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IS〈インフィニット・ストラトス〉 〜自由の翼〜

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第2話「代表候補生」

 
前書き
2話目です!よろしくお願いします。 

 
「ちょっとよろしくて?」

「へ?」

「はい?」

二時間目も終わり、休み時間。一夏と俺たちの元に一人の女子生徒が現れた。なんか偉そうな金髪巻き毛の女子。腰に手を当てたポーズもなんか偉そうだ。

「聞いてます?お返事は?」

「あ、ああ。聞いてるけど……」

「何か用か?」

「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話し掛けられるだけでも光栄なのですから、相応の態度というものがあるのではないかしら?」

「「……………」」

 こいつめんどくせぇ。

「悪いな。俺、君のこと知らないし」

 一夏の返事に、気に入らなかったのか吊り上げた目を細めて見下したように続ける。

「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリス代表候補生にして、入試首席のこのわたくしを!?」

 あー、めんどくせぇ。こいつあれだ。今時の女尊男卑な世間を具現化したみたいなやつだな。こんな奴が代表候補生なのか。



「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運ですのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

「そうか。それはラッキーだ」

 一夏の気のない返事。俺は無言。正直そろそろ本題に入ってほしい。いい加減飽きてきた。

「ちょっと、あなたはどうなんですの!?」

 バンッ。っとオルコットが机を叩いたことで俺は我に返る。

「ちょっと聞いてますの!?」

 俺にオルコットが怒鳴る。

「あ、ごめん。半分くらい寝てて聞いてなかった。」

「わたくしの話を聞かずに寝ていた!?」

また机を叩こうとしたところでチャイムが鳴る。

「っ………! またあとで来ますわ!逃げないことね!よくって!?」

 「「……はぁ。」」
俺と一夏はため息を吐いていた。
 結局この休み時間は変なクラスメイトに絡まれたな。
一夏はこの後箒と一緒に出て行った。

〜三時間目〜
「では、この時間は実技に使用する各種装備の特性について説明する。」

 一、二時間目と違って織斑先生が教壇に立っている。よっぽど大事なことなのか、山田先生までノートを手に持っていた。

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな。クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差は無いが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更は無いからそのつもりで。誰か立候補はあるか?推薦でも構わんぞ?」

 (まあ、この場合はきっと一夏が推薦されるんだろうな。)

「はいっ! 私は織斑くんを推薦します!」

「私もそれがいいと思います!」

「私も織斑君に一票!」
と女子から一夏コールが流れていく。
 

「では候補者は織斑一夏……他にはいないか?」

「お、俺?」
一夏は余りにも多すぎて席を立って見回していた。

「織斑。席に着け、邪魔だ。さて、他にはいないのか?いないなら織斑に決まるが?」
と織斑先生が決定しようとした時、

「ちょっ、ちょっと待った!だったら俺は燐を推薦する!」
と土壇場で一夏の奴が俺の名前を言い始めると、
「黒崎君もありかも!」
と伝染になり俺か一夏の名があがる。
俺はため息を吐きながら、
「俺は…」
やりたくないと言いかけた瞬間、

「他にはいないのか?いないならこの二人の多数決で決めさせてもらうが。」
と話を進めようとする、織斑先生、
「いや、俺は――」

「自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権などない。選ばれた以上は覚悟をしろ。」


 マジかよ!

「待ってください!納得がいきませんわ!」

 あり、オルコット?もしかして俺らのことを思って?嫌な人かと思ったけどいい人なのか?人は見かけによらないっていうしね。

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 ……ん?

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 代表候補生が実力あるのは認めるけど……俺ら猿ですか?

「いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で――」

 ……ああん?今なんつった?

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 俺がむっとしている間に一夏が言った。

「なっ……!?」

 一夏の言葉にオルコットが真っ赤な顔して怒っている。こういうのを怒髪天を衝くって言うのかな?

「あっ、あっ、あなたは!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 いやいや、先に侮辱したのアンタだから。見ろ。教室内の日本人みんな怒ってるよ。織斑先生とか無言だけど、あれ絶対怒ってるよ。
「じゃあ、俺からも幾つか言わせてもらう、まずお前は日本人は猿呼ばわりしたけどこのクラスの大半敵に回したぜ?」
と俺は席を立ってオルコットの方を見ながら、
「あ、貴方は何がいいたいのですの!」
と少し焦りながら言ってきた、
「ん?分かりやすく説明すると、お前は世界最強(ブリュンヒルデ)やISを開発者である篠ノ之束を猿呼ばわりしてるんだぜ?」
と言ってやると、オルコットは青ざめた表情をしながら織斑先生をみて目を泳がせていた。

「…っ!なら、貴方と織斑一夏に決闘を申し込みますわ‼︎」

「いいぜ。やってやるよ」

 オルコットの言葉に一夏と俺が頷く。

「さて、話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑と黒崎、オルコットはそれぞれ用意をしておくように!」

 そう言って、織斑先生が一連の出来事にとりあえずの収集を付けた。
 
 

 
後書き
次回をお楽しみに。 
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