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ハイスクールD×D暁の滅龍魔導師が守りたいもの

作者:零宮龍夜
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0章天涯孤独のドラゴンスレイヤー
  prologue.2

 
前書き
今回で過去編は終わりで次からは原作に入ります


9/11少し内容を付け足しました 

 
僕・・・暁亜蓮はあの地獄を生き残ってしまった



いや、生き繋いでしまった



あの日からもう2年も経った


ただ当てもなく各地を転々と放浪しながら、僕は魔獣や魔物をたまに賞金首とかを父さんや母さんに教えてもらった滅龍魔法やいろんな魔法で狩りながら過ごしていた
滅龍魔法っていうのは、対龍迎撃魔法とか言ってすごい強力だって言ってたっけな
父さんはそれを扱えていてとても強かったって話を聞いた事もあったな
母さんはまた別の力を扱っていたな。



だけど・・・


あの地獄で僕は何もかも失った


友達も、家も、家族も何もかも全部


何者かに全部奪われ滅ぼされた


だから、今こうして一人で旅をしている


そして、ある日の夜一つの町についてどこで野宿しようか色々と歩き回っていた時



「・・・に・・・にゃ〜」

「ん?」


不意に路地裏の方から弱々しい猫の鳴き声が聞こえた
僕は気になってその声の方に向かって走り出した
そこには、ボロボロで体のところどころから血を流している黒猫とそれを心配そうに見つめながら鳴く白猫がいた
黒猫は一目でも重傷だとわかるが、白猫の方もよく見るとところどころから白い毛が赤く染まっていた



「・・・ひどい怪我だ。早く治さないと」



僕はそう思い、2匹に近づいた、すると


「にゃ!ヴーーー」


白猫が黒猫の前に立ち僕に威嚇してきた
白猫はこの黒猫を守っているんだ


「・・・大丈夫だよ、安心して、僕は君たちを傷つけるつもりはないから」


僕はそう言いながら白猫の頭を優しく撫でる、すると白猫は安心したのか体から力が抜けてその場にぐったりすると、しばらくして寝息が聞こえた


「よっぽど疲れてたんだね。でも、もう大丈夫だよ」


僕はそう言いながら黒猫と白猫両方に天空の滅龍魔法の治癒魔法をかける
しばらく続けると2匹の傷は次第に塞がっていき。出血も止まった
僕は疲れて眠ってしまった2匹を起こさないようにゆっくり抱えると野宿の場所を探す事にした。






あれから、1時間、町のすぐそばにある山の麓にある廃墟で野宿する事を決めた、ここなら雨風もしのげるし寒さもしのげるから
僕は魔力で簡易テントを作ってその中に毛布を敷いて2匹の治療をする。
まず、体についた泥などの汚れを濡れタオルで落としてから治癒魔法を再びかける
しばらくして傷が完全にふさがったのを確認した僕は2匹を毛布に寝かせると更に上にもう一枚毛布をかけて体を冷やさないようにした。


「フゥ、いちおう治療は終わりだね。それに野宿場所も見つかったし、今日はもう寝よう」



僕はそう言って伸びをすると、2匹の隣に寝転がって抱き抱えるように眠った










それから、1ヶ月が過ぎた

僕は2匹の猫に名前をつけた


黒猫は黒歌、白猫は白音


理由は2匹の鳴き声が鈴の音色のようで、2匹で一緒にニャーニャーと鳴く時はまるで歌を歌ってるみたいだったから、そしたら、2匹は尻尾を振ってすごく喜んでくれた
二匹は僕にすごい懐いてくれる、最初はすごく警戒してたけど、次第に威嚇することもなくなって、今では真逆といってもいいほど懐いてきてくれる

僕が魔法の特訓をしてる時や食事をしている時、ほぼずっと僕にくっついて甘えてくる。でも、さすがに僕が山から下りて食料の買い出しに行く時は留守番してもらってるけどね
僕も二匹が懐いてきてくれるだけでも、十分心が満たされたような気がした。

あの日からずっと一人だったからたとえ人間じゃなくても、こうして誰かと一緒にいるのは落ち着くもんなんだって思った。
でも猫って水の類が苦手だと思ってたけど、案外そうでもなかったみたいで、普通に水浴びとか風呂に入ったりしていた
ちなみに風呂は近くにあった新品なドラム缶をこっそり拝借(盗んだ)してドラム缶風呂を作った


