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Liber incendio Vulgate

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Edizione straordinaria
  Along the way 4

 
前書き
この番外編、意外と続いてるな。 

 
「なんなんだテメェはよおぉ……」

「うああああぁぁぁぁぁ!!!」

「来るんじゃねえぇぇぇ!」


不夜明業界(ノクタルシア)】の下部に在る【最深学区】の一角では一方的な殲滅が行われていた。


「先に襲ってきたのはそっちだろう? まさか覚悟も無しにこの区画を歩いている人間を狙ったわけじゃないはずだよね」


野口勝哉(やぐちしょうや)》はこの手の類いとは嫌と言うほど戦りあってきた。あしらうなど造作も無いことだ。

彼は能力を使い、その辺りにある物や彼等を片っ端から弾の代わりに飛ばしている。

あまりの速さと激しい挙動で動かされるので燃えて蒸発したりバラバラになったりするが、それは勝哉の気分一つで何とでもなる。

つまり彼は目の前にいる(やから)の命などはどうでも良い。存在を目の端にすら()めていない。

勝哉が今関心を示しているのは自分と同じように襲われながらも全くピンチに見えない一人の男。

金髪に紫の瞳を持った青年。年の頃は勝哉とあまり変わらないように見える。その周りにいる(やから)は彼のことが視覚で捉えられないのかまともに近付くことも難しいようだ。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「俺に喧嘩を売ろうとは身の程知らずも良いところだな。だがその心意気に免じて少しは相手をしてやろう。この《九訝羅刹(くがらせつ)》が持つ能力【玄晃真騎(ルシェルド)】の(つゆ)となれ」


彼の姿が増える。光を操って虚像を生み出し幻を見せているようだ。それだけでなく何人かが味方に攻撃をし始めた。


「なんだあの同士討ちは? 幻を見せられる相手ならもう少し慎重に動くか感覚が元に戻るまで逃げるのがセオリーだろう。【最深学区】の人間がそんなことに気付かないわけがない。何か種があるんだろうな」


羅刹の様子を観察しながら自分の周りにいる雑魚を一蹴した勝哉は攻撃が来ても大丈夫そうなところまで寄って行く。

羅刹は幻に紛れながら相手を転ばせたりぶつけたりして遊んでいる。そしてたまに体術を()じ込んでぶちのめす。


(身体能力の時点で差がありすぎて勝負になってないな。そして何となく解ってきたぞ。光で虚像を映すだけじゃなく、脳にも影響を出しているな。テレビで言うサブリミナルのような信号を混ぜているんだろう)


勝哉の予想は当たっていた。視覚からの光信号を脳に伝え、それが全身の神経に回ることで逃げるという選択肢すら奪い去っていたのだ。


(視覚情報に頼る普通の感覚の持ち主であるならば、俺の能力は最深学区の殆どの住人に無双出来る。何せ脳神経に介入することで演算すらさせんからな)


九訝羅刹(くがらせつ)》の【玄晃真騎(ルシェルド)】に対抗するなら目を閉じて戦えるようにするか、学園都市の第一位のように有害物を自動で排除するような力が必要だろう。

結局その戦いは一方的な蹂躙に終わった。勝哉から見ても無駄な体力を使わず余計な手間を省いたやり方は鮮やかの言葉に尽きる。


「悪いが貴様等に(かかずら)っている暇は無い。これから【暗黒魔京(ディストピア)】に行って鍛えなければならないからな。俺はただの(・・・)【絶対能力者LEVEL6】という壁を越えて神の居る天界を動かす【SYSTEM】へと至るのだ」


そう言い残して歩き出した。その後ろには数十人の能力者の(むくろ)が並んで果てている。


「屍を踏み締め血の河を越える将の器。そして力で道を切り開く覇道を歩むLEVEL6か。STUDENTに居たらどうなってたかな」


勝哉は羅刹の背中を見送り反対の方向へ進む。


「それにしても面白い。暗黒魔京にはあのレベルの実力者が何人いるんだろうか。僕も目的を果たしたら壁の向こうに行ってみようかなあ。【堕烙門(ギャバン)】までしか行ったこと無いし」 
 

 
後書き
旧では九字でしたね。63計画の残骸メンバーです。出番がまず無いキャラなのでここで出しました。オリジナルのキャラは紹介した方が良いのかな。ヴェルザーさんとかもしないといけなくなるけど。 
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