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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)

作者:あちゃ
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第64話:準備は入念に、実行は慎重に。

 
前書き
※注意!!
今回のエピソードには、若干のアダルティー感が含まれております。
読者様方には自己責任と言う事で宜しくお願いします。
「今更何言ってんの?」とか言わないでね。 

 
(グランバニア城・国王主席秘書官執務室)
ウルフSIDE

俺は自分の執務机で二つに折り畳める手鏡を覗きながら、髪型を手櫛で整える。
以前からナルシスト気味な発言があったが、遂にここまで来たのか……って感じの視線を俺のスタッフから浴びせられる。

だが仕方の事なのだ……
何せ俺は、仕事もしないで手鏡見てニヤ付いてるんだから。
何故にナルシスト道を極め始めたかと言うと、数日前に遡る……

ラーミアを使ってマオさんをホザックに送り届けた時、リュカさんから受け取ったのが事の始まりだ。
つまり……この手鏡はスパイ道具なのだよ。
もっと詳しく説明しよう。

俺には二つ折りの手鏡……
マオさんには女性が所持してても違和感無い化粧用のコンパクト……
だけど本当はスパイ道具。

マオさんに渡されたコンパクトは、見た目も性能も通常のコンパクトと同じなんだけど、とある操作をすると撮影機になる。
コンパクトを開いて上部の鏡部分にマオさんの指を……薬指→人差し指→中指と小指の同時……と順番に1秒押し当てると、鏡部分の裏……つまり蓋部分が撮影機になり映してる映像を鏡だった場所に表示される。

その映像はその場の音声と共にリアルタイムで俺の手鏡に送られる。
撮影機の状態を解除する場合は、コンパクトの蓋を閉めれば元に戻り、先程と同じ様に指を押し当てないと撮影状態にはならない。

女性がコンパクトを覗き込んでても不思議じゃないし、他人に覗かれそうになったら一旦閉めればスパイ道具である事はバレない。
更に凄いのは、マオさんの指じゃなきゃ撮影機状態にはならないって事だ。

リュカさんが言うには『人間の指には、人それぞれ違う模様が付いている。これを指紋と言うんだけど、正確に認識できれば生体キーになる』との事だ。
だから撮影機状態さえ見られなければ、他の誰からもスパイ道具だとは知られる事がないのだ。

そして俺の持つ手鏡だが、これも同じ様な仕組みになっている。
違う点は、俺の手鏡は撮影機にならないって事だ。
これは受信機で、マオさんが撮影した映像と音声を、俺の手鏡だけが見る事が出来るのだ。

しかもこの手鏡には保存機能も搭載されており、送られてきた映像を50件まで保存できる優れものだ。
なので俺の都合で映像確認が出来、マオさんの都合で送られてきてもコソコソする必要がない。しかも50件を超えると、一番古い映像から順に勝手に消えていく。

因みに、俺の手鏡を受信機状態にするには……小指→親指→人差し指と薬指の同時→親指と中指の同時……と順番に1秒押し当てる。
解除方法は撮影機と同じで、一旦蓋を閉じればOKだ。

この道具がある事で、マオさんはホザックの機密書類等を盗まずに済む。
機密書類等を見つけたら、この道具で撮影して俺に送信し、書類自体は元に戻せばバレる事はない。
まぁグランバニアの金庫の時のように、弄った事がバレては無意味だけどね。

話を戻そう……
つまり、俺は時折手鏡を覗かなければならないのだ。
しかも覗いてる本当の理由は誰にも秘密で。

マオさんからのスパイ情報を確認する時だけ鏡を見ていては怪しすぎる。
だからナルシスト全開で、常日頃から鏡を見る必要があるのだ。
まぁ何時映像が送られてくるのか判らないってのもあるけどね。

因みにマオさんには、このスパイ道具はグランバニアで開発されたと教えている。
MH(マジックフォン)を参考に、改良をグランバニアの技術者が加えたと教えている。
本当は……嘘だ。(本当は嘘って言葉にすると難しいな)

真実は……全部アリアハン製だ。
リュカさんがヒゲメガネを脅してMH(マジックフォン)を改良させたんだ。
もしかしたらホザックと戦争になるかもしれない、だけどグランバニアは戦争を望んでない、だから手を貸せ……的な事を言ったらしい。

俺の予想では、戦争になったら面倒臭いので、全世界を征服しちゃうかも……とか言ったと思ってる。
リュカさんにはそれだけの実力があるし、ヒゲメガネにそれを止める術は皆無だと思う。
リュカさんにとっても不安点・ヒゲメガネにとっての希望点はティミーさんだが、彼を説得するのは父親にとって簡単だ。

