| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

外伝~白隼(リベール)の決断~

~数日後・リベール王国・グランセル城~



「なっ………!?メンフィル軍のヴォルフ砦とハーケン門の通行の許可……!?シ、シルヴァン陛下……!ま、まさかメンフィル帝国は本気で………!」

「………数日前の宣言通り”クロスベル帝国”と共にエレボニアとカルバードの侵略を始める……という事ですか………」

話を聞かされたクローディア姫は信じられない表情をし、アリシア女王は厳しい表情で言った。

「―――その通り。現在のクロスベルはまだ”クロスベル独立国”だが………クーデターが成功し”クロスベル帝国”となり、我が国の盟友となり、二大国に侵略する日も近い。――――今こそ援助をする際の条件の一つ………『後にこちらが出す条件にはどのような条件にも従う』を守って頂こうか。」

一方現メンフィル皇帝シルヴァンは全身に覇気を纏ってで答え

「……万が一その条件を守らなかったどうするおつもりですか?」

エステルとヨシュアの父親であり”剣聖”と名高いリベール王国軍准将カシウスは厳しい表情で尋ねた。

「―――その際は”百日戦役”にてリベールは保身の為に”ハーメル”の民達の犠牲や”百日戦役”で犠牲になった民達の無念を見殺しにしたと世界中に公表させてもらいますわ。」

するとその時ルイーネが部屋に入って来た!

「貴女は………!」

「――――”六銃士”の一人、”微笑みの剣妃”か………」

ルイーネを見たクローディア姫は驚き、カシウス准将は厳しい表情でルイーネを見つめ

「―――初めまして。ルイーネと申します。”剣聖”と名高いカシウス准将や『不戦条約』を提唱された女王陛下にお会いできて光栄ですわ。―――未来の”クロスベル帝国”の皇帝の一人となられるギュランドロス様の妻でもありますので今後ともお見知り置きを。」

見つめられたルイーネは微笑みながら会釈をした。

「………ルイーネ殿。先程”ハーメル”と仰いましたが、何故あの件をご存知なのですか?」

そしてアリシア女王は真剣な表情でルイーネに尋ね

「クロスベルで起こった”教団”事件後、私達がメンフィル帝国に所属するプリネ姫の親衛隊副隊長殿に”ハーメル”の話を聞いた事がありますので。」

「あ……………」

「――――”剣帝”レオン=ハルト殿………貴方が話されたのですか………」

「…………………」

ルイーネの話を聞いたクローディア姫は不安そうな表情でアリシア女王やカシウス准将と共にシルヴァン皇帝の背後にファーミシルス大将軍や数人の親衛隊員達と共に控えているレオン少佐を見つめ

「―――エレボニアからは話さないように脅されていましたが………メンフィルに亡命した今、脅迫に怯える事もないかと判断し、せめて知り合いの者達に”ハーメル”の民達の事を知って頂く事や第二、第三の”ハーメル”を創らないという想いを込めて話させて頂きました。――――リウイ陛下やシルヴァン陛下を含め、”王族”には特に知っていて欲しかったので。」

「「……………」」

見つめられたレオン少佐―――レーヴェは目を細めて答え、アリシア女王達の背後に控えているユリア准佐とアリシア女王は複雑そうな表情で黙り込んでいた。

「――”ハーメル”の件が公にされれば、リベールもせっかく収まっていた混乱が再び起きると予想される。なので、条件を呑まれた方が賢明かと思われるが。第一リベール(貴女方)に負担してもらうような事は一切ないから、そんなに悩む事でもないと思うが。」

その時シルヴァン皇帝は静かな口調で言い

「っ!!シルヴァン陛下!メンフィルとヴァイスさん―――いえ、クロスベルがエレボニアとカルバードとの戦争を開戦すれば、西ゼムリア大陸が大混乱に陥る事は承知されているのですか!?」

シルヴァン皇帝の言葉を聞いたクローディア姫は息を呑んだ後、怒りの表情で怒鳴ったが

「その事についてだが……実質あまり混乱しないと思われるが。既に”我が国”の傘下となった自治州や自由都市も西ゼムリア大陸内でもそれなりに存在する。」

「そして今もクロスベルを支配している暗君ディーターの策略によってクロスベルの傘下となる自由都市や自治州も存在していますので、それらも合わせれば西ゼムリア大陸は”一部”を除いて秩序を保てると思われます。」

「!!」

(ディーター大統領や今のクロスベルの状況をも利用するとは………なんという謀略家……!下手をすればあの”天使”と同じくらいなのではないか………?)

