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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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161部分:第二十一話 火の軍団その二


第二十一話 火の軍団その二

「殺気と闘争心に満ちている。それだけでな」
「確かにな。それはその通りだ」
「それこそが我等の小宇宙」
 それぞれの岩山の頂上に彼等が姿を現わしてきた。
「だが。それだけでは我等に勝つことはできはしない」
「今からそれを教えてやろう」
「くっ、囲まれていた!」
「しまった!」
 アステリオン達は彼等に囲まれてしまっている状況に気付き呻いた。
「しかもこの者達だけではないぞ」
「雑兵達も」
 周りにはインプ達がいた。彼等に完全に囲まれてしまっていた。
「シュラ様ここは」
「我等が」
「何度も言うが御前達は雑兵達の相手だ」
 ここでもこう言うシュラだった。
「そして狂闘士達をだ」
「左様ですか」
「それでは」
「このシュラが受け持つ」
 この意志に変わりはなかった。まさに不変だった。
「そういうことだ。では頼んだぞ」
「はい、それでは」
「そのように」
 彼等はこのようにして役割分担をした。そのうえで彼等はそれぞれの相手に向かう。修羅は今己の上に位置するその九人の狂闘士に顔を向けたのだった。
「闘いだが」
「カプリコーンよ」
 当然その中にはバドとビルフォードもいた。バドが彼に対して言ってきた。
「私がここにいるからにはだ」
「決着をつけるというのだな」
「そうだ」
 彼ははっきりとした声で答えた。
「今からそちらに行く。覚悟するがいい」
「私もだ」
 その後にビルフォードも続いた。二人でシュラの前に降り立ったのである。
「さて、二人だが」
「まずは私が行こう」
 バドが前に出ようとする。シュラはそのバドに対して言ってきた。
「二人で来い」
「二人でだと?」
「馬鹿な、我等を一度に相手にするというのか」
「その通りだ」
 その言葉には何の淀みもなかった。
「さあ、来るのだ」
「まさか。死ぬつもりか?」
「死ぬのが怖くないというのか」
 彼等はシュラの今の言葉を聞いて我が耳を疑っていた。彼等は自分達の実力では個々でシュラを倒せると信じ込んでいるのだ。
「だが。我等を愚弄するというのなら」
「容赦はしない」
 バドはその剣を前に出しビルフォードも身構える。それぞれ左右からシュラに襲おうとする。
「先の炎を私の炎と思わないことだ」
 バドは鋭い目でシュラを見据えながら言ってきた。
「私の真の炎、今こそ受けよ」
「私もだ」
 そしてビルフォードもまた今まさに攻撃を仕掛けんとしていた。
「狂闘士の力。今こそ見せよう」
「では。来るがいい」
 彼等の言葉を受けても冷静なままのシュラだった。
「このシュラもまた最大の力を以って貴様等に応えよう」
「言ったな。ならばだ」
「受けるがいい!」
 二人は同時にそれぞれ左右から攻撃にかかった。まずはバドがその炎の剣を前に突き出しビルフォードが大地を打った。そして。
「ゴルトファイエル!」
「ヘルズベアークローーーーーッ!」
 それぞれの技の名を叫び技を繰り出す。彼等にとっては渾身の攻撃だった。
「どうだ、これならばだ!」
「カプリコーン、貴様とて!」
 技を放ったうえで叫ぶ。
「よけられはしまい!」
「これで最後だ!」
 彼等は勝利を確信していた。この技で決まったと思った。黄金の炎と大地を切り裂く爪が彼を襲う。今まさにその二つで断ち切られんとしていた。しかしその時だった。
 
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