だからヒゲメガネも、こんな怪しい道具を作るのに好意的じゃなかったけど、断る事も出来なかったんだと思う。
だから誰にでも使用できるような道具にしないで、指紋というミクロの世界での識別装置を採用させたんだと思う。リュカさんも世界征服なんてしたくないみたいだからね。

さて……これでマオさんとの間にホットライン(一方通行)が出来たのだが、彼女への報酬を支払わなければならない。
その方法なのだが、月に一回……決められた週にホザックの在る地点へ、俺自らが給与を隠しに行くようになっているのだ。

在る地点とはマオさんと協議して3カ所に選定してあり、その何処かに月々の給与とボーナスを隠しに行くのだ。
3カ所の何処であるかは俺が勝手に決めて良く、マオさんは給与が隠された週以降に探しに行く事で授受が成立する。

給与額はグランバニアの一般メイドと同額。
上級メイド出身のマオさんには、減額したような印象を持たれるだろう。
だが彼女はスパイなので、得た情報の質によって月々支払われる給与にボーナスとして追加されるのだ。
もっと詳しく説明しよう。

マオさんが撮影機を使用して俺の受信機に情報を送ってくる。その情報が有用であると判別できた時点で、情報の価値を俺が算出しボーナスに影響させる。
なお、通常給与が支払われる条件として、重要なスパイ情報が手に入らなかった時でも、スパイ活動がバレてない証として定時連絡を週一回のペースで送らなければならない。

ホザックにスパイ活動がバレたときのために、定時連絡で暗号を用いる事をリュカさんに勧められた。
だから俺はマオさんに『定時連絡の映像はマオさんのア○ル・オナ○ーでお願いします。ホザックにバレて、それを悟られないように強制されてる時は、普通の定時連絡でお願いします。普通の定時連絡が来たら給与の支払いを止めますから(笑)』と伝えた。

うん。殴られたね。
でもね俺は引き下がらなかったよ……だって定時連絡なんて、自室で誰にも知られないように行う事でしょ。他人にそんな痴態を見せるなんて誰もが嫌がるから、暗号としては最適だと思うんだよね。だから俺は毎週一回、マオさんの○ナル・オ○ニーを観賞できるのだ。

そのくらいの役得があっても良いだろう!
スパイ活動の件は、全て俺だけで管理する事になったのだ。
万が一の為に、国王陛下にはスパイ活動の事は知らないって事にしてあるんだ。

実際は知ってるんだけど、情報の内容などは俺だけが管理し、分析もして国政に反映させる事になるのだ。
これはティミーさんが国王になった時の対策で、彼に後ろ暗い活動は教えられないのだ。
彼は公明正大な国王でなければならない。

だから汚れ仕事は俺が担う事になった。
ね! 役得くらい有っても良いでしょ?
殴られたくらいで引き下がる訳ねーっての!

そんな訳で、俺は普段から手鏡を覗く習慣を身に付けてる。
マリーからは『キモい』と言われた。
リューノからは『どうしちゃったの? 大丈夫?』と心配された。

レクルトは俺が手鏡を覗いて髪型を整えてるのを見て『あ~あ……』て言いやがった。
アローは『アニキ……そりゃないよぉ。折角真面な部分が残ってたのにぃ……』と言った。
何奴も此奴も……俺だってやりたくてやってる訳じゃねーよ!

しょうがねーだろ……これも仕事の一環なんだから。
俺だってそこまで馬鹿丸出しのナルシストじゃない!
でも我慢する。マオさんのアナ○・○ナニーを観賞する為にね!

あぁ因みに……オジロン閣下が『今更子供が出来てしまうのは困る』と言ったそうで、マオさんの後ろは貫通済みだそうです。
本人(マオさん)が言ってたから間違いない。

余談だが、既に一回……定時連絡を受け取っている。
恥ずかしそうに……そして屈辱的に自分の菊座を弄ぶマオさんの姿に、とっても興奮した事を宣言しよう。
オジロン閣下、羨ましいぞぅ!

「ウルフ様……陛下がお呼びです。応接室までお願いします」
マオさんの痴態を思い出しながら手鏡を覗いていると、新任上級メイドのジョディーが俺の執務室に入ってきて、リュカさんからの呼び出しをキツイ口調で伝えた。

何だぁ~? ま~た面倒事かぁ……?
無視したいけど、そんな訳にもいかないし、ユニさん達に目で合図して部屋を出て行く。
あ~あ……俺は何時になったら安らぎを得られるのだろうか?

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
また新たなアイテム登場……しかもマスタードラゴンが作った。
もうそろそろヒゲメガネの愛称を
ドラ○もんに変えようかと思うんだけど……どう? 
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