シルヴァン皇帝とルイーネの説明を聞いて目を見開いて息を呑み、ユリア准佐は厳しい表情でルイーネを見つめていた。



「………アルテリア法国の承認も取れていないのに”帝国”を名乗る”自治州”と同盟を結ぶのもどうかと思われますが。……そもそもメンフィル帝国(あなたがた)の領となった各自治州および自由都市、”クロスベル独立国”の呼びかけに応えた地域に関してはアルテリア法国もまだ承認していなかったはずですよ。」

その時アリシア女王は真剣な表情で尋ね

「フフ………――――逆にお尋ねしますが何故”たかが宗教団体”が統治する”他国”に”国”を名乗る許可が必要なのですか?」

「同じく何故”宗教団体如き”に他国が我が国の傘下となる事に許可を貰う必要がある?」

ルイーネは微笑みながら尋ね、シルヴァン皇帝は”覇気”を纏って尋ねた。

「なっ!?」

「ア、アルテリア法国……いや、”七耀教会”の意見を無視するおつもりか!?」

「…………………貴方方もゼムリア大陸と七耀教会の関係は重々承知していると思われるのですが。」

二人の答えを聞いたクローディア姫は声を上げ、ユリア准佐は信じられない表情で声を上げ、カシウス准将は厳しい表情で尋ねた。

「―――そもそも我が国は貴国と違って七耀教会と”盟約”を結んでいるわけでもないし、七耀教会に気を使う義理はない。むしろこちらが統治している領に宗教活動を無条件で”認めてやっている”上”寄付してやっている”だけでも感謝されるべきだ。」

「それはクロスベルも同じ事。それに各地に散らばっている教会支部は七耀教会の”善意”で支部を建てているだけなのでしょう?第一、混沌の女神(アーライナ)や癒しの女神(イーリュン)と違って”今は存在していない神”を崇める宗教団体如きに国際社会に口を挟む権利等存在しませんわ。」

「なっ!?」

「貴女方もかの”教団”のように”空の女神(エイドス)”の存在を疑っておられるのか……!」

シルヴァン皇帝とルイーネの話を聞いたアリシア女王は驚きの表情で声を上げ、カシウス准将は厳しい表情で二人を見つめ

「……かの”教団”と一緒にしないで頂こう。こちらは”D∴G教団”と違って確かな証拠があって答えているだけなのだから。」

「………”空の女神(エイドス)”が”現在は存在していない”事はクローディア姫やユリア准佐はご存知かと思われるますが?」

シルヴァン皇帝は眉をしかめて答え、レーヴェは不敵な笑みを浮かべてクローディア姫とユリア准佐を見つめて尋ね

「「………………………」」

見つめられた二人は複雑そうな表情で黙り込んだ。

「クローディア………?ユリアさん………?まさか二人共何か知っているのですか?」

「………………………」

二人の様子を見たアリシア女王は驚きの表情で尋ね、カシウス准将は信じられない表情で二人を見つめていた。

「そ、それは………」

「………申し訳ありません……”空の女神(エイドス)”を信仰する信者の一人として、話す事は正直、恐れ多いです………」

アリシア女王に尋ねられたクローディア姫は表情を青褪めさせて口ごもり、ユリア准佐は辛そうな表情で唇を噛みしめて答えた。

「…………………仮に七耀教会の意志を無視する事を置いておくとしまして………『不戦条約』の事をよもや忘れておられるのですか?」

二人の様子を見たアリシア女王は重々しい様子を纏って呟いた後真剣な表情で2人に尋ねた。

「あくまで”できるだけ”という言い方だったはずの上、強制力はないはずだ。しかもカルバードもついに内戦状態に入り………エレボニアには到っては”貴族派”と”帝国解放戦線”の連合と”革命派”の内戦が続いていると聞く………”一応”民の為にテロリストも”国”ごと全て滅ぼし……”我々の秩序”の元でなら、”民”は平和な暮らしができる。無論、支配した地域の民には二大国が支配していた時より栄えさせ、民は決してないがしろにしない事を約束する。」

