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ドリトル先生の名監督

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第四幕その八

 王子は自分の講義、受けるそれになってです。そちらに向かいました。後は先生と動物の皆が残りましたが。
 ふとです、ホワイティが気付いたお顔になって起き上がって言いました。
「何かあるよ」
「何かって?」
「出来事がね」
 それがあると先生に答えます。
 そしてジップもです、お鼻をくんくんとさせて言いました。
「匂いが変わったよ」
「ジップもそう言うんだ」
「何かね」
「ううんと、何かなこの感触」
「何か起こる様な」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「一体」
「悪いことは起きなくても」
「こうした時ってあるね」
「そうよね」
 チープサイドの家族も彼等の間でお話をはじめました。
「勘が教えてくれるっていうか」
「ジップのお鼻は別格にしても」
「僕も感じるよ」
 皆の中では比較的のんびりしているダブダブもでした。
「今はね」
「さて、この感覚は何かな」
 トートーはその丸くて大きな目をぱちくりとさせています。
「嵐とか地震のものじゃないけれど」
「どっちも洒落になってないけれど」
 ガブガブは日本は地震が多いともうわかっているのでこのことは気をつけています。もっと言えば警戒しています。
「この感覚は確かに違うわね」
「さて、何かな」
 チーチーも感じ取っています。
「僕達の動物の勘が知らせてくれることは」
「気になるわね」
 ポリネシアは少し用心している感じです。
「これは」
「まあ本当に悪い感覚じゃないから」
 最後に言ったのは老馬です。
「ここは安心して待っていようよ」
「皆がそう言うとなると」
 先生もそんな皆の言葉を聞いて言うのでした、とはいってもいつも通りのマイペースで落ち着いてお茶を飲んでくつろいでいます。
「何かあるね」
「そう、悪いことじゃないにいしても」
「また先生に何かあるよ」
「先生の常だけれど」
「イベントだね」
「僕の人生は賑やかだよね」
 先生は笑いながらこうも言いました。
「よく何かが起こるね」
「その何かが来るんだよね」
「先生のところにね」
「それで先生はそのイベントの中に入る」
「そして僕達と一緒にそれを過ごしていくんだよね」
「そうなんだよね」
 いつもと言った先生でした。
「僕はね」
「僕達と一緒にね」
「トミーや王子も入れて」
「そしてなんだよね」
「いつも楽しくやっていく」
「大変なことがあってもね」
「大変なことがあっても」
 それでもというのです。
「いつも落ち着いて冷静だとね」
「難しい局面でも乗り越えられるんだね」
「大変な状況でも」
「落ち着いていたら」
「そうして対処したら」
「そう、焦ったり慌てたら」
 そうしたことをしたらというのです。
「解決出来ることも解決出来ないからね」
「まず落ち着くことだね」
「それからだよね」
「先生はいつもティータイムにはお茶だし」
「それだけ落ち着かないと駄目なんだね」
「僕はそう思っているよ」
 実際にというのです。
「慌てたり焦ったりとかそうしろと言われても」
「先生は出来ないよね」
「そうした性分じゃないからね」
「どんな時でも落ち着いていて冷静」
「のどかなのが先生だね」
「怖いと思っても」
 それでもなのです、先生の場合は。
「僕は焦らないんだよね」
「そうそう、まさにどんな状況でもね」
「恐怖で我を忘れたりはしない」
「何時でも自分のペースを守れる」
「それが先生のいいところなんだよね」
「僕は僕のこの性格に感謝しているよ」 
 微笑んで言う先生でした。 
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