それで、今日も寝ようとした時、僕はある匂いを感知した。


「この匂い・・・まさか」


この匂いは嫌という程嗅いだ

そうだ、これは血の匂いだ。

それにかすかに悲鳴が聞こえる

僕は二匹を起こさないように布団から起き上がり、廃墟から出て住宅街の方に行き辺りを見渡す。
今は夜で、街並みはとても静かだが、全く人の気配がしないのがおかしい。
おそらく誰かが人払いの結界でも張ったのかな。

でも、何の目的で?

分からない。とにかく急がないと


そう思った僕は血の匂いと悲鳴がした家までまっすぐに走っていった。
そして血の匂いがした家は見た目はごく普通の家だったが、中からは濃厚な血の匂いと女性の悲鳴がよく聞こえた。
僕は音を立てないように静かに庭を覗き込んだ、すると


「この娘には手を出さないでください!!」

「いいからその娘を差し出せ、穢れた天使の忌み子を」



中からそんなやりとりが聞こえた。でも、穢れた天使?それってまさか・・・

僕は急いで中に入る、室内はとても異様だった。


「な、なに・・・これ?」



まず机はひっくり返っていて、畳もぐちゃぐちゃに窓も破られ障子も引き裂かれていて、タンスが倒れ、夕食が辺り一面に散らばっていた

そして

一人の母親と思しき女性とその娘と思われる女の子に近寄る、複数の仮面をかぶった帯刀している男性が二人囲んでいた。
僕はちらりと部屋の奥にいる親子に目を向ける。
母親は体の至る所に切り傷と痣があり、女の子をかばうように抱きしめていた、女の子は目から涙を流しながら母親に抱きついて体を震わしていた。


「この娘は私とあの人の大切で大事な娘!!なにがあろうとも絶対に渡しません!!」


「貴様も黒き天使に心を穢されてしまったようだなーーーならば致し方ない」



そして男は刀を抜き放ち、真上に上げ構えると、斬りかかろうとする



「母さまぁぁぁぁぁぁっ!」



女の子の悲鳴が響く


お前は・・・まさかその刀でその二人を殺すつもりなのか!?

くそっ!?間に合うかっ!?

ここから、あの女性のところまでは少し距離がある

いや、間に合わせるっ!!

僕は足腰に力を入れ


「やらせるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



僕はそう叫びながら、駆け出し、男と女性の間に駆け込むと、瞬時に右腕を鋼の剣に変えて、振り下ろされた刀を防いだ


ギィィィィンンン!!


振り下ろされた刀と僕の鉄龍剣は甲高い金属音を鳴らした
刀を振り下ろした男だけでなく、その場の全員が僕を見て目を見開く


「なっ!?貴様何者だっ!?」

「バカなっ!なぜここに子供がいる!!人払いの結界を張っているんだぞ!!」

「・・・よかった、間に合った。」


僕は口々に驚愕の声を上げる男達の声を無視し、間に合ったことに安堵しながら、後ろにいる二人の親子に目を向ける
近くで見たらよくわかる
母親の傷は重症とまではいかないけど、かなり傷つけられたってことがわかった。