「それに”不戦条約”が結ばれた当時、”クロスベルは条約を結んでいない”のです。ですので我が国は正直な所、”不戦条約”には一切当てはまりません。」

「そ、それは……………」

「ぼ、暴論すぎる……………!」

「…………………」

シルヴァンとルイーネの説明を聞いたクローディア姫は不安そうな表情になり、ユリア准佐は厳しい表情をし、カシウス准将は目を伏せて黙り込み

「…………………」

アリシア女王は真剣な表情で黙り込んでいた。

「―――だが、こちらとしても同盟を結んでいる身でありながら『不戦条約』を提唱したアリシア女王の意志を無視するような形になるのは申し訳ないと思ってな。せめてもの”お詫び”を用意した。」

「同じくギュランドロス様やヴァイスさんの方でも、”クロスベル問題”を緩和する為に動いておられたアリシア女王やリベール王国に申し訳ないと思い、メンフィル帝国共々ある”お詫び”をする事にしました。」

するとその時シルヴァン皇帝とルイーネは意外な言葉をそれぞれ答えた。


「”お詫び”……………?」

「一体何を御用意されたのですか………?」

二人の話を聞いたクローディア姫は不思議そうな表情をし、アリシア女王は真剣な表情で尋ねた。

「―――ファーミシルス。あの契約書を渡してくれ。」

「ハッ!どうぞ、こちらに書かれてある内容をお読みください。」

アリシア女王の疑問を聞いたシルヴァン皇帝に促されたファーミシルス大将軍は敬礼をした後カシウス准将に紙をわたし、カシウス准将はアリシア女王に受け取った紙を渡した。

「こ、これは………!?」

そして紙の内容を読んだアリシア女王は目を見開き、震える声で紙の内容を声を出して読んだ。その内容を要約すると”ヴォルフ砦、ハーケン門にメンフィル帝国軍を通せばメンフィル帝国は3箇所、クロスベル帝国は2箇所のそれぞれが制圧した領地をリベール王国に譲渡する事。さらにメンフィル帝国は”謝罪金”として今後クローディア姫が王位を継ぎ、次代に王位を譲るまでの間はメンフィル帝国の税金の約1%を毎月リベールに支払う事”であった。

「なっ………!?せ、制圧した地域の一部の統治権をリベールに譲渡する上……メンフィル帝国の税金の一部の贈与!?」

「ふ、普通に考えてもありえません!このような滅茶苦茶な条約は………!?」

「………………………」

「お、おい……今のを聞いたか!?」

「あ、ああ………でも本当にあっていいのか……!?そんなありえない事……!」

アリシア女王が紙の内容を声を出して読み終えた後、クローディア姫やユリア准佐は驚いて声を上げ、カシウス准将は目を細めて二人を見つめ、さらにアリシア女王達の背後に控えている数人の王室親衛隊員達は顔を見合わせて混乱していた。

「―――ちなみにこれが我らメンフィル帝国が貴国に毎月贈与する予定の税の額と詳細だ。拝見するといい。」

さらにシルヴァン皇帝は書類を出して、アリシア女王の目の前に置き

「――拝見いたします。………なっ!?」

書類の内容を確認し終えたアリシア女王は目を見開き

「そ、そんな………!?この額だけでもリベールの民達が王国に毎月納めている税の約10……い、いえ20倍は軽く超えていますよ………!?」

「そ、それでもメンフィルにとっては約1%だなんて……!」

「………道理で我が国を含めた他国に援助する余裕がある訳ですな………」

クローディア姫は信じられない表情で声を上げ、ユリア准佐は驚き、カシウス准将は疲れた表情で溜息を吐いた。



「――――国境に他国の軍隊……しかも同盟を結んでいる国の軍隊を通すだけで貴国の領地や民が増える上長期間メンフィルより多額のお金を受け取れ、国家予算に組み込めるのです。貴国にとってこんな素晴らしいお話、今後一切ないかと思われますが?」

