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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1453話

 
前書き
設定集の方の「話数での具体的なタイトル」と「キャラ一覧」を更新しました。
鏡あきらさん、ありがとうございます。 

 
「ったく、何だってアクセルばっかり美人をものに出来るんだよ。ちょっとズルくないか? 何か妙な真似をしてたりしないだろうな?」

 ブツブツと文句を言いながら歩くウリバタケの後を、俺とユリカ、プロスペクター、ゴートの4人はついていく。

「ちょっと、アクセルさん。何かあったんですか? ウリバタケさんが妙に不機嫌なんですけど」

 隣を歩くユリカがそう尋ね、プロスペクターもウリバタケの状態に興味があるのか俺に視線を向けてくる。
 ゴートはいつものように寡黙なままだ。

「何か……か。あったと言えばあったけど……」
「何があったんですか?」

 詳しく聞いてくるユリカに苦笑を浮かべながら口を開く。

「別にどうって事はない。ただ、食堂でミナトと話しているところを見られただけだよ」
「あー……なるほど。まぁ、ウリバタケさんならそうでしょうねぇ」

 ユリカと共に俺の話を聞いていたプロスペクターが、納得したといった風に頷きを返す。
 実際問題、こういう問題はユリカよりも人間関係に鋭いプロスペクターの方が詳しい。

「うん? 何でそんな風になるんですか? えっと、確か木連の……じゃなくて、草壁中将とかいう人のハッキングの対処で相談をしてたんですよね?」
「艦長、艦長。その件については後でお話ししますから。」

 プロスペクターがユリカに告げるのを見ながら、俺達はそのままナデシコの通路を進む。
 いっそ影のゲートで移動した方が手っ取り早いんだが、歩いて移動するとプロスペクターが言ったので、こうして歩いて移動していた。
 ……まぁ、ウリバタケの事だ。格納庫に到着して、完成したって代物を見せれば機嫌も良くなるだろう。……良くなるといいな。
 そんな事を考えながら通路を進み、やがて格納庫へと到着する。

「遅いよウリピー! こっちはもう準備が出来てるんだから、早く早く!」

 ヒカルが手を振って俺達を迎える。
 その側にはリョーコやイズミの姿も存在していた。

「なぁっ!? アクセル!? 何でここにいるんだよ!」

 リョーコが大きく叫ぶが、そう言われてもな……

「ウリバタケが面白い物を見せてくれるって言うからな。リョーコが見せてくれるのか?」
「え? あ、ああ。そうだ」
「あっれー? リョーコったらさっきまでやる気が全くなかったのに、急にやる気になってるー」
「ばぁっ! んな訳ねえだろうが!」
「忍ぶ恋」
「おいこらイズミ! 今何か言ったか!?」

 この3人は相変わらずだな。
 見ているといつもこんな風なやり取りをしているのだろう。

「はいはい、その辺にして下さい。それで、何を見せてくれるんですか?」

 パンパンと手を叩いて皆の注意を引いて告げるプロスペクターに、ウリバタケはパイロット3人娘に声を掛ける。

「じゃあ、ヒカルちゃんお願い出来るかな?」
「うん、任せて! ほら、リョーコとイズミも!」
「ったく、わーってるよ。ほら、イズミ!」
「ふふふ……ふふふふふふ……」

 ……うん、やっぱり色々な意味で面白いトリオだな。
 ともあれ、リョーコ達がエステバリスへと乗り込んでいく。
 そしてそれぞれのエステバリスが起動すると、その中でヒカルの機体が動いて少し離れた場所に置いてあった物へと手を伸ばす。

「あれは……槍、ですか?」
「その通り!」

 プロスペクターの言葉に、ウリバタケが大きく叫ぶ。
 槍と呼ぶには刃に見える部分が結構長いし、見ようによっては薙刀のように見えなくもない。
 ウリバタケは微妙に自棄になっているようにも思えるが、それでもテンションが高くなっているのは分かる。
 何だかんだと単純なところがあるんだよな。
 自分が開発したものを自慢出来るというのは、ウリバタケのような技術者にとっては物凄い快感なんだろう。
 その辺は、シャドウミラーの技術班との付き合いが長い俺も十分に分かっている。

「勿論、この槍はただの槍じゃあない! ……百聞は一見にしかず! ヒカルちゃん!」
『りょーかーい! リョーコ、準備はいい?』
『ちょっと待て!』

 リョーコの言葉と共にリョーコが乗ってる方のエステバリスがディストーションフィールドを展開する。
 ナデシコの格納庫の中ではあるが、ディストーションフィールドそのものには別に強力な攻撃力があるといった訳ではないので、特に気にする必要はない。
 ただ、この状況で何をするのかというのには、当然興味がある訳で……

