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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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136部分:第十六話 西部にてその六


第十六話 西部にてその六

「それもかなりな」
「かなりか」
「御前達もだ」
 アステリオンは今度は青銅の者達にも顔を向けて言った。
「御前達の力もこの戦いでは存分に発揮される」
「我々もなのか」
「アステリオン、そうなのですか」
「狂闘士達はこのシュラに任せるのだ」
 シュラは彼等に対しても告げた。
「御前達は俺のフォローを頼む」
「無論それだけではない」
 アステリオンはシュラをフォローするようにしてまた口を開く。
「我等の役目はな。まあそれは戦いになればわかる」
「その時にか」
 トレミーは今度は特に何も言うことなく彼の言葉を聞いた。
「わかるというのだな」
「その通りだ。さて」
 アステリオンはここまで話したうえで話題を変えてきた。
「戦いは終わった」
「そうだな。それはな」
 トレミーはアステリオンの言葉に頷いた。
「では。また車に戻るか」
「シュラ様」
 オズがシュラに声をかけた。
「ではまた車にお乗り下さい」
「出発しましょう」
 サミュエルも彼に対して声をかける。
「そして暫くしたら宿を見つけ休みましょう」
「それで宜しいですね」
「宿がなければテントになるな」
 シュラは彼等の言葉を受けて静かに述べた。
「それならそれでいいのだがな」
「いえ、やはり黄金聖闘士ともあろう方に野宿していただくわけにはいきませんし」
「もうすぐ街があります」
 ライマンとザンドルフが述べてきた。
「ですからそこで休みましょう」
「食事も」
「アメリカの料理は噂程酷くはないな」 
 シュラは今度はアメリカの料理について言及した。
「思ったより遥かにいい」
「そうですね。それは」
「量はかなりですが。甘いものが以上に多いですし」
「我等にとってそれは大した問題ではない」
 それは気にしていないシュラであった。
「栄養さえあればな」
「それは確かにそうですね」
「我々にとっては」
 彼等もシュラのその言葉に納得した顔で同意するのだった。何故なら聖闘士は音速や超音速、黄金聖闘士に至っては光速で動く。それだけ多くのエネルギーを消耗するということでもあるのだ。
「ではそういうことは意識せずにいきましょう」
「俺は甘いものは好きだ」
 シュラはここで意外な言葉を口にしたのだった。
「だからそういうことは気にしなくてもいい」
「そうなのですか!?」
「甘いものも」
 これは他の聖闘士達にとっては意外なことだった。シュラはその顔から甘いものがいけるとはとても想像できなかったからである。
「大丈夫なのですか」
「それならそれでいいですが」
「とにかく食べに行くぞ」
 シュラは少し急かした感じになっていた。
「わかったな」
「はあ。それでは」
「行きましょう」
 何はともあれ車に乗りそのうえでまた進む。夜の前に街に入りそのうえでその街のレストランに入った。街は内陸だが河港にありかなり大きな街であった。
 レストランもまた立派なものだった。白を基調とした南部の古い様式のそのレストランでステーキやサラダを食べている。そのステーキはどれもかなり大きい。
「これがアメリカのティーボーンステーキか」
「案外いけますね」
「そうだな」
 シュラはトレミーの言葉に対して頷きながら食べていた。彼は今巨大なステーキをフォークとナイフで食べている。ステーキは湯気を出し上に乗せてあるバターが程よく溶けている。客は彼らの他にも数人いる。アメリカらしく白人もいれば黒人もいる。ただし白人は白人同士、黒人は黒人同士で固まっている雰囲気はあった。
 
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