クローディア姫達が驚いている中、ルイーネは微笑みながら尋ねてシルヴァン皇帝と共にアリシア女王を見つめた。

「…………………………………わかりました。すぐに手配致します。」

シルヴァン皇帝とルイーネに見つめられたアリシア女王はしばらくの間黙って考え込んだ後重々しい口調で答え

「お祖母様!?」

「陛下!?」

「……………」

アリシア女王の答えを聞いたクローディア姫とユリア准佐は声を上げ、カシウス准将は目を伏せて黙り込んでいた。

「――――感謝する。では近日中に正式な契約書を用意し、またこちらに参上する。」

「ご英断、お見事ですわ。さすがは”賢王”と名高いアリシア女王陛下ですわ。―――それでは私もこの後”クロスベル帝国を建国する為”に再び帰国しなければいけませんので失礼いたします。フフ、次は恐らくクロスベル皇帝ギュランドロス・ヴァスガンの妃として”もう一人のクロスベル皇帝”ヴァイスハイト・ツェリンダーの妃共々皆様の前に姿を現すと思いますわ。」

一方シルヴァン皇帝とルイーネはそれぞれアリシア女王達に言った後その場から去ろうとしたが

「―――ああそうだ。言い忘れていたが………既に遊撃士協会も今回の件は承知済みで、介入はしないという契約と後は暗君ディーターに従う将――――アリオス・マクレインのA級正遊撃士資格の剥奪も完了している。なので”百日戦役”のように彼らに仲裁してもらう考えは持たない方がいいと思うぞ。」

何かを思い出したシルヴァン皇帝は振り向いてアリシア女王達に言い

「!!」

「そ、そんな!?」

「既に遊撃士協会にまで手を回されていたのか………!」

「一体何故遊撃士協会がそのような事を承知されたのでしょうか………?」

シルヴァン皇帝の説明を聞いたアリシア女王は目を見開き、クローディア姫は信じられない表情で声を上げ、カシウス准将は厳しい表情で呟き、ユリア准佐は考え込んだ。



「――――”結社”によるエレボニアの帝都ヘイムダルを中心とした遊撃士協会支部襲撃事件。あの事件に関わった貴方なら、その後エレボニア帝国内の一部の地域を除いた各遊撃士協会支部はどうなったかご存知かと思われますが?”剣聖”カシウス・ブライト。」

「!!まさか………制圧したエレボニアの地域内に情報局の手によって次々と撤退させられた遊撃士協会の支部の復活の許可を引き換えにしたのか……!?」

不敵な笑みを浮かべたレーヴェに尋ねられたカシウス准将は目を見開いた後、厳しい表情で声を上げ

「フフ、さすがは”本物”の”剣聖”ね。クロスベルにいる”偽物”の”剣聖”とは大違いだわ。」

「ちなみにアリオス・マクレインがクロイス家に手を貸し、さらにかなり以前から遊撃士協会の目を誤魔化して影で動いていた事実に遊撃士協会は大層お冠のようでして………フフ、アリオス・マクレインのA級正遊撃士資格剥奪を依頼しましたところ、既に資格の剥奪は完了していると報告を受けましたわ。」

ファーミシルス大将軍は不敵な笑みを浮かべて感心し、ルイーネは微笑み

(……アリオス………あの馬鹿弟弟子が………………お前がいれば遊撃士協会は大丈夫と安心していたというのに……………まさかリシャールの二の舞になるとは……………)

カシウス准将は複雑そうな表情で黙り込んだ後両手の拳を強く握って怒りの表情で身体を震わせ

「それとカシウス・ブライト。貴方にとっては朗報よ。――――アリオス・マクレインのA級正遊撃士資格の剥奪に伴い、”ファラ・サウリン”卿―――いえ、エステル・ファラ・サウリン・ブライトがS級正遊撃士の最有力候補に、ミント・ルーハンス・ブライトがエステルに次ぐS級正遊撃士候補として挙がったみたいよ?―――さすがは”英雄”の家系と言った所かしらね?」

「エ、エステルさんとミントちゃんが!?」

「ふ、二人ともまだ成人もしていないというのに………!」

「………………………」

ファーミシルス大将軍の話を聞いたクローディア姫は声を上げて驚き、ユリア准佐は信じられない表情をし、カシウス准将は重々しい様子を纏って黙り込み

「……それどころか、エステル・ファラ・サウリン・ブライトについては将来的にはS級よりも上のランクに値する歴代初のランク――――”SS級”への昇格も考えているそうだ。」