『じゃあ、いっくよぉっ!』
『おい、ヒカル! 加減を間違えるなよ!』
『モチのロンよん!』

 ……その軽い返答こそが、リョーコを不安にさせている最大の理由だと思うんだがな。
 何だかヒカルの普段の行いを見ていると、何かとんでもない事をやっても『あ、ごっめーん』とかであっさりと済ませてしまいそうな気がするのは、きっと俺だけではないだろう。
 だが、あくまでもそれは印象に過ぎない。
 実際にはヒカルは一般人としては極めて高い操縦能力を持っており、ナデシコの……いや、ナデシコ世界の中でもトップクラスのパイロットなのだから。
 そんな俺の予想通り、ヒカルの機体は槍を手にゆっくりとディストーションフィールドを展開したエステバリスに刃の部分を近づけていき……次の瞬間にはまるでディストーションフィールドを中和するかのように槍の先端が通り抜けて行く。

「何?」
「え?」
「何と……」
「ぬぅ」

 それを見ていた俺、ユリカ、プロスペクター、ゴートのそれぞれから驚きの声が出る。
 それだけ、今見ている光景は驚きの光景だった。
 バリアを貫通するのであれば、俺にとってはそんなに珍しい話ではない。
 今使われているディストーションフィールドにしろ、それ以外のバリアにしろ、基本的に無効化出来る威力は決まっている。
 それ以上の威力の武器を使えば、バリアに負荷を与えて貫く事が出来る。
 だが……今俺の目の前で広がっている光景は、ディストーションフィールドを無効化しているというものだ。
 今までこんな光景は……いや、見た事があるな。
 俺の奥の手でもある、精神コマンドの直撃。
 あれを使えば現象そのものは違えど、似たような結果となる。
 直撃の効果を知っている俺でさえこれだけ驚いているのだから、プロスペクターを含む他の者達の驚きはそれまで以上の代物だろう。

「どーだ! これが、これこそが、ディストーションフィールドを無効化するフィールドランサーだ!」

 自慢気に叫ぶウリバタケだったが、確かにこれはそれだけの価値がある。
 ディストーションフィールドというのは、ビームや重力波砲に大きな防御力を発揮するバリアだったが、それ以外にミサイルや弾丸といった実弾兵器に対してもある程度の防御力を発揮する。
 勿論ビームや重力波砲に比べれば大分効果は薄いが、それでも効果が発揮するのは間違いないのだ。
 そして、エステバリスは基本的に攻撃力が低い。
 そう考えると、ディストーションフィールドはエステバリスにとっては非常に厄介な代物となる。
 だが……このフィールドランサーというのを使えば、ディストーションフィールドを無効化出来る。
 つまり、エステバリスの貧弱な攻撃力でも十分相手にダメージを与える事が出来る訳だ。

「……ウリバタケ、1つ聞きたい」

 俺の声の中には、有頂天になっているウリバタケの動きを止めるだけの気迫が込められていた。

「な、何だよ。言っておくがこの件に関しては多少金を使ったけど……」

 そこまで呟いた時にプロスペクターの眼鏡が一瞬光ったが、それはともかく。

「いや、そうじゃない。……このフィールドランサーって言ったか。これが無効化出来るのはディストーションフィールドだけか? それとも、それ以外……シャドウミラーで使われているG・テリトリーやEフィールドといったバリアも同様か?」

 もしそうであれば、この技術は非常に危険で、稀少で、有益だ。
 色々と混ざってはいるのだが、実際問題このフィールドランサーを使えば俺の直撃と同じような効果があるのであれば、近接戦闘限定ではあるがバリアの類が役に立たなくなる……そう思って問い掛けたのだが、ウリバタケは首を横に振って口を開く。

「いんや。期待してくれて残念だけど、これでどうにか出来るのはディストーションフィールドだけだよ。出来れば俺としても他のバリアにも対応したかったんだけどよ」

 心の底から残念そうに呟くのを見れば、ウリバタケとしては現状のフィールドランサーについては不満なのだろう。
 だが、そんなウリバタケに対してプロスペクターは真剣な顔で迫っていく。
 それこそ、いつもはテンションが高く、フィールドランサーが完了したことにより更にハイテンションになっているウリバタケでも怯む程に。

