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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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132部分:第十六話 西部にてその二


第十六話 西部にてその二

「四柱の神々だな」
「そうです。まだ目覚めてはいませんが」
「目覚めればその時は大きな脅威となる」
 シオンは言う。
「確実にだ。ただでさえ狂闘士達に対しても激しい戦いを繰り広げているというのにだ」
「その通りです。しかし敗れることはできません」
 シャカの言葉も何時になく鋭いものになっていた。
「何があっても」
「今出陣しているシュラもだ。決してな」
 彼等はシュラの勝利を願っていた。その時彼はニューヨークから陸路で南西部に向かっていた。当然ながら狂闘士達を追ってのことだ。
「それでシュラ様」
「狂闘士達の行く先ですが」
「小宇宙は感じている」
 シュラがサジッタのトレミーとハウンドのアクテリオンに応えていた。今彼等は聖投資の一人が運転するマイクロバスに乗っていた。そのうえで話をしていた。
「確かにな」
「それで今こうして南西部に向かっているわけですが」
「しかしです」
 トレミーとアクテリオンは難しい顔をしてシュラに述べた。見ればトレミーは細身で鋭利な顔をしておりアクテリオンは何かを見抜くような目をしている。
「果たして何処に行くかですね」
「まずそれがわかりません」
 こうシュラに言うのだった。彼等は今は私服姿でありズボンだ。
「一体何処に行くのかが」
「南西といえばテキサスの辺りですが」
「テキサスか」
 シュラはテキサスという地名を聞いてまた考える顔になった。そのうえでまた述べる。
「あの場所は独特の場所だったな」
「一面見渡す限りの荒野です」
「それこそ決闘に相応しい場所です」
「決闘か」
 シュラはアクテリオンの言葉を聞きそのうえで述べた。
「だとすればそれを考えてのことかも知れない」
「それとは?」
「一体」
「狂闘士は闘いにより生きている」
 その血の色の戦衣にもそれは現われている。
「その彼等が我等を導く場所といえば」
「やはり戦場ですね」
「それ以外はありません」
 二人もそれはよくわかっていた。
「ではやはり彼等は我々を闘いに相応しい場所に誘い込んでいると」
「そういうことになりますが」
「それならそれで好都合ではある」
 シュラは二人の言葉を聞きながら言った。
「このシュラの剣で一人残らず斬り捨ててやろう」
「我等もまた」
「及ばずながら」
 ここで青銅の者達にシュラに対して言ってきた。彫刻具星座のライマンと彫刻室星座のオズがまず声をかけてきた。ライマンは黒い髪の優男でオズは銀色の髪を持つ何処か神秘的な少年だった。
「闘わせて頂きます」
「ですから。御安心下さい」
「油断はするな」
 シュラはその二人にも沈着な声をかけた。
「決してな」
「はい、それはわかっています」
「ドイツでもデスマスク様が苦戦されたそうですし」
「ベルゼブブのカナン」
 シュラはそのデスマスクと闘った男の名を口にした。
「あのデスマスクと闘い生きているとはな」
「黄金聖闘士といえば聖域の象徴とも言える存在」
「その方と分けられるなぞ」
「俺の相手はベールのジーク」
 シュラは己の相手が誰かよくわかっていた。
「この男は。倒しておこう」
「今後の戦いの為にも」
「そうですね」
 次に言葉を出してきたのはレチクル星座のサミュエルと六分儀星座のザンドルフだった。サミュエルは車を運転しており険しい顔立ちの赤髪の男だ。ザンドルフは癖のある髪をしている小柄な男だった。
 
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