「・・・大丈夫ですか?」


僕は2人に声をかける。


「え、ええ、私も朱乃も無事です。だけど貴方は?」

「なら、すこし待っててください。この人たちを倒したら、貴方達の治療をしますから!!」


そう言いながら、僕は刀を持った男を押し切り、後ろに後退させる
男は他の男達がいるとこまで下がった後、僕をギロリと睨みつける


「なんだ貴様は?なぜ我らの邪魔をする。その者らは貴様と無関係なはずだが?」


男はそう言ってきた。

うん、確かにそうだよ。この人たちはついさっき初めて会ったばっかの赤の他人

だけど・・・


「確かに僕はこの人たちのことは何も知らない。何をしたのかも知らない。でも・・・だからといって殺すのは間違ってる。」

「ふん、貴様のような餓鬼が知る必要はない。さっさとそこを退け、さもなければ、貴様から殺すぞ?」


男の言葉に他の男も抜刀しさっきを放ちながらこちらを睨みつけ刀を構えてきた。
僕はその様子に薄く笑いながら両腕を構えながら言う


「殺す、か・・・いいよ、僕は絶対に2人を守り抜く」

「ふん、貴様のような餓鬼に何ができる。やれ!!」

「「はっ!!」


男の言葉に2人の男は僕に斬りかかってくる。


「鉄龍剣、氷龍刃!!」

「なっ!?」

「腕の形状が変わっただと!?」


僕は右腕を鋼鉄の剣に、左腕を氷の剣に変えてそれを迎え撃つ。
男達は僕が腕を剣の形状に変えたことに驚いていたけど、すぐに気を取り直して刀で斬りかかってくる
それからは男達が縦横無尽にふるってくる刀を時には避け、時には防ぎ、そして可能ならば刀を叩き割っていく
避けては斬りつけ、避けては蹴り、殴り斬り蹴り続けた


ーーーそれを繰り返すたびに僕の体は悲鳴をあげ、体力をどんどん消耗していく。

その上僕の体はまだ子供、まだ完全には出来上がってない。
だから、滅龍魔法を使うのに多大な負担がかかる。さらには複数の属性を使っているんだ。一属性ならまだしも複数はかなり負担がかかる

もう、体も限界だーーーでも、僕は後ろの2人を守るって決めた!!

だから、絶対に倒れない!!


「はぁ、はぁ、はぁ・・・くそっ、結構やばいなこれ」


だけどやっぱりいくら滅龍魔法で体を強化しているからといっても所詮は子供、複数の大人を完全に叩き潰すには力不足だった。

数にしたら三人、しかも、最初に鍔迫り合いした奴も立っていやがる

そして次の攻撃に移行しようとした時、俺は不意にガクンッと膝をついた、それと同時に腕の剣も解除され元の形に戻る

やばい、もう限界か

体の内部がボロボロになり、魔法の負担がかかりすぎたのか、口の端から血を流す

僕は膝をつきながらも、地面に拳をぶつけて男たちを睨みつける


「ま、だだ・・・まだ、いける!!」


僕は口の端から垂れる血をぬぐいながら、再び足腰に力を入れて、拳を握る


「この糞餓鬼が、手こずらせやがって、まあいい、貴様ももう限界のようだしな、その命をもって償え!!」

「何が、償え、だ・・・お前らが全部正しい風に、言いやがって、お前らは人を簡単に殺そうとした、それが間違ってんだよ!!!」



まだいける

まだ体に力ははいる

拳も握れる

魔力も残っている

なら戦える!!

敵が目の前にいて、守るべき人が後ろにいるなら


「僕は・・・俺は絶対に2人を守る!!!」


そう叫びながらゆっくりと立ち上がり、再び鉄龍剣と氷龍刃を展開し一気に男達に駆け出す


「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!氷刃鉄牙斬!!」


俺は鉄と氷の斬撃を幾重にも喰らわせ、男達は鮮血を撒き散らしながら傷口を凍らせ次々と倒れていった

・・・そして俺はその場で両膝をついて荒い呼吸を繰り返す


「だ、大丈夫?」

「あ、ああ、大丈夫だよ」


俺は母親の手から離れた女の子に向かってそう微笑む

しかし、次の瞬間ぞくり、といやな気配を感じる

バッ、と男達の方に目を向けると。

男の一人が鮮血と氷を撒き散らしながらフラフラと立ち上がっていた。


「まだ、動けんのかよっ!?」


俺はそう言いながら、女の子を庇うように前に立つ

くそっ!!一応今全力で叩き込んだんだぞ!?

まさか、俺の力が不十分だったからなのか?

だったら、最悪だ!!

男は立ち上がるともう一つの鞘から別の刀を抜く

その瞬間、嫌な感じはさらに濃厚になる


まさかあの刀・・・・妖刀か!?


まずい!!本当に妖刀なら今の俺の状態だと受け切れないかもしれない


「お、のれ・・・この餓鬼がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



男はそう叫びながら俺に向かって斬りかかってくる

くそっ、こうなったら、もうやけだ!!

俺は女の子を後ろに突き飛ばし、右拳に光のオーラを纏わせる


「聖龍の輝拳!!!」


俺の光の拳と男の妖刀はぶつかるとしばらく拮抗したが、だんだんと妖刀が押し返してきた

ぐぅっ!!やっぱきつい!!

