| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

261




 淋しさに

  胸ぞ痛むや

   通り雨

 想いし君よ

  いつぞ逢えにし



 彼を想えば胸は痛み…考えなくてよいことまで考えてしまう…。

 私はいらない…彼にとって私は不要な存在…。
 私の想いを知れば…彼は顔を顰めるに違いない…。

 負の考えに押し潰されそうになっている時…ふと、外から雨音が聞こえてきた…。

 見れば…然して時をおかず、雨は上がって月明かりが地を照らす…。

 いつ…彼に会えるのだろう…?


 もう…会えないのかも知れないけれど…。



 流る時の

  虚しき恋の

    行く末は

 黄昏眺む

    現なりにし



 坦々と過ぎ去る時間…愛しい人に会えぬ間も、われ関せずと見向きもせず…。

 そうした時の流れは、私と彼との距離をより一層遠く隔て…彼の記憶からも私を消して行くに違いない…。

 そんな私の恋は…きっと最後は一人、薄暗い夕闇の世界を見ているだけの…そんな結末になるのだろう…。


 そう…いつもと同じように…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