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『零と先輩』

作者:零那
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『不理解』



先輩のお見舞いに行って数週間くらいかな...
彼氏とは不仲になっていた。
というより、零が一方的に冷めた。
だから避けていた。
同棲まではいかないけれど、零の家に半分住んでいたようなもんだ。
避けきれない。
逃げきれない...。

知りたくなかったことなど、新たに知ってしまって気持ち悪くなった。
受け止めきれない。

『何があっても何が起きても好きな気持ちは変わらない』
なんて少女漫画のようなセリフ間違っても言えない。

過去の話なら違ったかもしれない。
逆に、ヘビーな内容なら何でも受け入れれただろう。
自分自身が普通じゃないから。

でも...性的嗜好はやっぱり受け入れれない。
ただでさえSexを汚いと思うのに...耐えきれない。
もう二度と、鎖に繋がれた玩具になんか成り下がりたくない。

Sex自体、我慢して相手してる。
早くイかす為の研究もした。
仕事でテクニックも磨いた。
だからせめて普通のSexをして早くイッて欲しい。

でも、そんなこと口にしてはいけないと解ってた。
今迄、男のプライドだけは傷つけぬよう配慮してきたつもりだった。
でも、我慢の限界を超えて、喧嘩になれば言ってしまうだろうという危機に陥っていた。


そんな時、彼氏が先輩にコンタクトをとっていた。
零は、状況や環境が普通じゃ無かった為、携帯が無くなっても困らないよう、電話番号&メアド&住所等を書いたノートが在る。
彼氏が、そのノートを盗んで先輩に連絡していた。
有り得ない行動に不信感しかなくなった。

恋人であろうと夫婦だろうと、家族でさえも、守るべきプライバシーは在る。
他人の連絡先を勝手に調べるなんてのは許せない。
更に連絡するなど以ての外だと思う。
緊急時なら別問題だろうけど。

冷めていた気持ちは一気に氷点下で、最後の優しさすら残らず、責めまくった。
他人のノートを見ること自体が零にとっては許せない行動。
理解が出来無い行動だった。
一度無理だと思えば大丈夫になることは有り得ない。

触られるなんて当然嫌で、顔も見たくないし声も聞きたくない。
気持ち悪いから近寄るなってレベル。

此の事実は、先輩からのメールで解った。
いい年して直接零と話し合おうとしなかった姿勢もガッカリだった。

結局、最後の最後に大喧嘩して、それでも納得いかない彼氏は営業妨害しに職場にも来た。
年上のくせに、こんな小娘との恋愛の処理も出来無いのかと、更に愕然とした。

先輩には迷惑かけっぱなしだ。


 
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