「なっ!?」

「”SS級”………!?」

「………………………!」

「遊撃士協会がエステルさんの事をそこまで高く評価しているなんて………」

さらにレーヴェの話を聞いたカシウス准将は声を上げて驚き、ユリア准佐は驚きの表情で叫び、クローディア姫は目を見開いて絶句し、アリシア女王は信じられない表情で呟き

「……まあ、彼女の今までの功績やメンフィル(われわれ)から爵位を貰っている事やメンフィル皇家(われわれ)やリベール王家(あなたたち)からも絶大な信頼を寄せられている事も考えれば納得できる結果だと思うが?爵位を授けた側としても誇らしい話だ。―――それでは我々はこれで失礼する。」

シルヴァン皇帝は口元に笑みを浮かべて言った後、外套を翻してファーミシルス大将軍やルイーネ達と共にその場を去った。

「お祖母様っ!どうして先程の話を受けられたのですか!?あんな話を受けてしまえば、エレボニアとカルバードは………!」

シルヴァン皇帝達が去るとクローディア姫は声を上げた後悲痛そうな表情をし

「………クローディア。私達はリベールの民達が平和な暮らしを続けさせる事が義務。……”ハーメル”の件が明るみになれば、王国内でもようやく収まった混乱が再び起こる事はわかるでしょう?」

尋ねられたアリシア女王は重々しい様子を纏って尋ね

「………下手をすれば国民達のエレボニアへの復讐心がわきあがって、開戦を迫るかもしれませんしね………しかも今のリベールはあの頃と状況が違い、あのメンフィルと同盟を結んでいる形となっていますし………実際”異変”や”異変”後の復興の際も力を貸してくれましたから、万が一リベールの方から戦争を仕掛けた際、メンフィルも共に戦うと思っているでしょうし………」

「さらに国境に他国の軍隊を通すだけで領地が増える上、長期間メンフィル帝国から毎月途方もない金額が支払われ、国家予算に組み込める事………王国内の政府関係者や軍の上層部が知ったらほぼ全員、賛成するでしょうしな……」

アリシア女王に続くようにユリア准佐は複雑そうな表情で、カシウス准将は重々しい様子を纏ってそれぞれの推測を口にし

「あ……………」

アリシア女王達の話を聞いたクローディア姫は不安そうな表情で呟いた。

「……七耀教会の威光が役に立たず……遊撃士協会も動かないとなると………”百日戦役”の時のようにもはや戦争を止める事はできなくなってしまった………恐らく下手をすれば二大国が滅ぼされる可能性が出てきましたな…………」

「「……………………」」

重々しい様子を纏って呟いたカシウス准将の言葉を聞いたクローディア姫とユリア准佐はそれぞれ辛そう表情で黙り込み

「……結局、”百日戦役”のように、また話し合いでは解決できませんでしたか…………………―――空の女神(エイドス)よ………混迷に満ちたこのゼムリア大陸に生きる人々にどうか一人でも多くの者にお慈悲を………」

そしてアリシア女王は己の無力を感じた後重々しい様子を纏ってその場で強く祈った。



―――こうして、独立国の無効宣言とマクダエル議長の引退、クロスベル帝国の宣言と同時にメンフィル帝国の同盟の余波は徐々に国内外に広がっていった。結界に包まれた市内の動きは(よう)として知れなかったが………国防軍兵士達の動揺も少なくなく、タングラム門などでは指揮系統の乱れも表面化し始め、アリオス、ダグラスも立て直そうとしたが、二人の努力は虚しく、兵士達は混乱し続け、さらには脱走者やベルガード門に投降して”六銃士派”に鞍替えする者達まで現れ………もはやタングラム門の守りはダグラスとダグラスを慕う一部の部隊のみでタングラム門の守りはがら空き状態となった。………さらにアリオスは市民達の期待を大いに裏切った”クロスベル最悪の裏切者”として市民達全員から嫌われる形となると共に遊撃士の資格も剥奪された。……………そしてアリオスのかつての名声や活躍、そして地位が全て泡となって消えた事にミシェル達は複雑な気持ちになっていた……………そんな中―――ロイド達の乗艦するメルカバにある人物からの連絡が入って来た…………… 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