「このフィールドランサーでしたか? 量産は可能ですか?」
「い、いや、どうだろうな。俺が作った奴だから、そのまま量産出来るかどうかは分からねえ。ただ、設計図とかはあるから、それを見て判断してくれれば……」
「その設計図、ネルガルで高く買い取らせて貰いますが構いませんね?」
「え? あー……ああ」

 おい、本当にいいのか? プロスペクターの勢いに負けた感じで設計図を売り渡す事になってるぞ。
 まぁ、この件についてプロスペクターが鬼気迫る表情になる理由は分かる。
 G・テリトリーやEフィールドは無効化出来ないフィールドランサーだが、このナデシコ世界で使う分にはディストーションフィールドさえ無効化出来れば全く問題はない。
 いや、寧ろシャドウミラーと敵対しないという意志を示す意味でも、それが最善であると言ってもいいだろう。
 木連から姿を消して暗躍しているだろう草壁や、相転移エンジン搭載艦を使ってくる賊軍。それらを相手にするには、ディストーションフィールドを破る事が出来ればそれでいいのだから。

「では、すぐに設計図の方を用意して下さい。私は会長の方に連絡して量産の段取りを付けます」

 そう告げると、すぐさまプロスペクターはこの場から去って行く。
 ゴートもその後を追い、結局この場に残ったのは俺とユリカ、ウリバタケの3人だけ。
 そしてユリカとウリバタケの2人は何が起きたのかよく理解出来ていないように呆然としていた。
 まぁ、今の勢いを考えれば無理もないんだろうけど。

「あー……え? 今ので良かったのか?」

 何故か俺の方へと視線を向けて尋ねてくるウリバタケだが、その辺の判断はお前が自分でしたんだろうに。

「どうだろうな。けどプロスペクターの事だし、決して悪いようにはしないんじゃないか?」

 規則とかにうるさいプロスペクターの事だ。恐らくフィールドランサーを量産すれば、ある程度のマージンがウリバタケに入ってくる筈だ。
 性格的には色々と問題のあるウリバタケだが、整備員という能力だけで考えれば非常に高い能力を持つ。
 今のナデシコが討伐軍最強の存在と言われているのも、ナデシコやエステバリスを十分に整備するだけの実力を持つウリバタケがいるからこそだ。
 もし今ウリバタケの機嫌を損ねてナデシコから出て行かれたりしたら、それは間違いなくナデシコにとって致命的だろう。

「ふーん……ま、それなら別にいいんだけどよ」
『おい、ウリバタケ! そろそろいいのか!』

 プロスペクターとのやり取りで放っておかれたリョーコが不満そうに叫ぶ。

「ああ! もういい! リョーコちゃんもヒカルちゃんもありがとな!」

 そう叫んで手を振るウリバタケに、2機のエステバリスはそれぞれ距離を取る。
 そしてエステバリスから降りてくると、こっちへと近づいてくる。

「で、どうだった? 使い勝手が悪いとかなかったか?」

 早速ヒカルの方へと向かって突撃していくウリバタケ。……さっきのプロスペクターと大差ない感じに思えるのは、俺の気のせいって訳じゃないだろう。

「え? うーん、そうね。まだ実戦で使った訳じゃないから何とも言えないけど、やっぱり近接戦闘でしか使えないってのはちょっと残念かな。私はそこの恋する暴走乙女のフォローとかしないといけないから、出来ればラピットライフルでもディストーションフィールドを無効化出来るといいんだけど」
「おいこらヒカル。誰が何だって?」

 ヒカルの声が聞こえていたのだろう。リョーコがジロリといった感じでヒカルを睨み付ける。
 うんまぁ、この2人は相変わらずだな。
 仲がいいようで悪く、悪いようでいいって言うか……
 まぁ、この辺は俺がナデシコに乗っていた時もいつもこうだったから、懐かしいと言えるかもしれないけど。

「アクセル……えっと、その、元気にしてたか?」

 ヒカルに絡むのを止めたリョーコが、こっちに近づきながらそう声を掛けてくる。
 ヒカルの方はウリバタケと色々話し合っているみたいだから、暇になったんだろう。

「ああ、元気だったぞ。そっちは相変わらず面白そうな日々を送ってるみたいだな」
「……別にそんな訳じゃねえんだけど……」

 ヒカルとのやり取りをからかうと、不満そうにしながらそう告げてくる。
 それでいて頬が赤いのは、やっぱりエステバリスを多少なりとも動かしたからか。
 リョーコと何でもない世間話をしながら、そう思うのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208 
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