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詩集「棘」

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心を空へ放てたら



返ってこないメール
不意に差す嫌な感情…
君は誰と過ごしてる?
見上げた空には
半分の月…

向かい合って座る君
他愛ない話し…
カップから香るカフェオレの匂い…
それは全て…幻で…

心を空へ放てたら
想いは鳥となって羽ばたいて
君の元へと行けるかな?
ため息深く胸は軋んで
ただ待つだけの
今宵も一人…


明けきらない世界
薄闇を駆けるそよ風
会いたい…なんて我が儘?
秋虫の歌は
朝に黄昏れ…

笑い合って歩いてる
青い空の下…
野に咲く花さえ愛しく見つめて…
ありもしない…ただの夢…

心を空へ放てたら
漂う雲のように流されて
優しい雨となるでしょう…
恋しい気持ち捨てられもせず
愛しい君へ
言葉を紡ぎ…


心を空へ放てたら
いつかは想い忘れられる…?
傷だらけのこの心は
必死に藻掻き喘いだとして
叶うものなどあるのでしょうか?

心を空へ放てたら
想いは鳥となって羽ばたいて
君の元へと行けるかな?
ため息深く胸は軋んで
ただ待つだけの
今宵も一人…


また今日も
返るはずのないメール…

待っている…



 
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