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魔界転生(幕末編)

作者:焼肉定食
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第67話 ひとときの休息

 ようやく会津に受け入れられた土方達は、ほっとするのだった。
 宇都宮戦争で傷を負った土方も手厚い看病を受け、久々に寝床でゆっくり練れたような気がした。
「土方さん、お着物を洗っておきました。お食事もご用意してますのでお召あがりください」
 女の声が障子の向こう側から聞こえてきた。
「かたじけない」
 土方は女の声にこたえた。が、土方の傷は思いのほか深かった。
 宇都宮での戦いで指揮を執っていた土方の足に激痛が走った。初めは撃たれたかと思ったが、そうではなかった。明らかに剣で斬られたものだった。
(いつの間に斬られた?)
 土方は戸惑うばかりだった。斬った相手の姿も見えず鎌鼬のそれでもない。
 全くの見えない敵。それを思うと土方は布団の上で身震いするのだった。
(やはり、近藤さん達と同じ化け物なのだろうか?)
 たびたび苦戦を強いられて来た化け物達。そして、今度は見えない化け物。
(一体、天草の奴は何人の化け物をこの世に残したのだ)
 化け物すべて斬ると決心はしたもののため息が出てくる。が、後悔しても始まらない。
 土方はゆっくりと起き上がると食事が用意されている部屋へと歩き出した。

「あ、土方さん。大事ないですか?」
 土方を看病していた女性が土方を見つけて声をかけた。
「えぇ、なんとか」
 土方ははにかんだ笑みを浮かべ女性に答えた。
「無理はしないでくさないね。悪化してしまったら、先生に私が怒られます」
 女は冗談めいた笑みを浮かべた。
「お気遣いなく。先生には私がしっかり言い訳しますから」
 土方もまたにこりと微笑んだ。
(さて、新政府軍はどこまできているのだろう?)
 隊はいったん斉藤一が土方の代わりに率いている。心配はないだろう。が、自分にこれだけの傷を負わせた化け物相手に大丈夫だろうかいう不安もある。
 傷が全治するのに3か月かかるとの話であった。その時、新政府軍が会津に攻めてきたとしたら、自分は存分に戦えることができるのだろうか?
 土方は完治するまで新政府軍が攻めてこないことを祈るしかなかった。が、攻めてくれば戦う決意はあったが。
 それでも、今ひとときの休息を楽しもうと思うのだった。
 
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