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ドリトル先生の名監督

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第四幕その一

                 第四幕  部員の人達からのお願い
 相撲部の人達にお話をしてでした、二日位先生はいつも通りの日常を過ごしていました。この日の講義のない時間はです。 
 動物の皆と一緒に学校の博物館で色々な歴史的な資料を観て回っていました、八条大学は博物館も充実しています。
 先生達は今は中南米の遺跡の前にいます、建物の中にそうしたものが保管されているのです。
 大きな石の顔を観てです、動物の皆は先生に言いました。
「いつ観てこのお顔はね」
「凄いよね」
「大昔にこんなもの造るなんてね」
「中南米も凄いよね」
「凄い文明だよね」
「うん、中南米の文明はね」
 先生も皆にお話します。
「かなり高度な文明だったんだ」
「こうしたお顔を造ったりね」
「あとピラミッドもあるしね」
「レリーフとかもあって」
「街だって凄かったらしいし」
「そう、残っているものは少ないけれど」
 それでもというのです。
「この通りね」
「凄いんだね」
「残っているものからも伺える」
「その凄さが」
「そういうことなんだね」
「そうだよ、凄い石器文明だったんだ」
 それが中南米の文明だったというのです。
「金属は発達していなかったけれどね」
「ああ、そういえばね」
「中南米の文明って銅とか鉄はないよね」
「そうした金属はね」
「何かね」
「うん、そちらは発達しなかったけれど」
 この辺り鉱山の有無も関係あったといいます。鉱山がなければ銅や鉄が普及することもないからです。それがないと。
「その文明は決して低いものではなかったんだ」
「むしろ何かね」
「当時の欧州の文明よりもね」
「優れているところが多い?」
「そうだよね」
「うん、文明や文化は同じ物差しで測れないし」
 このことからお話する先生でした。
「事実中南米の文明はそうだったよ」
「当時の欧州の文明と比べても」
「優れている部分が多かった」
「そうだったんだね」
「そうだよ、欧州の文明も劣っていなくて」
 そしてというのです。
「中南米の文明も劣っていなかったんだ」
「そうだったんだね」
「どちらも優れていた」
「そうだったのね」
「そのことを頭に入れておかないと」 
 それこそというのです。
「偏見につながるからね」
「偏見はよくないわね」
「それがある人多いけれど」
「偏見は目を曇らせる」
「そういうことね」
「そう、僕も気をつけているよ」
 偏見というものにはです。
「さもないと学問も何もかもを曇らせるからね」
「先生いつもそう言ってるよね」
「偏見には気をつけないとって」
「それは目や耳を曇らせるから」
「だからだって」
「そうなんだ、だからこうしたものを見ても」
 それでもというのです。
「偏見を持ってはいけないんだ」
「そういうことだね」
「それじゃあね」
「僕達もね」
「気をつけるよ」
「そうしてね、それと」
 ここでまた言った先生でした。
「中南米の次はね」
「ええ、今度はね」
「何処に行くの?」
「それで」
「今度はメソポタミアのコーナーに行こう」
 こちらの古代文明の方にというのです。 
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