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SAO~円卓の騎士達~

作者:エニグマ
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第四話 ビーター

~シンタロー side~

今日は第一層の攻略。
と、同時に俺達が悪役になる日だ。
今、俺達はボス部屋へ向かってる最中だ。

クロハ「ただいまー。」

頭の中にクロハの声が響く。
もう帰ってきたのかよ。

シンタロー「丁度良い、お前も攻略手伝え。」
クロハ「え、面倒クサイ。」
シンタロー「キドとアヤノから一発ずつ。」
クロハ「是非、やらせていただきます。」
シンタロー「能力貸してくれればそれでいい。」
クロハ「りょうかーい。」

しばらく歩いていると、後ろからキリトの声がした。
どうやら、昨日組んだアスナがスイッチの仕方を知らなかった、と言うよりもスイッチ自体を知らなかったらしい。
今まで一回も組んだ事無いのかよ。
今、キリトが必死にスイッチについて教えている。
大丈夫か?

クロハ「言ってもお前もこいつら以外と組んだこと無いだろ。」
シンタロー「人の思考を読むな。」
クロハ「コミュ障。」
シンタロー「やかましい。」

なんだかんだあったが無事にボス部屋に到着。
全員、アイテムと武器を確認、HPも回復し、ボス戦への準備を整える。

ディアベル「みんな、俺から言うことは一つだ。 絶対に勝とうぜ。 行くぞ!」
全員「「「「「「「おぉぉぉぉーー!!!!」」」」」」」

ディアベルがボス部屋の扉を開き、全員固まって中に入る。
ボス部屋は縦に細長い構造をしており、一番奥にボスのイルファング・ザ・コボルトロード(コボルト王)がいた。

コボルト王「グオォォォ!!!」

コボルト王が雄叫びをあげると共に、周りにルインコボルト・センチネルがポップする。
死闘が始まった。

アーサー「ボスの攻撃は俺が弾く! 他の奴はその隙に攻撃してくれ!」

この中で最もレベル、筋力値、耐久値が高いアーサーが壁になり、他はその隙に攻撃に入る。
取り巻きも簡単に倒していき、攻略は順調に見えた。

そしてボスのHPが四本目まで削られ、腰に付けていたタルワールを、って、違う。
タルワールじゃなくて野太刀だ。
まずい!

シンタロー「武器が違う!! ディアベル! 退がれ!!」

一番前にいたディアベルに向かって叫ぶ、が、遅かった。
コボルト王はソードスキル<旋車>を放ち、ディアベルが転ぶ。
さらに高く跳び上がりソードスキル<浮舟>を放とうとしている。
<浮舟>はコンボスキル。 一度喰らうと、大ダメージは避けられない。

アーサー「うおらぁぁぁぁ!!」

アーサーが<浮舟>を受け止めようとするが、流石に押されかけた。しかし、上手く攻撃を流し、ディアベルを掴んで離脱する。
だが、アーサーの両手剣は耐久値が切れ、ポリゴンとなり爆散する。
さらに、取り巻きのルインコボルト・センチネルが六体もポップする。
どうすればいいんだ、この状況。

クロハ「落ち着け、取り巻きはお前とサクマ、コジロウで一体ずつ抑えられる。 ボスはこいつらだけでも平気だろ。」
焼き付ける蛇「主、「冴える」の言う通りだ。 一回落ち着いて。」

クロハと「焼き付ける」の声が頭の中に響き、落ち着きを取り戻す。

シンタロー「俺とサクマ、コジロウは後ろの援護に行く! アーサー! あれ使え!」
アーサー「言われなくても!」

アーサーがメニューをいじり、サブウェポンにとっていた、両手剣(リトルネペントからドロップした奴。)を装備する。

アーサー「作戦はさっきと同じだ! ただし、絶対に周りを取り囲むなよ! 範囲攻撃が来るからな!」

そして、一度崩れかけた戦線もそこまで崩れること無く建て直すことに成功した。
そして、コボルト王のHPも最後の一本のイエローゾーンに入った。
そこでコボルト王がまた高く跳び上がり<浮舟>を放とうとする。
それと同時にアーサーが武器を捨て、コボルト王同様、大きく跳び上がる。
そして、コボルト王を叩き落とした。

アーサー「何も跳べるのはお前だけじゃないんだよ!」

コボルト王は地面に叩きつけられ、さらにバッドステータス<転倒>が発生する。
そこにプレイヤーの攻撃が集中し、コボルト王のHPがレッドゾーンにまで追い込まれる。
そこでコボルト王が<転倒>から復活し、範囲攻撃を放つ。
プレイヤーが吹き飛ばされる。
そしてコボルト王は追撃の体勢に入るが、真上からアーサーの踵落としが頭の頂点に当たる。

アーサー「させるわけねぇだろ! アスナ! キリト! 決めろ!!」

モンスターは頭に強烈な打撃系攻撃を喰らうと、数秒動作が止まる事がある。
今回もそれが起こり、コボルト王の動きが止まる。
そこにアスナの<リニアー>とキリトの<バーチカル・アーク>が決まり、ボスのHPが完全に削りきられた。
コボルト王がポリゴンの固まりとなり、爆散して消えた。
と、同時にファンファーレが鳴り、空中に[Congratulation!!]の文字が出てきた。
攻略完了。
残るは、、、

キバオウ「何でや! 何でボスの情報を教えなかったんや!!」

他のプレイヤーが「どういう事だ?」などと呟いている。

キバオウ「そうやろ! アーサー、お前はボスのソードスキルを全部キャンセルしてたやないか! その情報を公開してたらもっと安全に攻略出来たんやないか!?」

プレイヤーが「そうだ! その通りだ!!」「やっぱりベータテスターは信用出来ねぇ!」と騒ぎ立てる。

アーサー「だとさ。」
キリト「あんなゲーム初心者とは一緒にされたくないんだが。」
サクマ「あぁ。 大半がレベリングのやり方も知らなかったしな。」
シンタロー「しかもクソがつくほどの怠けぶりだったし。」
アーサー「そう言うことだ。 ニュービー諸君。 俺達はただのベータテスターとは違う。 ソードスキルはベータ時代、八層よりも上に行った時に覚えた。 それだけだ。」
キリト「そう言うわけで、俺達をただのベータテスターとは一緒にしないで貰いたいね。」
キバオウ「何やそれ! そんなんチーターや! ベータテスターのチーターでビーターや!!」
サクマ「ビーターか。 良いなその呼ばれ方。 たった今からその名前は俺達が貰った。」
シンタロー「仲間だった情けで次の層のアクティベートは俺達がしといてやる。 お前らは戻って攻略成功の打ち上げでもしながら待ってろ。」
アーサー「まぁ、死にたい奴は付いてきてもいいがな。」
キリト「あー、いたなー。 ベータテストの時、初見の敵にやられてた奴。」
アーサー「じゃあな。 ニュービー諸君。」

そのまま次の層へとつながる扉を開け、迷宮に入る。
ちなみにアスナのパーティーの解除は攻略の終了直後にアーサーがおこなった。
そして、そこまで時間をかけずに二層に到着する。
アーサーがボス部屋から二層までの間にキバオウ、ディアベル、エギル、アスナに感謝を伝えるメールを送った。
そして二層のアクティベートを行い、ユージオ達と合流した。


~side out~ 
 

 
後書き
はい、ディアベル生存です。 
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