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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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178部分:第二十四話 剣の魔神その三


第二十四話 剣の魔神その三

 シュラとジークはソードウィングの攻防の後本格的な闘いに入ろうとしていた。最早守ろうともせずシュラは右手の手刀を、ジークはその手の剣をそれぞれ構えて今まさに仕掛けんとしていた。
「面白いことを教えよう」
「何だ?」
「何故このベールのジークが最強の剣の使い手と言われているかだ」
 その剣を右手に構えながらの言葉だった。
「それが何故かというとだ」
「面白い話のようだな」
 シュラはジークの言葉に絶対の自信を感じ取って述べた。
「どうやら」
「面白いかどうかはわからん。だが教えてやろう」
 またシュラに対して言うのだった。
「このジークの剣はただの剣ではない」
「ただの剣ではないというのか」
「そうだ。見るのだ」
 言いながら突進してきた。そのうえで剣を突き出す。すると剣は瞬く間にフェシングのあの細いスピアに変形しシュラに襲い掛かったのだった。
「剣が変形しただと」
「この剣は変幻自在」
 ジークは突進しつつその剣を繰り出しながらシュラに告げる。
「このジークが願う形になるのだ」
「それではだ」
「そうだ。見よ」
 シュラがスピアの突きを全てかわしたと見るやその剣を右斜め上に振り上げた。するとまた剣の形が変わったのだった。今度の形は。
 刀だった。巨大な、太い片刃だった。まるで中国の青竜刀であった。
 それを右斜め上から左斜め下に振り下ろす。それで一気に両断せんとする。しかしシュラはそれもまた見切ったように身体をすり抜けさせたのであった。
「見切ったか」
「確かに驚きはした」
 シュラもそれは認める。
「しかしだ。その形の剣の動きは必然的に決まっている」
「それがわかっていればか」
「そうだ。かわすのは容易い」
 こう言うのだった。
「容易にな」
「ふむ。それではだ」
 またしても剣を変えてきた。今度は途方もなく巨大な両刃の剣だった。形は十字架を思わせるものであった。刃の大きさはジークの背丈をも優に超えるものであった。
「これは・・・・・・どうだ」
 その巨大な剣を片手で縦横無尽に振り回す。今度ばかりはシュラも駄目かと思われた。
 しかしシュラはそれを右手で受け止めたのだった。そのエクスカリバーでだ。
「受けたか」
「その形の剣はとても片手では振れないのだがな」
 しかしジークはそれを容易に振り回しているのであった。
「まさかとは思ったがな」
「そのまさかができるのがこの剣だ」
 受け止められながらもまだ負けてはいなかった。
「これこそがな」
「貴様、ただ自由自在に形が変わる剣を持っているだけではないな」
「今ようやくわかったようだな」
 ジークの声が笑っていた。顔には出てはいないが。
「その通りだ。何故ベールが最強の剣の使い手か」
 またこのことを言う。
「それはこの俺が最強の剣の使い手でもあるからだ」
「だからか」
「そうだ。だからこそカプリコーン」
 また剣の形を変えた。今度は元のあの両刃の普通の形の剣である。
「貴様には敗れることはない。このジークはな」
 言いながら牛とに跳んだ。そのうえで今度はソードウィングを無数に放ってきた。それでシュラに対して攻めさせない。
「むうっ!?」
「ではそのジークの奥義」
 着地してからその剣を構えなおしてまた言ってきた。
「見せよう。ストームブリンガーーーーッ!」
「何っ、剣から」
 振り上げたジークの剣が唸った。そうしてそれを突き出すとそこからブラックホールを思わせる赤黒い竜巻を放ってきた。それでシュラを倒さんとしてきたのだ。
「剣から竜巻が生じたというのか」
「そうだ。このジークの剣の腕をもってすればそれも容易いことだ」
 ジークはその赤黒い竜巻を放ったうえでシュラに言ってきた。
「これもな。さあどうするカプリコーン」
 そのうえでシュラに対して問うてきた。
「このストームブリンガー。どのようにしてかわす」
「まずいぞ」
「ああ、これは幾ら何でもな」
 聖闘士達はその竜巻を見てまた不安な声を出したのだった。
 
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