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おぢばにおかえり

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第三十四話 あちこちでその十五

「本当にね」
「そうなんですね」
「そう、よく覚えておいてね」
「わかりました」
「これどの宗教もだから」
 仏教だけでなく、です。
「キリスト教でもね」
「ああ、カトリックとプロテスタントですね」
「それと日本には殆ど入っていないけれど正教もよ」
「ああ、ギリシア正教ですね」
「ロシア正教もよ」
「同じキリスト教でも違うんですか」
「そうなの、具体的には」
 私は阿波野君にお話しました。
「正教だとイコンあるでしょ、あの絵」
「ああ、ロシアのお家とかにある」
「それと昔は正教の総主教さんは皇帝だったから」
「皇帝ってロシアの」
「昔はビザンツ帝国のね」
 このことは学校の授業でも教えてもらいました、私の場合はその前に実家の教会に寄り合いで来た神父さんに教えてもらいました。
「皇帝が教皇だったの」
「世俗の権力と一緒だったんですね」
「ええ、そこが違って」
 私は阿波野君にさらにお話しました。
「神父さんと牧師さんも違うのよ」
「そういえばどう違うんですか?」
「カトリックが神父さんなの」
 私はこちらのお話もしました。
「それでプロテスタントが牧師さんよ」
「それぞれ違うんですね」
「ええ、呼び名がね」
「あとローマ法皇はカトリックですよね」
「カトリックの一番偉い人よ」
「それは僕も知ってます」
 流石にあまりにも有名だからみたいです。
「けれど神父さんと牧師さんで違うんですね」
「日本じゃあまり意識されてないけれどね」
「違うんですね」
「そうなの、覚えておいてね」
「わかりました」
 阿波野君は私の言葉に素直に頷いてくれました、ここで西の礼拝堂の前に来たのでまた礼拝です、それからまた阿波野君にお話しました。
「神父さんは独身でね」
「牧師さんは違うんですね」
「牧師さんは結婚していいの」
 このことも阿波野君にお話しました。
「こちらはね」
「キリスト教は結婚したら駄目だったんじゃ」
「だからそれはカトリックで」
「そうなんですね」
「牧師さんはいいの、プロテスタントをはじめたのはマルティン=ルターだけれど」 
 教科書にも出て来るあの人です、かなりアグレッシブな人らしいですけれどかなりのビール好きだったと聞いてもいます。
「この人結婚しててしかもかなりの子沢山だったの」
「へえ、そうだったんですね」
「ええ、そうよ」
「それは知りませんでした」
「あとお坊さんは今は結婚出来るから」
「それは知ってます」
 お坊さんのことはとです、阿波野君はすぐに返してきました。
「実際奥さんやお子さんいますからね」
「そうでしょ」
「うちの近くのお寺も」
「そうでしょ、だからね」
「今は宗教の人もなんですね」
「家庭あるわよ」
 そのお坊さんもです。 
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