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『零と先輩』

作者:零那
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『居場所』



停学明け、楽しみにしている学校にやっと行けた。
先輩達にやっと逢えた。
段々、文化祭に近付く。
準備が進むにつれ、役員さん達の団結感が強まる。
そのお手伝いを少しでも出来てる自分が嬉しい。

文化祭当日。
色々と準備をする。
単なる傍観者じゃないことを嬉しく思う。
行事なんて思い出のひとつもなかった。
親が来ることは1回もなくて、皆と楽しく仲良くなんてやってられなくて、思い出として綺麗なものは何ひとつなくて...。

やっと初めて綺麗な思い出が残った気がした。
いろんな事、楽しかった思い出として残ってくれている。
『思い出』とは本来こんなに尊いもんなんだと気付けた。

片付けるとやっぱり淋しい気持ちで涙が溢れ出した。
皆にとって当たり前に過ぎ去る1日の中の1コマで在っても、零にとっては当たり前でもなくて、とってもとっても大切な時間だったと...重みのある時間だったと想える...。

文化祭が終わっても生徒会室には入り浸ってた。
何かと人が集まっていた。
そして、零は零の居場所が欲しかった。

先輩の傍で、生徒会で『居ても良いよ』って居場所が欲しかった...。


 
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