殴り付けて、一斉に鋭利な樹木を発生させると絹旗で攻撃を始めるが佐天が間に入ると
「つらら落とし!」
樹木に対抗するように、大量の氷柱が発生してトビフレンダの攻撃と相殺した。
「!?」

面を一部破損させた事で大仏の制御が上手く行かなくなり、大きく揺らぎサソリは、万華鏡写輪眼を開眼させるとスサノオを用いて、大仏をなぎ倒した。
「大丈夫!サソリ?」
「佐天......何だその力は?」
「良く分からないけど、力が湧いてくるのよ......あたしの才能が爆発しちゃったりして」
佐天がアゴに手を当ててキメ顔で言うが、サソリは先ほどの声の言葉を思い出していた。

あと少しでお主にとって大切な者が助けにくる

......佐天が?

******

「大丈夫?」
滝壺が荒い息をしている木山を心配そうに中腰で訊いた。
「はあはあ......ああ、すまない......」
「飲む?」
滝壺がそっとスポーツ飲料を渡す。
「こんな状況で」
「落ち着くよ」
首を傾げて、なぜ拒むのか分からないという顔で淡々と抑揚のない声で言っている。
「あ、ああ」
木山は蓋を開けて飲んでいくと、自然と気持ちが落ち着いてきた。

キンキンに冷えているからだろうか?

「ちょっと待ってね」
滝壺が救急箱を運んで来て、肩から血を流している木山に厚手のタオルを脇の下に入れた。
「これで良くなる」
ニコッと軽く笑うと、茶色の髪をしている女性とメガネを掛けた女性を運んできて、手当をしていく。

不思議な子だな......それに

木山は倒れて、冷や汗をかいている御坂美琴にそっくりな少女の髪を撫でた。
事情は分からないがここにいるのは、本人であろうがなかろうが紛れもなく生きている人間の反射的な反応だ。

君は......また私が間違っていると思うのかい?
あの子(サソリ)をも......

止血処置をされているがミサカは痛みにより絶え絶え息をしているが明瞭な意識はないらしく、虚ろな目で対峙しているサソリと佐天、絹旗を写していた。

膝枕をしながらミサカを教え子の姿と重なり懐かしいような感情が沸き起こる。
ソファーで横になって寝ているあのカチューシャがトレードマークの少女だ。
丁度、成長していればこのぐらいだろうか?
「ん......!?」
眼鏡を掛けたテレスティーナが幻術から解放されて正気に戻った。
まだ、現実と幻実を行ったり来たりしているようで頭を押さえて、気持ち悪そうにしている。

******

「うわー!酷いっすね~。オイラのイケメン顔が」
欠けた面の部分をなぞって、確認しているトビフレンダ。隙間からフレンダの整った顔が引きつったように笑ったように見える。

「フレンダ......お願い元に戻って」
三人の手当てをしていた滝壺が懇願するように弱々しく言った。
「イヤっす」
「コイツラに話しをしても無駄だ」
サソリがスサノオを出したまま、チャクラ糸を伸ばしてトビフレンダの傍らにいる大仏に付けると操り始めた。
「うわっと!?欠けているんすからそれはナシっすよ~」
サソリは、くっ付けたチャクラ糸を力の限り引き、大仏の巨大な張り手をぶつける。
トビフレンダは、吹き飛ばされながらも回転しながら壁に着地をした。
「人間に取り憑かないと何も出来ない寄生虫が」
「先輩やり過ぎっすよ!少しは後輩を労ってくださ」
「だあぁぁぁぁぁ!!」
絹旗がグルグルの面目掛けて走り出して、空気を巻き込みながら拳を突き出した。

あのふざけた面を超破壊すれば、フレンダは元に戻るはずです!
あと少し

「よっと」
チャクラ吸着を解いて、床に落下すると脚にチャクラを溜めて頭を前に出して頭突きをした。
「ぐっ!?」
絹旗の腹部に当たり、空中に浮かんだ。
「やっぱり~。力が集中していない所は弱くなるみたいっすね......って戦っているのオイラだけじゃないすか!」
飛んできた絹旗を佐天が受け止めると、慣れていない感じでズッコけた。
「痛た......あはは、着地がうまくいけばカッコイイんだけどね」
絹旗は、戸惑った感じで顔を伏せた。
「!?......あ、ありがとうござ......です」
「へ?」
「ちょ、超何でもねぇです!」

「......」
黒ゼツ麦野は、震える手で緑の発光体を生み出すとサソリ達に放とうとするが、僅かに軌道がズレて、壁に穴が空いた。
サソリがスサノオで包み込んで、メルトダウナーの余波から全員を守った。
「チッ......」
「どうしたんすか?」
「身体ガ!」
黒ゼツ麦野が床に膝を付いて、自由が効かなくなった身体を震わせている。
「コイツ......オレノ制御ヲ捻ジ伏セル気カ......」
「ありゃ、ひょっとして......」
「ん......ん!?」
寝ぼけ眼のような顔で辺りをキョロキョロと見渡す。そして、自分の意思とは関係無しに伸ばされた黒い腕と赤い眼を見開いている奇妙な面を付けたフレンダをこれでもかと睨み付けると.......
「......何してんだぁぁー!フレンダぁぁ!」
麦野の眼が開き、不快そうに怒鳴るように顔を歪めて言い放った。
ビクッと身体を震わせたトビフレンダが額に汗を流した。

