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ドリトル先生の名監督

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第一幕その三

「その人と一緒になるのよ」
「何か今回特に言うね」
「いつも気にしてるからよ」
 だからというのです。
「いいわね、それとだけれど」
「それと?」
「兄さんお相撲は観るのかしら」
「うん、観るよ」
 実際にとです、先生は妹さんに答えました。
「観るだけだけれど」
「そうなの」
「しないけれどね」
「まあ兄さん昔からスポオーツはしないわね」
「全然ね」
 こちらはです、先生は全く縁がありません。
 それで、です。こう言ったのです。
「スポーツは観るだけだよ」
「しないわね」
「うん、全然ね」 
 それこそというのです。
「そのことはサラも知ってるよね」
「このことはしろとは言わないわよ」 
 スポーツについてはです。
「だってしなくても構わないし」
「人それぞれだよね」
「確かに身体を動かした方がいいけれど」
「うん、人の身体はね」
「けれど無理してはね」
「散歩位はしてるから」
 あと乗馬です、いつも老馬に乗って登下校をしています。
「別にね」
「それはだね」
「そう、別にね」
「サッカーにラグビーも観るし」
 イギリスのスポーツもです。
「野球もね」
「最近よく甲子園行くのよね」
「そうなんだ」
 実際にというのです。
「中々楽しいスポーツだよ」
「観戦をするのも」
「かなりね」
「そうなのね」
「まあ相撲もね」 
 このスポーツもというのです。
「格闘技だね」
「そうね、スポーツというよりはね」
「お相撲は格闘技だよ、それにね」
「それに?」
「神事だね」 
 それでもあるというのです。
「お相撲はそれでもあるんだ」
「ああ、そういえば髷をしていて」
「土俵もだね」
「日本の神道の感じよね」
「そう、お相撲は神事でもあるんだ」
「ただの格闘技じゃないのね」
「もう一つの意味があって」
 まさにそれがというのです。
「神事なんだ」
「成程ね」
「うん、このことは覚えておいてね」
「わかったわ、神道にも通じているのね」
「そういうものでもあるんだ」
「そのこと面白いわね」 
 サラは先生の説明を聞いてです、腕を組んで考えるお顔になりました。食事をするその手も止めたうえで。
「お相撲は格闘技であるだけじゃない」
「そういうことなんだよ」
「成程ね、あとちゃんこは」
「あのお鍋だね」
「具は何なの?一体」
「具?決まっていないよ」
「決まっていないって?」
 サラは先生のお言葉に首を傾げるお顔になりました。 
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