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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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21部分:第一話 狂闘士強襲その六


第一話 狂闘士強襲その六

「しかしだ」
「何だ!?」
「覚悟決めたのかよ」
「言い忘れたことがある」
 小宇宙をその全身に漂わせたまま両手を悠然と構えてきた。
「このサガ、黄金聖闘士だ」
「それがどうしたっていうんだよ!」
「だからやってやるんだよ!」
「人々と世界、そしてアテナを守護する最後の切り札。その力・・・・・・今ここに!」
 その両手をかざし。今動いた。
 光が動いた。一瞬だった。サガはその場にいた。だが彼に向かおうとしたインプ達は一人残らず地に伏した。残っていたのは後に続こうとしていた者達だけであった。
「なっ、一瞬で!?」
「馬鹿な、あれだけの数のインプをか」
「言った筈だ」
 サガは目を閉じ立った姿勢で驚くインプ達に対して述べた。
「私は黄金聖闘士。平和を守る最後の切り札だと」
「ちっ、それが黄金聖闘士の力かよ」
「聖闘士の中で最強の十二人の力」
「言い忘れていたことがある」
 サガはまた言ってきた。
「何っ!?」
「黄金聖闘士は皆光速の動きを持っている」
「光速!?ということはつまりだ」
「そうだ。光と同じ速さだ」
 こうインプ達に対して答えた。
「このサガもまた。その速さで動ける」
「なっ、そんな動きができるなんて」
「俺達狂闘士でもそれこそ」
「あ、ああ」
 彼等は光の速さを見せたサガを前にして顔も声も震わせながら彼等の中での話をはじめた。
「八大公しか」
「あの方々しか」
「八大公だと」
 サガはその名を聞いて眉をピクリと動かした。
「まさかあの者達もまた」
「へっ、誰が御前に言うもんか」
「そうだそうだ」
 だが彼等はそれを言おうとはしない。だがここでふと口を滑らすようにして述べた。
「ただしだ。一つ言っておくぜ」
「むっ!?」
「御前等じゃあの方々には勝てないぜ。
「そうさ、特にアーレス様とその」
「これ」
 しかしここで。彼等の後ろから声がした。
「戦の中ぞ。お喋りは止めよ」
「そ、その声は!」
「まさか!」
「左様、そのまさかだ」
「皆の者!」
 ここで周囲を圧する様な声が場に響いた。
「頭が高い!ひれ伏せ!」
「エリス様の御前なるぞ!」
「はっ、ははっ!」
「申し訳ありません!」
「エリスだと」
 インプ達が驚き慌てた後で慌てて平伏する。その中でサガは一人今の事態を掴めず呆然としていた。その彼の後ろからアイオロスの声がした。
「サガ!」
「アイオロスか」
 後ろを振り向くと確かに彼がいた。多くの白銀聖闘士や青銅聖闘士を引き連れて来ている。
「やはりここだったか」
「殆どの白銀及び青銅の聖闘士を引き連れて来たのだな」
「いや、全てのだ」
 アイオロスはサガの横に来てこう述べた。
「小宇宙がここに全て集まっているのを感じてな」
「そうだったか」
「そうだ。それよりもだ」
 アイオロスは怪訝な顔で前を見る。するとそこには。
 インプ達に囲まれ多くの異形の戦衣を身に着けた戦士達がいた。男もいれば女もいる。そしてその彼等の中心に燃える様な赤い髪に蒼白の肌を持つ女がいた。美しいが何処か猛々しくかつ陰惨なものを漂わせている女だった。その女が狂闘士達の中心にいたのだった。
 
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