「うっわ〜......怖い女っすね。さぞかし攻撃的なうんこをすると思うんすよね。武器に使えるくらいに」
ふむふむと頷いていると、気が付いた麦野が硬直した身体をギシギシいわせながら、トビフレンダの頭をガツンと殴り付けた。
「痛った〜!何をするんすか」
「お•し•お•き確定ね!」
「うひゃ」

「ナンダト......?」
黒ゼツが必死に力を込めて、操ろうとするが麦野の身体の自由を少し制限するだけに留まる。
「それにぃぃぃ!さっきから私の身体にへばり付いているヒルみてぇな野郎は誰だ!」
予期せぬ宿主の反抗により、動きを失った黒ゼツ目掛けて、スサノオの太刀を振り下ろした。
「ク......ココマデカ」
黒ゼツは、麦野から黒い液体となり蹴り離れるように別つと作用反作用の法則により、左右に黒ゼツと麦野が別々になっていく。
その間を太刀が通過し、砂煙りが発生する。

少し離れた場所で液体だったモノが黒い人型となって立ち上がった。
サソリは、麦野のすぐ側に太刀を振り下ろすと、チャクラ糸で大仏を動かすと麦野を持ち上げて安全圏の蒼く燃え滾るスサノオの中に引きずり込んだ。

「麦野ー!!超大丈夫ですか?」
「ああ、何がどうなっているのか分かんねぇけど」
「良かった.....」
滝壺が安堵したように言った。
「安心するのは早いな」
サソリが大仏と鎧武者を従えて、最後の人質を取るトビと黒ゼツを万華鏡写輪眼で睨み付けた。

その姿は光と闇を操る全知全能の神にも等しい姿に映った。
「......なんと荘厳な」
テレスティーナは、サソリを崇高対象として膝を折り、敬意を示した。
「サソリ君は、不可能だと思われた事象をいとも容易く行ってしまう。私が敗れた理由が分かるだろう」
木山が懐かしそうに目を細めた。

どんな理論も
どんな数式も
どんな実験結果も
どんな常識も

彼の前では意味を成さない
考えるだけ無駄だと思えてしまう程の

「全く......科学者泣かせの存在だよ......君(サソリ)は」

まともな戦力がトビフレンダだけとなってしまい、慌て始めていた。
「なんかヤバくないっすか......」
「......」

かたや、万華鏡写輪眼を全開にし、千手の力を奪われ、厄介な氷遁使いの娘に光線を放つ娘もあちら側の手札となってしまった。

「どうするんすか!?」
金髪の頭を掻きながら、トビフレンダは黒ゼツの指示を仰ぐ。
「......コイツラヲ抑エテオケ」
まるで地の底から響いてくるような元の低く片言の声を発しながら、黒ゼツは液体となり床のちょっとした隙間に入り込んでいく。

「ええええー!無茶言わないでくださいよ!」
「禁術ヲ使エ」

サソリの耳が微かに反応した。
禁術?

「!.......良いんすね?死んじゃいますよ......この身体」
「替エハ幾ラデモアル......準備ヲシテクル」
黒ゼツが床に融けるように消えるとトビフレンダは、腕を曲げて独特の構えを始めるとフレンダのチャクラの流れが一気に変化を始める。

「ま、まさか!!?」
万華鏡写輪眼によりチャクラの流れを観たサソリが冷や汗を流し、チャクラ糸を操り張り手を繰り出すが......

八門遁甲!第三生門......開!!

大仏の張り手を受け止めると赤い目を光らせて不敵に笑みを浮かべた。
トビフレンダの周りに蒼色の蒸気が噴出し、大仏を片手で押し返すと床を凹ませるように飛び上がった。

八門遁甲
身体に流れるチャクラ量を段階的に解放し、普段の何十倍もの力を引き出す術。
チャクラ量に制限を掛けている部分を『門』と呼ばれ、全部で八門存在している。

チャクラの波により床から礫が舞い上がり、礫が落ちる次の瞬間には覆っていたスサノオを突き抜けてサソリの頬に衝撃が加わり、床を削るように叩きつけれた。
「がはっ!?」
「さ、サソリー!!?」
「まだまだっすよ」
空中を蹴って抉られて轍となった床の最果てにいるサソリに向かって黒い線が移動し、サソリの鳩尾を回転を加え、捩込むように拳を繰り出した。

「が!ああああああああ!」
口から血を流し、床が隕石の衝撃を受けたかのように一段と落ち窪んだ。
「この!」
佐天と絹旗がサソリの上にいる蒼く燃えているトビフレンダ目掛けて攻撃をするが、一瞬でいなくなり佐天と絹旗の後頭部をガシッと掴むと二人の頭蓋骨をぶつけ合った。

「超痛ったぁぁぁぁぁぁー!」
「は、速くて何も」

黒い線が佐天の前に来たように感じた佐天は、買い物袋を上にして反射的に防御の体勢を取る。
すると......
買い物袋に入っていたソフトクリーム(チョコレート味)が飛び出してきた。

「!?あ、あれは!」
トビフレンダの興味は、渦巻き状の氷菓に注がれて、一段階『門』を解放した。

第四傷門......開!

