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Liber incendio Vulgate

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Edizione straordinaria
  Moribis

 
前書き
四話だけしか書かないのもあれなので使うことにしました。 

 
「よし今日はこれで解散だ。それではこれから何時もの通り巡回をしてくれ」


今日集まって行われていたのは【風紀委員(ジャッジメント)】の支部における会議である。

最近は危険度の高い事件が増えたので、
その対策をと開かれたのだ。


「やれやれ(せわ)しないな。会議が終わって直ぐこれか。まったく支部長も元気なことだ」


彼はこの支部に所属する《野口勝哉(やぐちしょうや)》という。

ちょっとコーヒー好きな風紀委員であり、
何処にでもいる学生だ。

彼は途中でコンビニに寄りボトル缶のCOLD(つめたい)アロマコーヒーを購入した。

それを手に持ち飲みながら道を歩いていく。


「本日も異常無し、と」


そう言って繁華街のビルの間から裏路地に入る。

そして飲み切ったボトル缶を前に投げた。


「てっ!?」


そこにはチンピラ男の後頭部があった。

そして足下には女性が倒れている。


「表は綺麗でも裏は汚れてるんだよねえ」


勝哉はクスクスと笑い肩を揺らす。


「な、なんだお前!? もしかして、この缶を投げやがったのはテメエか!」

「そう。正解だよ【武装無能力集団(スキルアウト)】くん。今から君を捕まえる」



そう言って野口勝哉が腕に付いた腕章を見せてやるとチンピラは顔色を変えた。



「風紀委員か……!」

「その通り。面倒臭いから無駄な抵抗は辞めて大人しくしてほしいんだけどなあ」

「はいそうですかと言うとでも思ってんのか?」

「まったく思わないけど君には何か手があるのかな? この場を切り抜ける方法が」


勝哉が男にそう尋ねた時だった。


「おぉい遅えぞ。何時まで手子摺(てこず)ってんだ」


路地の奥からもう一人モヒカン頭の男が現れる。

その手には銃が握られていた。


(わり)(わり)い。実は風紀委員(ジャッジメント)の奴に見つかっちまってな」

「マジじゃねえか。かーっ、面倒臭え!」


そう言ってモヒカンは此方(こちら)に銃を向けてきた。そしていきなりブッ放す。


「良し」

「相変わらず手が()ええな」


二人が後ろ向きに倒れていく勝哉を見ながら安心して談笑したその時だった。


「ガァッ!?」

「ぐえっ!?」


勝哉が投げたボトル缶が独り手に飛び、チンピラの(あご)とモヒカンの蟀谷(こめかみ)を打った。

質量の関係上そこまではダメージを与えられないのだが僅かに隙が出来る。


「こらこら手癖が悪いね。トリガーハッピーだなんて危ないじゃないか君達」


勝哉は上半身が完全に後ろに()った状態から元のように立ち戻る。銃弾に反応してスウェーバックで(かわ)したのだ。

その間もボトル缶は跳ね回り二人の男に当たる。しかし彼等もやられっ放しではない。どうにかしてその缶を捕まえた。


「お前、もしかして【念動力(テレキネシス)】を使えんのか。だがこんなもんいくらぶつけられても」


暴れるボトル缶をチンピラが踏み付けて押さえた。しかし突然彼のバランスが崩れる。

踏んでいた空き缶がいきなり消えたのだ。そして今まで反発していた力が無くなったことでその方向に体が傾いた。

チンピラが転んだ所にはモヒカンがおり、つい彼を掴んで踏ん張ろうとしたため二人は一緒に倒れてしまう。


「どうかな? 僕の能力は。なかなか面白いだろう? この辺で止めた方が良いと思うけど」


二人の男がキレた。即座に立ち上がろうと手に力を込める。そして半身を起こしたところで彼等は聞いた。何かが破裂する音を。


「はぁ~…()せば良いのに。何故こんな無駄なことをするんだい君達は?」


二人は耳から血を流している。

鼓膜が破れ三半規管が働かず、平衡感覚が取れないのでまた這いつくばる。

ボトル缶が消えたのは勝哉が分解したため。そして鼓膜が破れたのは分解したボトル缶のアルミ細胞を二人の耳の中に侵入させ、極小の重力子爆発を起こしたからだ。


「【量子変速(シンクロトロン)】。アルミを基点にして重力子(グラビトン)増大(・・)ではなく加速(・・)して周囲に放出する能力。まあ聞こえてないだろうけど」


取り敢えず勝哉は支部と【警備員(アンチスキル)】に連絡した。彼等が駆け付ける前に男達を調べる。


「ん? このモヒカンの方、怪我してるな。しかも貫通した傷だ。だが弾痕というわけでも無い。あまりに綺麗過ぎる。よく我慢してあんな態度を取れたものだ」


実は彼、別の風紀委員に追われている最中だった。


「おぉーい、いたか(しょう)ー」

「駄目だ敦司(あつし)。こっちにはいないみたいだ」

「せっかく証に手伝ってもらってるってのに」


敦司の通信機に連絡が入った。

容疑者を仲間と共に拘束したとのこと。


「Oh ーNoォォォォー!!!!」

「そう(なげ)くなよ敦司。
またチャンスあるって」


湾上敦司(わんじょうあつし)》と《真咲(しんさき) (しょう)》は帰りに空気の弾丸を撃ちまくって気晴らしした。

学園都市の風紀委員は色々とある。 
 

 
後書き
敦司君書くのは二年振りくらいかな。

犯人倒す所で出そうか迷ったけどこっちの方が彼らしい気がする。裏の顔は別として。 
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