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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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110部分:第十三話 帰還してその三


第十三話 帰還してその三

「その通りです。少し調べておきますが」
「調べておくのか」
「俺の技は知ってますよね」
 楽しげな軽い笑みを浮かべてシオンに問う。
「キャンサーの黄金聖闘士の技は」
「無論だ。確かにあると思うがな」
「こうご期待ってわけですね」
「そうだな。おそらくあのベルゼブブの八大公は再び御前の前に現われる」
「今度こそ仕留めてやりますよ」
 いつものデスマスクの言葉の調子になっていた。
「確実にね」
「期待している」
「では教皇」
 デスマスクとシオンの話が終わったところでサガがシオンに声をかけてきた。
「続きまして」
「うむ。デスマスク」
「はい」
 サガの言葉を受けたうえでデスマスクに声をかけ彼もそれに返すのだった。
「御前は巨蟹宮に下がれ」
「巨蟹宮にですか」
「そうだ。この度の任務ご苦労だった」
「はっ」
「また指示を出す。それまでは巨蟹宮の護りに当たれ」
「わかりました。それでは」
 シオンの言葉に一礼してそのうえで姿を消す。後にはサガとシオンだけが残ったのだった。
「デスマスクはよくやってくれたな」
「流石と言うべきでしょう」
 頭を垂れてシオンに述べる。
「キャンサーの黄金聖闘士の実力は確かです」
「そうだな。あの男と同じだ」
「あの男?」
「いや、何でもない」
 ここから先は打ち消したシオンだった。
「それはな。それでだ」
「はい」
 シオンはさらに話を続ける。サガもそれに片膝をついたまま顔を上げて応える。
「次はシュラに行ってもらう」
「あの男にですが」
「そしてサガ」
 それを告げたうえでまたサガに対して言うのだった。
「御前には次も行ってもらう」
「わかりました」
「次もおそらく八大公が出て来る」
「それは間違いないかと」
 サガもそれは読んでいた。やはり黄金聖闘士として年長であるだけはある。やはり彼とアイオロスが今の聖域の聖闘士達の柱なのだった。
「御前にはシュラのフォローを頼む」
「デスマスクの時と同じですね」
「そうだ。御前には負担をかけるが」
「いえ、構いません」
 だがサガはシオンにこう答えた。
「教皇、私はアテナの聖闘士です」
「だからよいというのか」
「はい、アイオロスも同じでしょう」
 彼のことはよくわかっているのだった。同じ黄金聖闘士として親友の関係にある。だからこそよくわかるのだった。心と心のつながりがそうさせているのだ。
「それにつきましては」
「済まんな。あの者達の実力は確かだが」
「それでも。まだ若いということですね」
「その通りだ。やはりまだ若い」
 シオンもまたこのことを言う。
「だからだ。御前とアイオロスには彼等の補佐を頼むのだ」
「承知しております」
「狂闘士の強さはかなりのものだ」
 シオンはこのことを誰よりもよく認識していた。
「だからだ。常に二人の黄金聖闘士を向けたいのだ」
「ええ。向こうもまた八大公もまた出して来ているのでしょう」
「そうだな。しかし」
「しかし?」
 ここでシオンは言葉を変えた。サガもそれに気付く。
「どうされたのですか」
「いや、まだわからないか」
 シオンはすぐに己の考えを打ち消したようだった。
 
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