金髪が逆立ち、筋肉の筋が皮膚状に隆起すると回転しているソフトクリームを優しく握り締めた。

「うひゃー!こ、これってうんこじゃないっすか!?綺麗に包装しているんすね」
興味津々とばかりにソフトクリームを丁寧に扱うトビフレンダ。

「へっ!?......な、何?」
普通のコンビニで売られているソフトクリーム(税込220円)にどれだけの興味があるの?

「超ナイスです!」
絹旗が空気を巻き込みながら、赤い身体をしているフレンダの顔を覆っている元凶の面を砕こうとするが、一瞬で消えて二階部分の柵に移動していた。

「危ないっすね!!うんこに何かあったらどうするんすか!?......ん?ここが外れるんすね」
ソフトクリームの透明なプラスチック部分をクルクル回して、茶色のソフトクリームを羨望の眼差しで上に掲げた。

「何やら甘い匂いも......」
「隙だらけだ」
サソリがスサノオを使って柵ごと二階部分も破壊した。
しかし、トビフレンダは一瞬で絹旗の背後に迫り、拳を固めて突き出そうとした。

「「!?」」
サソリと佐天が同時に動き出して、佐天が絹旗を抱き抱えて後方に飛び去り、サソリが砂の盾を展開して攻撃を防いだ。

かのように見えたが......

「!!?ぐっ!」
「甘いのはうんこだけじゃないっすね......先輩」
サソリの背中には鋭利な枝が突き抜けて、血が滴り落ちていた。
「邪魔っすよ」
ギチギチと細い腕に筋肉が限界以上の力が集中して、サソリの胸部を殴り、爆発音と共に壁に叩きつけられた。
サソリは、俯せになりながら腹部に刺さった枝を刺激しないように立ち上がろうとするが......上手く動かせない。
トビに乗っ取られているフレンダの腕がミチミチと悲鳴を上げた。
あちらこちらから、血が滴り落ちているように拳は真っ赤だ。

「サソリ君!」
「ふ、フレンダ!もう、止めて」
直接闘いに参加出来ない滝壺と木山が悲痛な声を上げた。
「......まずいわね......あの娘、死ぬわよ」
「は?フレンダが死ぬ!?どういう事よ」
眼鏡をかけ直したテレスティーナの見解に解放された麦野が声を荒げた。
「あのまま、使い続けたら身体が持たないわ」

フレンダが死ぬ......?

麦野ぉ〜!!

はー、プールかぁ

ヒマなら行くか?

ホントに!行く行く
わー、麦野
愛してる!

コラ、暑いんだからくっつくな

「............そんなの私が許すか!」
麦野は波動を弾くと緑色の発光体が揺さぶられて光線が暴走したフレンダに放った。
「!!?」
難なく身体能力が向上しているトビフレンダは消えて、少し離れた位置に着地した。
「ふん!まあ、そんなのろまな攻撃は効かないっすよ」
挑発するかのように四方八方の壁を削りながら姿は無く、飛び移る際の音と衝撃が響く。

この瞬間にも、フレンダの身体は限界以上の力を無理やり使われて、傷付きズタズタに引き裂かれている。

麦野は今にも噴火しそうな怒りを抑えながら、絶えず平静に事を計算していた。
「滝壺」
麦野は、ポケットから粉末の入った透明な箱を投げ渡した。
「使いなさい」

滝壺は、麦野から渡された粉末を手の甲に少しだけ掛けると舌で舐めとった。
心臓の動きが活発になり、脳の演算能力を向上させる。

滝壺の能力
『能力追跡(AIMストーカー)』
能力者が地球の裏側に逃げ込んでも検索できる能力。

「次にあのバカ(フレンダ)が現れる場所はどこかしら?」
全てを察した滝壺は、ゆっくりと部屋の中央からやや左斜め前を指差した。
滝壺の示した場所に腕を構えると麦野は、能力を溜め始めた。

「面の位置は5度下.....出現まで......6,5,4,......」
麦野は、外せないメルトダウナーに意識を集中させた。修正すると滝壺のカウントダウンに合わせる。
今まで、暗部組織で仲間として活動してきた絶大な信頼関係が成せる技だった。

「......3,2,1......ファイア」
その言葉に合わせるように麦野はメルトダウナーを発射した。
メルトダウナーは何もいない空間に発射されたが、次の瞬間にはトビフレンダが高速移動をしてきて......

ガァン!

正確にフレンダの顔にへばり付いているグルグルの面に当たり、バラバラと面が破片となって飛び散った。
「!?」
赤い目が無くなり、意識を無くしたフレンダから仰向けに倒れ込んだ。
「ん......ん」
試みは当たり、フレンダの顔に傷一つつかずにしっかりと息をしていた。
 
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