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剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか

作者:沙羅双樹
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序章
  プロローグ

 
前書き
典型的な神様転生の始まり。

というか、この話を読んだ後だと「異世界系暗殺者」のイッキが転生する際の遣り取りが理不尽に見えるかも。

 

 



【視点:一姫】



私――南一姫は自他共に認めるラノベオタクです。特にアニメ化したラノベは殆ど持っています。ハイスクールD×D、SAO、デアラ、ゼロ魔、このすば、落第騎士、ネト嫁、ダンまち、リゼロetcetc。挙げ始めたらキリがありません。

まぁ、ラノベオタクと言ってもラノベしか読まない訳じゃないんですが。才能に恵まれている癖に引き篭もりゲーマーの弟――樹が持っている漫画も読んだりしていますし。

ただ、興味を持っている比率としてラノベの割合が高いからラノベオタクに分類されるというだけの話です。そんなラノベオタクの私が、気が付いたら前後左右上下全方位が真っ白な謎の空間に拉致られていました。

目の前には社長椅子らしき豪華な椅子に中性的な容姿の子(性別不明、外見年齢10代前半)が座っています。


「転生の間にようこそ、南一姫さん」
「……は?」
「あなたはつい先程、車に撥ねられて死んでしまったんだ」
「え?」
「不幸な事故だった。まさか、ラノベを読み歩きしている30手前の女性が信号無視をして、それを車で撥ねてしまうとは運転手にとって不幸としか言い様がない」


………はうああぁぁぁ!!他人様に迷惑を掛けて死ぬとか、私ってば何様!?死因が完全に自業自得じゃないですか!!


「本来、死んでしまった人間の魂はあの世に送るものなんだけど、君も色々と現世に未練があるだろう。ラノベの続きが読めないとか、ラノベの続きが読めないとか、ラノベの続きが読めないとか」
「3回も言わなくていいです。事実ではありますが……」
「そんな訳で君を蘇生させることはできないが、代わりにラノベの世界に転生させることにした」
「は?」
「ラノベの世界に転生すれば当事者として続きを知ることができるだろう?という訳で、続きが気になる世界をこの中から選んでくれ」


目の前の子供――神と呼称しておきましょうか。神はそう言うや否や、ラノベのタイトルが書かれた紙を複数宙に浮かせた状態で提示してきました。

タイトルはハイスクールD×D、SAO、デアラ、ゼロ魔、このすば、落第騎士、ネト嫁、ダンまち、リゼロetcetc。全部私の持っているラノベで未完結のものばかりです。

ってか、今までの流れがこのすばっぽいんですが?これって、このすばを選べってことですか?でも、この中で一番続きが気になっているのは―――


「この世界でお願いします」
「ん?ああ、ダンまちの世界ね。んじゃ、次は転生特典を上げるから願いを4つ言ってくれ」
「え?転生特典って1つじゃないんですか?」
「ん?1つでいいならそれでもいいけど、4つまでなら何でも叶えてやるよ。君の前に転生した転生テスターの特典が4つだったから、これからの転生特典はそれで固定しようと思ってるんだ。
もしかして、このすばみたいに転生特典が1つしかないと思った?俺はそん所そこらの神を凌駕する超次元生命体だから、その気になれば100の願いを叶えられるぜ。
面倒臭いからそんな大量の願いを叶える気はないけど。ちなみに君の前の転生テスターは籤とダーツで転生特典と転生先を決めた」
「……籤とダーツですか?参考までに前の方が手に入れた転生特典と転生先を教えて貰えませんか?」
「いいよ。転生先は暗殺教室で、転生特典はるろ剣の十本刀2人分の能力、ハンハンのゾル家の能力、エア・ギアの空の玉璽(レガリア)とA・T関連技術。あと、殺し合いを含めた戦闘に物怖じしない精神力だったな」


……籤で引き当てた特典が割と殺し合い特化な上、転生先が暗殺教室とかかなりの運の持ち主だったみたいですね。前の転生者の籤運は私の弟と同等かも。


「で、転生特典は決められそう?無理なら前の奴みたいに籤で決めて貰うけど?」
「籤は勘弁して下さい。……そうですね、まずは私の容姿をRe:ゼロから始める異世界生活に登場する少女期のテレシア=ヴァン=アストレアにして下さい。
あと、同じくRe:ゼロから始める異世界生活に登場するラインハルト=ヴァン=アストレアの様に無数の加護を授かれる能力を下さい」
「ワォ!まさか、2つ目の転生特典で公式チートを要求されるとは思ってもみなかったよ」
「ダンまちの世界に行く以上、冒険者になることは確定ですから要求できることは何でも要求します。で、残りの転生特典は炎熱系最強の斬魄刀『流刃若火』と氷雪系最強(笑)の斬魄刀『氷輪丸』を下さい」
「あ~、剣聖の力に耐えられる伝説級の武器が必要になるのは分かるけど、何で氷雪系の方が『氷輪丸』?『袖白雪』でもよくない?ぶっちゃけ、氷雪系最強の斬魄刀は袖白雪だろうし」
「強いて理由を上げるなら、扱い易さでしょうか?氷雪系最強(笑)の方が扱い易そうですし」
「成程ね。それじゃあ、すぐに転生特典である願いを叶えよう」


超次元生命体様はそう言うや否や、フィンガースナップで指を鳴らし、私の目の前に2本の斬魄刀を出しました。『流刃若火』と『氷輪丸』が出たということは私の容姿も変わり、能力も与えられたのでしょう。

試しに『流刃若火』を鞘から抜いて振るってみると、難なく扱うことができました。これが剣聖の加護なのかもしれません。


「それじゃあ、転生する世界に送るな。時間軸的には原作開始5年前で、君の年齢は11歳になるけど気にするな。あと、加護のお蔭で『神の恩恵(ファルナ)』無しでも迷宮(ダンジョン)の下層に行けると思うけど、派閥(ファミリア)には入った方がいいぞ。
ちなみに神ヘスティアは既に廃教会暮らしをしているから、オラリオで廃教会を探せばすぐに会えるだろう。そして最後に1つ、原作崩壊して貰える嬉しいな。観察している俺としても面白いから。それじゃあ、君の新しい生に幸多からんことを」


超次元生命体様はアドバイスやら何やらを言うや否や、私の真下に魔方陣を展開し、ダンまちの世界へと送り出した。神以上の存在にとって人間の生活を観察するのは数少ない娯楽なのでしょうか?

人間の感覚で言えばアニメやドラマを見ている感じ?あと、前の転生者もこんな風に送り出されたんでしょうか?


 
 

 
後書き
主人公の死因は「ながら読書」。「ながらスマホ」も危険ですが、皆さんも「ながら行動」には気を付けましょう。
(特に自転車を運転しながらのスマホ)

というか、テストケースが運任せの特典選びだったのに対して、正式には普通に願いを叶える超次元生命体は理不尽ですよね?(笑)

あと、主人公の前世の容姿は「グリザイア」シリーズの風見一姫。(年齢29のロリババア(?)という設定。ちなみに「異世界系暗殺者」のイッキの前世は白髪の「ノゲノラ」空だったりします。(笑)) 
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