でも、諦めちゃダメだ

このままだと俺も死ぬし、後ろの2人も死ぬ

そんなことはさせない!!

なら力を込めろ!!

ないなら絞りだせ!!

もう二度と失わないために!!!



「おおおおぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッ!!!!!!」



俺は最後の力を振り絞り、妖刀を砕きそのままの勢いで男の腹部に拳をめり込ませる


「なにっ!?ぐぁぁぁぁぁぁ!?!?」


男は血反吐を吐きながら部屋の木の柱に勢いよくぶつかり、気を失った
それと同時に俺も両膝をついて口から血反吐を何度も吐きながら荒い呼吸を繰り返す


「はぁ、はぁ、はぁ、ゴフッ・・・ははっ、少し無茶しすぎたな」


俺は口から吐き出した血の塊を見ながらそう力なく笑う

その時、不意に家の外から一つの気配がものすごいスピードで向かってくるのを感じた。


「朱璃!!朱乃!!無事か!!」


すると、庭の方から一人の男性の声が響いてきた

そっちに目を向けると、真っ黒い翼を持った一人の大柄な男がこっちに向かって駆け寄ってきた


「あなた!!」

「父さま!!」


母親と女の子は駆け寄ってきた男性に近寄り三人で抱きしめあった。
どうやらあの男の人が母親の夫で、女の子のお父さんらしい
男は2人をしばらく抱きしめた後、体を離し周りを見渡し、次に俺の方を見てきて、恐る恐ると聞いてきた


「まさか、君が2人を助けてくれたのか?」

「・・・・(コクン)」


俺はその問いに静かに頷く

すると、男は大粒の涙をこぼしながら、頭を下げてきた


「ありがとう!!君がいなかったら、2人は今頃どうなっていたか・・・!!本当に2人を助けてくれてありがとう!!!なんと礼をすればいいか・・・!!」

「・・・俺は、助けたいと思ったから2人を助けただけだ。別にそんなつもりで助けたつもりはない・・・ただ」


俺はそこで一旦口を閉じ、家の外に歩き出す。そして庭に出たところで三人の方に振り返りこういった。


「大切な家族なら、危険な目にあわせるなよ・・・失いたくないなら」


これだけは言わないといけないと思った

だって、そうだろ

この世に家族以上に大切なものなんてないんだ

だから、俺みたいに家族を失って欲しくない

それに、あの女の子には家族を失うつらさを味わって欲しくないからな


「ま、待ってくれ!!せめて君の名前を教えてくれないか?」

「・・・・ただの旅人だ、名乗るほどのものじゃない」


俺はそれだけ言うと、家を後にして廃墟の方にゆっくり歩き出した











「はぁ、はぁ・・・黒歌、白音、ただいま」


俺は廃墟に着いたとたんに、しいていた毛布の上に倒れこむ
すると、留守番をしていた黒歌と白音が心配そうな声をあげながら、俺の元に近寄る
俺は二匹を心配させないように、二匹の頭を撫でながら微笑む

でも


「にゃぁぁんん!」

「にゃん!にゃにゃー!」


二匹はかなり心配なようで全然落ち着いてくれない

まあ、原因は俺だし仕方ないか


「ごめんな、心配かけちまったな・・・でも、俺は大丈夫だ。なんたって、俺は滅龍魔導師(ドラゴンスレイヤー)だからな」


俺の言葉に二匹は鳴くのをやめて俺の顔を見てぽかんと二匹揃って首をかしげる

まあ、猫にはわからないよな。

俺は二匹を抱え上げて抱きしめるとそのまま横になり毛布を被る


「さぁ、今日は疲れたからもう寝よう。」


そして俺は二匹を抱きしめながら眠った









そしてその1年後彼は堕天使中枢機関通称『神の子を見張るもの(グリゴリ)』に保護され、さらにその5年後駒王学園に入学した彼は、その1年後に様々な事件に巻き込まれていく





 
 

 
後書き
これで過去編は終わりです

どうでしたか?

自分としては一人称は初めて書いたので不安なのですが、楽しんでくれたら幸いです


次回からは原作1巻旧校舎のディアボロス編が始まります

 
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